小林豊『せかいいち うつくしい ぼくの村』 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

我が子は本が大好きなので、最近は図書館で借りた本の「読み聞かせ」というものを寝る前にしています。これ、実に不思議ですね。読み聞かせをすると、けっこうあっさりと寝てくれます。

 

先日、図書館で適当に選んだ本を読みました。タイトルからして「きっとおもしろいであろう」と踏んで借りた本です。

 

この本…すごかったです。おもしろい、とかではないです。

悲しい本でした。でも、読むべき本でした。

 

これまではほのぼのした子どもの話ばかり読んでいたのですが、たまたま出くわしたこの本は、いろいろと考えさせられるものがありました。主人公は村の少年。お父さんとともに市場へ行き、さくらんぼを売りに行きます。そして市場でできたお金で羊を買って帰ります。絵は実に美しく、横長の本の見開きで展開されるかなり横長の絵は、うつくしい村や市場へ我々を誘うようでした。

 

しかし。

少年のお兄さんは戦争へ行ってしまいます。

市場では、戦争で足を失った人が出てきます。

 

そしてこの話の舞台となった村は…なくなります。最後のページで文字だけでそう語られ、このお話は終わります。

 

5歳には悲しすぎるように思えました。しかし「果たして理解できたか?」が疑問だったので、我が子の様子を見てみました。

しっかり、悲しんでいました。泣きそうでした。

 

それでいい、と思いました。

戦争のことを教えるのは難しいです。ただ、それはいけないものであることは教えたいものです。

 

なおこの絵本作家は(名前だけ見るとフレンドパークのエアホッケーの実況の人なのですが)、実際にこの絵本の舞台のような村を訪れたそうです。そこで見た美しい風景と悲しいその後を…見たそうです。

 

そこは、1980年前後のアフガニスタンでした。あとがきで知りました。

思わず、絶句してしまいました。

 

世の中のよくないことをよくないことだと教えるのも大人の役目です。