乱れた銀髪 | ザ・マシンガンズの必殺技(絶望日記)

ザ・マシンガンズの必殺技(絶望日記)

 心にうつりゆく よしなしごと

先日、大学時代の友人と久しぶりに会いました。


たまにはいっしょに夕食をとろうかと誘い、

何か食べたいものはあるかと尋ねたところ、

以前から「参鶏湯」を食べてみたかったということでした。


そこで、鶴橋にある評判のよい韓国料理店に行くことにしました。


玉造筋からほどなく、JR鶴橋駅の中央改札口を出ると、

道路を挟んですぐその正面が商店街になっています。

駅と商店街の間の道路には、短い横断歩道があって、

週末でしたので、多くのひとが行きかっていました。


さて、駅前で友人がやってくるのを待っているときのこと。


背後の方から大きな叫び声が聞こえてきたので、

何ごとだろうかとそちらへ目を向けてみると、

初老に差しかかった男性が激しい身振り手振りで、

歩行者と車の往来を懸命に整理していたのでした。


赤信号になっても渡ろうとする歩行者。

信号を無視して行き過ぎようとする車。

あるいは、道路の脇に駐停車しようとする車。


どんな違反も見逃さないといわんばかりに、

駆け寄っていっては、すごい剣幕で捲くし立てます。

注意されて、申し訳なさそうに苦笑いするひともいれば、

見て見ぬふり、聞こえぬふりをして通り過ぎるひともいます。


ある意味、何の変哲もない日常のひとコマに映ります。

ただひとつのことを除いては…


実はその男性、警備員でも何でもないのです。


私は、彼のことをまったく知りませんから、

絶対にそうではないといい切ることはできませんが、

よれよれの汚れたシャツに綿のパンツという姿で、

縦から見ても横から見ても、そのいでたちからして、

少なくとも正規に派遣された警備員でないことは確かでした。


訝しげに、あるいは煙たそうに睨みつけていく輩もいましたが、

ほとんどのひとは、呆れつつも笑みを浮かべて見ていました。

ときおり若いひとたちと親しげに話す場面さえありました。


待つこと約5分。


ほどなく友人はやってきました。

しかし、その5分そこらの短い間に、

私は二度までも、自分自身を恥ずかしく思ったのでした。


                                     by スグル