【8/23 Game129 vsTB ◯】40号&40盗塁!「なんて夜であり…素晴らしい勝利だ」
2024年8月24日-------------------------------------------------------------■ 試合データ-------------------------------------------------------------米国時間:2024年8月23日日本時間:2024年8月24日(土曜日)11時10分開始ロサンゼルス・ドジャース対タンパベイ・レイズ@ドジャースタジアム【MLB.JP 戦評】 日本時間8月24日、ドジャースは本拠地ドジャー・スタジアムでのレイズ3連戦がスタート。その初戦は3点をリードされる展開となったが、5回裏にキケ・ヘルナンデスのひと振りで同点とし、9回裏に大谷翔平がサヨナラ満塁弾で試合を決めた。ドジャースは5連勝で今季最多の貯金25となり、4番手のマイケル・コペックが4勝目(8敗)をマーク。レイズは3回までに3点を奪ったものの、その後は追加点を奪うことができず、5番手のマニュエル・ロドリゲスに3敗目(2勝)が記録された。 初回にジュニア・カミネロの1号ソロで先制されたドジャースは、3回表にクリストファー・モレルの21号2ランで追加点を奪われ、3点を追う展開に。打線は2回以降、毎回先頭打者を出しながらも得点できていなかったが、5回裏に一死1・2塁のチャンスを迎え、ヘルナンデスの8号3ランで一気に同点とした。試合はそのまま9回裏を迎え、ドジャースは無死1・2塁のチャンスに。ここでミゲル・ロハスが送りバントを決めて2・3塁となり、二死後に代打のマックス・マンシーが四球を選んで満塁となったあと、大谷が初球を叩き、「40-40」達成となる40号サヨナラ満塁弾でチームを勝利に導いた。 ドジャースの大谷は「1番・DH」でスタメン出場。初回の第1打席はファーストライナーに倒れたが、4回裏の第2打席でショートへの内野安打を放ち、今季40個目の盗塁を決めた。5回裏の第3打席はショートゴロ、7回裏の第4打席はセカンドゴロで凡退したが、9回裏の第5打席でサヨナラ満塁弾という大きな仕事をやってのけた。この劇的な一発で史上6人目となる「40-40」を達成。出場126試合目での達成は史上最速記録である。5打数2安打4打点の活躍で今季の打撃成績は打率.292、OPS.992となっている。-------------------------------------------------------------■ 今日の大谷翔平-------------------------------------------------------------【スタメン】1番DH【出場成績/打者】5打数 2安打 4打点 1得点 1盗塁(40個) 1本塁打(40号)通算打率・292OPS・992◆第1打席:(結果)ファーストライナー(状況)1回無死走者なし(投手)タイラー・アレクサンダー左※第1打席は一直だった。2ボール1ストライクからの4球目、内角90・2マイル(約145・2キロ)シンカーに少し詰まらされた。◆第2打席:(結果)ショート内野安打(状況)4回無死走者なし(投手)タイラー・アレクサンダー左※1ストライクからの2球目の内角シンカーに完全に詰まらされたが、遊撃への内野安打。一死後、3番・フリーマンへの初球だった。相手先発は左腕のアレクサンダー。当然、左投手の視界にバッチリと捉えられていたが、大谷は相手が右足を上げ、投球動作に入った瞬間に走りだした。そのまま快足を飛ばして二塁へスライディング。78・1マイル(約125・7キロ)のスナイパーで、捕手も送球できなかった。40盗塁に本拠地のファンは大歓声を上げ、ロバーツ監督もベンチで拍手を送って祝福した。記念の二塁ベースは入れ替えられた。 40 STEALS FOR SHOHEI OHTANI pic.twitter.com/VuapswTOtj— MLB (@MLB) August 24, 2024◆第3打席:(結果)ショートゴロ(状況)5回1死走者なし(投手)リチャード・ラブレディ左※◆第4打席:(結果)セカンドゴロ(状況)7回2死1塁(投手)ギャレット・クレビンジャー左※◆第5打席:(結果)グランドスラム(状況)9回2死満塁(投手)コリン・ポシェ左※相手は6番手左腕のポシェ。