大金持ちのR氏が、骨董品屋で小さな陶器の壺を見つけました。
しっかりと蓋がしてあり、開けられないのですが、
壺を振ってみると、何か固いものが入っている音がします。
何が入っているのかどうしても知りたくなった好奇心の強いR氏は、
その壺を買い、屋敷に帰るとさっそく壺を割ってみたのですが、
何も発見できませんでした。
溶けたり、蒸発したりするものではなかったはずなのですが、
いったい壺の中には何が入っていたのでしょうか。
唐突でしたが、答えはわかりましたか。
答えは、その壺と同じ材質の壺のかけらです。
そのためにR氏は、壺のかけら中に入っていたものを、
識別することができなかったのです。
壺の中に財宝が入っているとはかぎりません。
壺と「同じ」材質というところが鍵となります。
木の葉や枝を隠すなら森の中へ、
手紙を隠すなら書類の中へ、
死体を隠すなら戦場へ…
昨日、ちょっとした用があって街中に出た際、
溢れるようなひとの多さに改めて驚き、
ふと、その中に紛れてしまっている自分に気がついたわけです。
「私はここにいる」
それを誰かに気づいてほしいときがありませんか。
by スグル