横山秀夫『半落ち』 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

そう、なんで中野区の学校は東京二十三区なのに西東京なのだろうかと、ずっと思っていた。

そう、国士舘は西のイメージがあり西東京代表にもなったことがあるのに今年の夏の都大会では東の決勝に出ていた。

もちろん、高校野球の話である。この話は実は知っていたのであるが本日の朝日新聞朝刊の『天声人語』を読んで、唸った。真冬に高校野球の話題とは、なんとも季節外れである。『天声人語』の筆者もそう認めている。ただ、そう季節外れの話でもない、東京都高野連における「東西区割りの見直し」。このたび、東に属す世田谷区の二十校(世田谷学園など)を西へ移し、中野区の八校(東亜学園など。堀越もそうだったような気がする)を東へ移すのだそうだ。実はこれ、都高野連における「定数是正」なのである。高校が数多くある東京都は「東東京」「西東京」で分かれて夏の代表を送り出すのであるが、近年、その差が三十を超したらしい。当然「甲子園切符」は校数が少ないほうが有利だ。ただ律儀な都高野連、これを「格差」と捉え、今回の是正となったのである。東にとっての「八増二十減」、西はその逆である。これで甲子園を目指す高校球児たちにとっての「都内での格差」は幾分か埋められた。

『天声人語』、当然のようであるが衆議院選挙における「一票の格差」に言及している。高校野球の世界で「律儀」なのに政界はそうもいかないのね、と。かつて「農村の意見は軽んじられがち」と、この一票の格差を是認すべきだという論も聞いたことはある。そうだろうか。結局大切にされるのは既得権益ではないだろうか。たしかに都会は消費するばかりであるから生産の拠点たる農村は重視されるべきかもしれない。しかしそこでは「法の下の平等」との兼ね合いもある。



横山秀夫『半落ち』を読んだ。映画は予告だけテレビでみて本編は未だに見ていないのであるが、主人公はどうしても寺尾聰として見てしまう。しかし、これが嵌るのである。原作に忠実なキャスティングの妙である。

一人の被告を巡る法曹三者の心境、さらに警察、新聞記者のそれ。事件後の謎を巡るミステリーが解けたとき、そこに人と人との絆を感じる秀作だ。ただの警察小説ではなかった!


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