その初球だった。84・3マイル(約135・7キロ)のスライダーを見逃さなかった。豪快に振り抜いた105・1マイル(約169・1キロ)の打球は35度の角度で打ち上がり、長い滞空時間をへて右中間席へ飛び込んだ。節目の一打をサヨナラのグラウンドスラムで決める漫画のような展開に、本拠地のファンもナインも大興奮だ。 #WALKOFF GRAND SLAM TO JOIN THE 40-40 CLUB THERE IS ONLY ONE SHOHEI OHTANI. pic.twitter.com/FksrBJCDSV— MLB (@MLB) August 24, 2024 Shohei Ohtani is the first player in @Dodgers history to join the 40/40 club. He did it in GRAND fashion. pic.twitter.com/tGdTkCFdIm— MLB (@MLB) August 24, 2024 Watching this Sho on repeat. pic.twitter.com/xcGSS0zbJ3— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) August 24, 2024 A historical walk-off celebration at home plate. pic.twitter.com/h0zLw9juOk— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) August 24, 2024【コメント】◯試合後(ヒーローインタビュー)――40―40達成の気持ちは「それもうれしいし、何より最後に打てたことがドジャースに来てからの今のところ一番の思い出になっている」――40盗塁、40本、光栄だと思うがどうか「それ自体が目的になるというより、勝つための手段として1つそういった記録がつくれたのは大きいこと」――40本目がサヨナラ本塁打「打席では何も考えずに勝ちたいな、1本打ちたいなと。ホームに来てから気づきました」――40―40の次の目標は「ポストシーズンに進出してワールドシリーズに勝つのが一番の目標。自分の数字は後からついてくればいいかなと思っている」――ホームのファンの前で達成「ドジャースのファンの前で打ちたいと思っていたので、本当にいい思い出になった」 Shohei Ohtani discusses his walk-off grand slam and joining the 40-40 club. Catch all the action on #DodgersTV at no extra cost for Spectrum customers with both Internet and mobile services. 🔗: https://t.co/i0HWddfBus pic.twitter.com/XZfKIvczrK— SportsNet LA (@SportsNetLA) August 24, 2024(メディア対応)ーーチームメートの反応は「みんなお祝いしてくれて、お風呂から上がってきてくれて。お風呂から上がってきて、そのままみんなお祝いしてくれました。」ーーホームランは狙っていた「いや、もうヒットでいいので。フォーボールでもいいですし。そういう気持ちでいきました。」ーーフェンスを超えた瞬間はどう感じた「いや、ちょっと最初分からなかったので。触ってるか、フェンスに当たってるかちょっとわかんなかったので、審判が(手を)上げてくれて、わかりました。」ーー「40本塁打と40盗塁」は意識していたか「何本ぐらいかなっていうのはもちろん知ってましたけど。さっきも言ってたんですけど、それが目的にならない、しっかりと勝つための手段として盗塁もそうですし、やりたいなと思ってるので。盗塁に関してはやっぱり失敗しないことをまず第一に考えながらやりたいなと思います。」ーー盗塁数が増えた要因「ドジャースに来てからいろんな人と話して。積極的に次を、まず狙っていく姿勢をまず作りたいなと思ってましたし。しっかりと自分の足を生かしていく方法っていうのをいろいろ探しながら、コーチたちと話して、コミュニケーション取るっていうのが一番かなと思います。」