
読み終えたのは旅先の鹿児島行きの飛行機の中でした。オリンピック期間、やはり読書が滞ります。
難しい小説でした。いえ、難解という意味ではありません。テーマが大きいのです。お隣の朝鮮半島と日本の関わり方の歴史、しかも20世紀の一期間だけでこうも歪んだものになってしまう悲劇。1910年の併合から今に至るまでの歴史は、外国に翻弄された半島の歴史そのものです。
同一の言語を話し、1910年までは同一の国であったにも関わらず日本の敗戦と東西冷戦による38度線での分断はやはりあってはなりません。同胞が殺し合うなんて、どう考えてもおかしいです。
そこには利権が入り込みます。権力が入り込みます。そこに欲が湧きます。
もしかしたら「国」という枠組は無関係にその欲と殺戮はあるのかもしれません。国や民族を大義名分にして人は殺し合うのですが、国内でも似たようなことはあるわけです。
我々は日本人である前に人です。自国民さえよければ他国は知ったこっちゃないという考えがあまり好きではありません。その考えで今の日本の政権を見ると、危うさしか覚えないのです。
「Z」は、どこにでも現れる…これは人類においてはアンタッチャブルな宿命なのでしょうか。それが擬人化された時の戦慄がリアルに描かれたとき、私たちにできることはもうないのでしょうか。

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