三浦しをん『神去なあなあ日常』 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 久々読書。最近はビジネス関連の本がメインになっており、そんなものはブログにアップする気にならないので、本当に久々になりました。
 やはりたまには小説なりエッセーなり、仕事に無関係なものを読んで、心身のバランスを取りたいものです。
 

 箱根駅伝に挑む若者を描いた『風が強く吹いている』で知られる作者・三浦しをんさんの作品。三浦さんは町田の高原書店でかつて働いていたということもあり、元町田市民としては実に親近感のある作家さんです。町田を描いた『まほろ駅前・・・』シリーズもよかったです。
 『神去なあなあ日常』は、三重県の奥地のお話。舞台となっている「神去村」はおそらく架空の村だと思われますが、おそらく名張もしくは津の奥のほうあたりではないかと勝手に想像します。そして、横浜の若者が突如として、林業の世界にぶち込まれるというものです。それはそれで実に大変なものでしたが、「神去村」の人々の個性と、「神去村」の神々しい自然、そして林業の奥深い世界がしっかりと描かれています。
 箱根駅伝を題材とした『風が強く吹いている』では主に法政大学の駅伝部を取材して書いたという三浦さん(なぜ法政か、ということについてもこだわりがあったそうですがここでは触れません。ただ、最近の法政大学の箱根での躍進は=私が法政OBということもあるのですが(笑)=実に嬉しいです。)。本作でもやはり、尾鷲の林業家に取材をしたそうです。
 小説は架空の世界でありますが、その前提で作者はしっかり取材をします。そして作者の目で見た、違う世界を読者は本を通して見ることができます。