「ホームランかっとばせタイローン、レフトーへー、ライトへー」
未だにタイロン・ウッズの応援歌が頭を離れない私である。そもそもウッズはベイスターズの選手で、しこたまホームランを放った大砲であったのだが、間もなくドラゴンズに移ってしまうのである。ウッズに出て行かれてからのベイスターズはなかなか浮上できない状態が続いてしまっている。しかし昨日だったか、その「意趣返し」というわけではないのであろうが、ドラゴンズのトニ・ブランコ選手がベイスターズに来るということが決まったそうだ。ここずっと最下位が続いてしまっているベイスターズにとっては大きな戦力である。やはりベイスターズにはいい加減定位置を抜け出してもらわないと困る。さもないとセントラル・リーグは言葉が悪いが「出来レース」のようなものになってしまう。二〇一三年のベイスターズに期待したい。
平日に休みを迎える事が多い私、水曜日の今日は休みだった。久々に丸一日外出しない日だった。起きたのはお世辞にも早いとは言えない午前十一時であったが、起床後は家事に読書をして過ごした。今や男も家事をする時代である。洗濯もごみ出しもでき、所期の目的はしっかり果たせた。
夕食も作った。久々のハンバーグはソースも自家製、家にある調味料を適当にブレンドしてのものだ。尤も、どう組み合わせても不味くならないものばかりではあったが。
そしてこちらが、先日コンビニで立ち読みした料理本のレシピをもとに作ったししゃもの揚げ物。小麦粉をまぶしそのまま揚げただけである。この程度であれば本を買わずとも覚えられる。簡単なので、お奨めの一品だ。
貫井徳郎のデビュー作『慟哭』を読んだ。とにかく、構成が秀逸だった。奇数章で新興宗教に嵌っていく男の話が描かれ、偶数章で幼女の連続殺人事件の捜査に関わる警察の模様が描かれる。交互に続けられる話は一方が夏、もう一方が冬で初めはどう関連するかすら定かでないものであった。しかしこれがあるところを契機として近づき、やがてシンクロしてくるのである。ここまでは、よくある小説の構成である。そして終盤に近づくにつれほぼ同時期の話となっていく。・・・ように思われた。しかしそこで読者は裏切られる。本編四百十一ページの小説のほぼ終わりの部分である三百九十五ページ、そこに「仰天」があった! 今まで幾多の本を読んできたが、ここまで驚かされた二行には出会った事がなかった。予期せぬ驚きに出くわす楽しみも、読書の歓びである。

