重松清『赤ヘル1975』 | 町田ロッテと野球散策

町田ロッテと野球散策

いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 世の中には「奇書」というものが本当にあるのかもしれません。この本は図書館で借りるのですが、実は3度目。凡そ500ページの本、しかし借りる度に仕事が忙しくなってしまい、読了する前に返却期限が到来してしまい、中途半端な状態で泣く泣く返していました。
 

 今回、ようやく読了できました。しかも、3日で読み遂げました。
 
 今でこそ、毎年のように優勝するカープ。しかしその誕生からの四半世紀は、苦しいものでした。そして球団創設から26シーズン目にあたる1975年、悲願の初優勝を遂げます。その瞬間・・・最後の1アウト。球場(後楽園だったかな)には静寂が訪れます。ファン一人一人が、被爆、終戦、復興、球団創設、資金不足による解散危機・・・それまでの広島の歴史、暮らしを思い浮かべている時間でした。
 レフト水谷(実雄かな)の、最後のアウトとなる捕球の瞬間、歓喜の時は訪れます。
 
 後年の緒方監督の下でリーグ3連覇を遂げたのを見ている私も、総武線で泣きそうになりました。
 
 広島カープ、初優勝!
 
 なおこの話には、カープとともに広島で生きた多くの人々が描かれています。戦災からの復興とともに歩んだ広島カープは、まさに人々の生活とともにあったのだと思いました。人生の中にたしかにある野球、素晴らしいですね。
 
 人生とシンクロする野球。