ーー「50本塁打と50盗塁」は狙っていくか「もちろん、その数が増えるっていうことは、勝つ確率も高くなってくるっていうことなんで。これからもっともっと大事な試合多いですし、自分の数字が上がってくると同時にチームが勝てるように頑張りたいと思います。」ーー9回裏の状況でホームランを打てる予感はあったか「そんな余裕はなかったです。」ーー今日のホームランはキャリアの中でどのくらいの位置づけか「いや、もうトップクラスの思い出にもなりましたし。もっともっとこれから勝って、その記録を塗り替えれるように頑張りたいと思います。」ーーホームラン出た瞬間からMVPコールが「いやもうほんとにうれしかったですね。何よりもう本当に1試合1試合、大事な試合なので。そこで勝てたっていうのは、カードの頭で。大事だと思うので、勝てたのがよかった。」ーー過去6年はパフォーマンスとチームの結果がつながらなかった。今年は勝ちにつながっている「もちろんチームスポーツなので。みんなが一緒の、なんて言うんですかね、自分自身のやる役割を本当に1人1人が重ねていく。今日も最後僕は打ちましたけど、そこまでのチャンスを作ってくれる作業がもちろん必要なので。そういう意味では、そういう人たちのおかげで今日打てたっていうことは自信になりますし。チームは変わってもやることは変わらないので、自分の役割っていうのをまずしっかりやりたいなと思ってます。」ーー期待される中で答えを出すのは最高の気持ち「うれしいっていうよりほっとした感じが、勝てて、打てて良かったなっていうのがまず。入った瞬間はそんな感じだったので。興奮っていうよりかは、ほっとした感じの方が強かった。」ーー盗塁成功率が91%、イチローさんは81%だった「さっきも言いましたけど、まず失敗というか、リスクをしっかりと考えて。場面もそうですけど、自分が行けると思った時にしっかりまずチャンスを作れるっていうのが一番大事だと思うので。流れもありますし、そこが一番大きいと思います。その結果、成功数が、成功率が高いっていうのはいいことだなと思います。」ーー最近あまりチャンスで打てなかったが今日打てた要因は「今日は、今日はというか、ここ数日は見え方がやっぱりいいので。自分自身の調子が一番かなとは思います。」ーー打球が跳ね返ってフィールドに戻ってきた。ホームランボールは戻ってきたか「わかんないですね。ちょっと今そのまま来たんで。」ーーサヨナラホームランは初。「40-40」がかかった場面で出来過ぎという思いはあるか「いやもうサヨナラが初めてっていうのはあんまりわかんなかったので。自分の中では打ってるもんだと思ってました。」ーーチームメートからの祝福はどんな気持ちで「いやもう単純にすごいうれしかったですね。やっぱり勝てたのが、やっぱり何よりうれしいと思うんで。僕自身もそうですし、うれしかったです。」ーーレイズ戦は相性がいい「どうなんですかね。相性というか、たまたまだとはもちろん思いますし、むしろメジャーリーグの中でトップクラスのピッチャー陣をいつも毎年そろえてると思うので。それはたまたまそういう風になってると思います。」【NEWS】◯MLB公式Xは、大谷が短パン&ビーチサンダルのさわやかなコーディネートで球場入りした写真を公開した。「Shohei Ohtani with the shorts and flip-flops fit today(短パンとビーチサンダルが似合う大谷翔平)」と絵文字入りで紹介。◯大谷が試合前練習で3日ぶりにキャッチボールを行った。約30メートルの距離から、投球フォームを確認しながら、約13分間ボールを投げ込んだ。20日のマリナーズ戦の試合前練習では、手術後初めて、2日連続でキャッチボールを実施。キャッチボールの後半では、14日のブルワーズ戦の試合前練習以来となる、座った捕手を相手に16球投げた。1日の休養日を挟み、さっぱりと散髪した姿でグラウンドに現れた。◯ナ・リーグMVPに輝くのは大谷かブレーブスの指名打者マルセル・オズナか。米専門テレビ局MLBネットワークが23日、情報番組「MLBトゥナイト」で論争を展開し、公式Xにその動画を投稿。同番組の司会者グレッグ・アムシンガー氏が「もしオオタニが50本塁打、50盗塁を達成したら、MVP当確か」と議題を上げると、解説者で元大谷同僚のアルバート・プホルス氏とブルワーズなどで18年間活躍した元救援左腕ダン・プリサック氏が論争。