2014年のターニングポイントになるかもしれないセーフティバント(5・18札幌ドーム) | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 昨年優勝の楽天。ターニングポイントとしてあのマリーンズ戦を挙げるファンは多いそうです。その試合は楽天ファンの店主(=「監督」)が営む居酒屋さんで見ていたのですが、あの田中将大投手がその年初めて黒星がつこうかという試合でした。しかし楽天打線、マリーンズのクローザー益田直也投手を攻めて・・・見事なサヨナラ勝ちを収めました。なお周知の通りこの年、田中将大選手に黒星はついにつきませんでした。

 2014年、札幌。驚きの9回表でした。


【マリーンズ・スタメン】

(中)岡田幸文

(右)加藤翔平

(左)角中勝也

(指)サブロー

(三)ルイス・クルーズ

(遊)鈴木大地

(二)根元俊一

(捕)吉田裕太

(一)高濱卓也

・・・今江敏晃選手、スタメン落ち。そして荻野貴司選手も外れて1番には岡田選手が入ります。


【ファイターズ・スタメン】

(一)西川遥輝

(遊)大引啓次

(中)陽岱鋼

(左)中田翔

(指)ホアン・ミランダ

(三)近藤健介

(右)佐藤賢治

(捕)市川友也

(二)中島卓也

・・・西川選手のファーストに驚きましたが、何よりも前日のヒーロー大野奨太選手がいないのです。ただマリーンズが苦手とする近藤健介選手、佐藤賢治選手の6,7番は脅威でもあります。


 ここまで連敗中のマリーンズ。ただスイープを許しての交流戦突入はちょっと・・・どころか何としても避けたいところです。


 マリーンズ、岡田選手が好調です。初回にいきなりルイス・メンドーサ投手からヒットで出塁。そしてバントを経てのサブロー選手、クルーズ選手の連続タイムリーで2点先制します。

 しかしマリーンズの先発はルーキー石川歩投手でした。4月こそ好調でいきなり3勝を挙げたもののここ2試合は疲れもあったかもしれず、打ちこまれています。そしてこの日も序盤にいきなりヒット3本を続けられていきなり失点。この時は「ついにアウトをとれないのではないか・・・」と思ってしまったものです。ただここを何とか1点にとどめます。しかし2回はやはり佐藤賢選手、ツーベースで出塁。そして三塁に進められての二死、間一髪の西川選手の内野安打・・・ショートが鈴木選手でなく肩の強いクルーズ選手だったらどうか、は言っても詮無きことか。

 ただ石川投手、頑張りました。ここ数試合ではいちばんよかったのではないでしょうか。6回で降板してしまいましたが2失点。なんとか交流戦に目途がたった形となりました。是非とも本調子に戻ってほしいものです。


 それにしてもマリーンズ打線、2回以降はなかなかメンドーサ投手を打てません。ハイキング・ウォーキングを彷彿とさせるメキシカンは8回まで快調なピッチング。2-2で8回裏でした。


 このときマリーンズは2番手、大谷智久投手。簡単にツーアウトを取った後、好調の中田翔選手にヒットを浴びます。そこで左のミランダ選手を迎えたところで松永昂大投手にスイッチ。しかしこれを歩かせ、かつ4ボール目、吉田選手が大きく弾いて中田選手を三塁までやってしまいます。

 そして途中出場の飯山裕志選手、左中間を割るタイムリー・・・まさかの伏兵タイムリー、一瞬にして勝ち越されます。しかも8回裏。

 当然、敗戦を覚悟します。


 ファイターズ9回のマウンドは増井浩俊投手。当然です。しかし・・・これまた一瞬の出来事! クルーズ選手は本当に凄いところでホームランを放ってくれます。同点!!

 そして鈴木選手にはストレートの四球・・・どうも増井投手がおかしいのです。ここでふと想像したのが8回裏のファイターズブルペン。


 果たしてあの状況で増井投手は「作って」いたのでしょうか。2-2、二死まであっと言う間での中田選手のヒット。二死の時点で想定するのは2-2のはずで、作っていたのはおそらくカーター投手かクロッタ投手であって増井投手ではなかったと思います。しかし「一瞬」と書いたくらいに飯山選手のそれが飛び出たわけで、きっとあわてて送り出した増井投手だったのだと想像します。3-2、セーブシチュエーション。「当然」と書いた増井投手登板だったのですが、ここはけっこう難しいところだったかと思います。


 クルーズ選手のホームランであっという間に同点に追いついたマリーンズ、鈴木選手四球の後バント、代打井口資仁選手の四球で一、二塁としたところでマイケル・クロッタ投手にスイッチ。これは栗山監督、英断でした。今江選手はバットを折ってボテボテ内野ゴロ。ランナーは進んだものの二死。


(実はこの時点で西野勇士投手をちゃんと用意しておいてくれているかしらと思っていました。増井投手の二の轍を踏まぬよう・・・)


 そして岡田選手のセーフティーバントが飛び出します。






・・・むちゃくちゃ驚きました。二死からのセーフティーバントなんて、見たことがありませんでした。あまりにもリスキー。しかし三塁が名手・飯山選手だったにも関わらず、勝ったのは岡田選手の足でした。なんという筋書きでしょう! 敗色濃厚で始まった9回表に、なんとマリーンズ、逆転に成功するのです!


 9回裏を記すのは蛇足ではないでしょう。上記の通りクローザーの「作り」の難しさを感じた直後の西野投手の登板。もしクルーズホームランの段階(あるいはその前の段階)で作っていたのが益田直也投手かカルロス・ロサ投手であったのであれば、いくらセーブシチュエーションであっても西野投手にこだわらんでもいいのではないかと思って見ていました。


 代打・北篤選手に四球。そして中島卓也はバントの構えにもかかわらず数えるボールカウントは3つ。そうも制球が定まりません。ここはかなり不安でした。結局素直に送らせて一死二塁。これは仕方ありません。そして西川選手のセカンドゴロ(だったっけ?)でランナー進んで大引選手。得点圏打率No.1の恐怖の打者です。そして、フルカウント。


(大引選手で終えるには三振以外にありえない。そうでなければ歩かせても・・・)という場面。


 渾身の、マリーンズのシーズンの行方を決めるのではないかとすら言ってもいい一球でした。こんな大げさなことを書いてコースは覚えていないのですが(インハイだったかなぁ(笑))、最後は球審のアクションで締め!

 やはり、三振!!


 見事な逆転勝利。同点弾のクルーズ選手も最後を締めた西野投手も見事でしたが、やはり圧巻は岡田選手の二死からのセーフティバント!!


 岡田選手、自身の判断だったそうです。名手飯山選手のやや後ろ目の守備位置を見て試みたワンプレーだったそうです。


 見事な、野球脳!! ものすごいものを見させていただきました。本当に大きな勝利でした。


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