習志野市役所 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 2003年、初めて千葉県民になりました。京成線・実籾駅から徒歩7分のレオパレス、習志野高校のすぐ近くでした。


 多分、それ以来の習志野市役所。ただ、到着して驚きました。

 

「本庁舎48年間ありがとう」

 

 

・・・とり壊されるのか。

 

 習志野市が誕生したのは今から61年前の1954年のことだそうです。したがって市制施行からやや遅れて建てられた市庁舎ということになるのですが、その寿命、わずか48年とは。とても味のある建物で好きだったのですが・・・

 

 日本の建造物は、あまり大切に扱われないという印象があります。たしかに江戸では密集した木造住宅を襲う度々の大火と破壊消防(むろん江戸城に延焼しないように「燃える前に壊せ」ということだったそうです)があり、20世紀の東京では1923年の震災と第二次世界大戦における空襲もありました。そして戦後も高度成長期における建築ラッシュと解体ラッシュ。そりゃ古い建物は残りません。

 

 

 方や外国。100年、200年は当たり前です。

 


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 ベルギーの首都ブリュッセルの世界遺産「グラン=プラス」。最古の建物は15世紀前半に作られました。それがブリュッセル市庁舎(尖塔が際立つ建物)。なんと、現役の市庁舎・・・・・・だそうです。周りの建物は17世紀末の戦争でかなり焼失したそうですが、それでも18世紀のギルドの商人や職人が再建して今に至ったらしいです(商工組合的な建物、と聞いたことがあります)。美しい古城も数多く残るヨーロッパならではです。

 

 グラン=プラス、いつか行ってみたいのです。

 

(先日テレビの企画で、「ポニーテールは振り向かない」でお馴染みの松村雄基さんがこの地を訪れています)

 

 日本でも明治期、大正期の建築物はいくつか残っています。ただそれは稀・・・東京駅(中央停車場)の設計で有名な明治・大正期の建築家・辰野金吾が設計したものでも、現存しないものが多いのです。

 

 ちなみにかつての東京オリオンズの本拠地であった東京スタジアムの開場は1962年ですが、解体は1977年・・・わずか15年でその命を閉じてしまいました。ああ日本の建築物の寿命は、本当に短いものです。

 実は実籾に住むより以前に東久留米に住んでいたことがあります。初めて降りた時、背後にはとても味のある平屋の駅舎がありました。後に、高橋留美子の名作漫画「めぞん一刻」に登場する「時計坂駅」のモデルがこの駅舎だったことを知りました。なおこの駅舎も、最近取り壊されています。

 JR国立駅もとても美しい駅舎を持っていましたが、中央線の高架化に伴ってこちらも壊されてしまっています。

 

 時代の移ろいと言ってしまえばそれまでですが、古い建物に備わる、作為的ではない「味」というものをもうちょっと愛したいと思ってしまうのです。