先日、大学時代の友人と久しぶりに会いました。
たまにはいっしょに夕食をとろうかと誘い、
何か食べたいものはあるかと尋ねたところ、
以前から「参鶏湯」を食べてみたかったということでした。
そこで、鶴橋にある評判のよい韓国料理店に行くことにしました。
玉造筋からほどなく、JR鶴橋駅の中央改札口を出ると、
道路を挟んですぐその正面が商店街になっています。
駅と商店街の間の道路には、短い横断歩道があって、
週末でしたので、多くのひとが行きかっていました。
さて、駅前で友人がやってくるのを待っているときのこと。
背後の方から大きな叫び声が聞こえてきたので、
何ごとだろうかとそちらへ目を向けてみると、
初老に差しかかった男性が激しい身振り手振りで、
歩行者と車の往来を懸命に整理していたのでした。
赤信号になっても渡ろうとする歩行者。
信号を無視して行き過ぎようとする車。
あるいは、道路の脇に駐停車しようとする車。
どんな違反も見逃さないといわんばかりに、
駆け寄っていっては、すごい剣幕で捲くし立てます。
注意されて、申し訳なさそうに苦笑いするひともいれば、
見て見ぬふり、聞こえぬふりをして通り過ぎるひともいます。
ある意味、何の変哲もない日常のひとコマに映ります。
ただひとつのことを除いては…
実はその男性、警備員でも何でもないのです。
私は、彼のことをまったく知りませんから、
絶対にそうではないといい切ることはできませんが、
よれよれの汚れたシャツに綿のパンツという姿で、
縦から見ても横から見ても、そのいでたちからして、
少なくとも正規に派遣された警備員でないことは確かでした。
訝しげに、あるいは煙たそうに睨みつけていく輩もいましたが、
ほとんどのひとは、呆れつつも笑みを浮かべて見ていました。
ときおり若いひとたちと親しげに話す場面さえありました。
待つこと約5分。
ほどなく友人はやってきました。
しかし、その5分そこらの短い間に、
私は二度までも、自分自身を恥ずかしく思ったのでした。
by スグル