「寒いね」と 話しかければ 「寒いね」と
答える人の いるあたたかさ
この冬は、本当に寒さの厳しい冬でした。
ここ数日、少しずつ暖かくなってきたとはいえ、
まだまだ油断はできません。
とにかく、春が待ち遠しいかぎりです。
さて、上記の歌は、現代口語短歌の旗手、
俵万智の代表作『サラダ記念日』に収録されているものです。
もしかすると、一読しただけでは、
白々しさしか残らないかもしれません。
しかし、ゆっくりかみしめて読むと、
爽やかな温もりが心を駆け巡るはずです。
これが、俵万智の真骨頂だと思います。
気持ちをことばにすることは、思いのほか難しく、
ともすれば、わざとらしく、下品になってしまうものです。
ところが、俵万智は、
いとも簡潔に、さりげなく、ありふれたことばで綴ります。
ことばの重さと軽さのバランス感覚に、ほとほと驚嘆します。
つまり、俵万智は、やっぱり天才なのでしょう。
彼女の歌を読み返すたび、
私のことばに対するこだわりや感性が幼稚に思えてなりません。
by スグル