プホルス氏は大谷が選ばれるだろうと予想しつつ「もしオズナが3冠に輝いた場合、MVP争いでオオタニに勝つのではないか。3冠達成はそれだけ難しい」と指摘した。プリサック氏も「もしオズナが3冠を達成し、ケガ人だらけのチームをワイルドカードでのポストシーズン進出に導けば、オズナがMVPだと思う」と予想した。オズナは本塁打王争いで40本で首位の大谷と3本差の2位、打率と打点は現在トップに立っている。◯試合後、会見終了からわずか10分、濡れた髪のまま「お疲れっした」と報道陣に挨拶し、帰路に就いた。この日は「フライデー・ナイト」。毎週金曜日の試合後にドローンショーが行われるため、選手たちは試合終了後すぐに帰路に就くのが恒例。ロバーツ監督も監督会見が終了したわずか1分で「オヤスミ!」と上機嫌で帰宅。大谷もすぐにシャワーを浴びてクラブハウスを出た。本塁打からわずか30分だった。◯史上6人目の「40本塁打、40盗塁」達成を、メジャー史上初めて同記録を達成したホセ・カンセコ氏(60)が祝福した。同氏は自身のXを更新し「ショウヘイ・オオタニの40ー40クラブ入り、おめでとう」と、本塁打の動画付きで投稿した。◯昨年10月の右肘手術からの1軍復帰を目指す楽天田中将大投手(35)が、大谷の偉業達成に驚きの声を上げた。田中はこの日、1軍復帰に向けて4回2/3を予定された75球で6安打4失点。田中は登板直後に大谷の偉業を聞くと「それはもうめちゃめちゃすごいです。だって右腕、リハビリ中ですもんね?『40-40』も当然すごいんですけど、それ以上にすごいことやってるじゃないですか。MVP取るとか。考えられないです。すごいです。本当に。サヨナラ満塁ホームランで決めたんですか? とんでもないですね本当に。あとで映像チェックしておきます」と驚きを隠せない様子だった。◯ 試合後に大谷はインスタグラムを更新。愛犬デコピンの写真も添え、「なんて夜であり、そして素晴らしい勝利だ!」と英語で綴った。-------------------------------------------------------------■ 試合情報-------------------------------------------------------------【コメント】デーブ・ロバーツ監督:(試合前)ーージェイソン・ヘイワード外野手をメジャー40人枠から外すDFAの措置をとったが「ドジャースのために彼が(在籍期間中に)してくれたことは、かなり注目に値する。みんなも、我々にはやるべき仕事があると理解していると思う。これは野球の試合だから。多くの人たちにとって感情的になる出来事だ。しかしながら、今夜や今後の試合に影響が及ぶとは私には思えない」ーーヘイワードの親友であり、ドジャース入団の際に一役買ったとされるフレディ・フリーマンの心情について「フレディとは少し話をした。彼も、今回の決断について可能性があるとは分かっていたと思うが、実際にそうなれば、深く心を痛めているのは間違いないだろう。ジェイソンがチームに多大なる貢献をしていたことはすごく理解している」(試合後)「下半身がしっかりしているときは、ボールを少し長く見ることができるし、それができている時は、彼(大谷)を上回る選手が他にいるとは思えない。間違いなくジャッジも議論に入ってくるだろうが、私ならショウヘイを選ぶ」ーー40-40について「これはストーリーブックだ。同じ試合に40-40とはね。今までにそんなことがあったのか私にはわからないし、彼の満塁本塁打で試合に勝った。長い間私が覚えていることになるだろう」ーー今季大幅に更新する盗塁について「彼はあのようなダイナミックな選手になるために、脚のケアをしっかりしていることは知っている。相手投手に対しても、しっかり予習をしている。盗塁を奪う選手としては、彼は(過去よりも)断然良くなっている。とても効率的だ。彼はユニホームを着ればいつも、とにかくデンジャラスだ」「ショウヘイにはいつも驚かされる。全体的に、本当に素晴らしい試合だった。ボビーも素晴らしかった。ブルペンも良かった。楽しい試合だった。そして間違いなく、ショウヘイには感嘆符(!!)が付くね」コリン・ポシェ投手:「(ドジャースの)打線は上から下までみんな危険。だからカウントを有利に進めることがカギになるけど、それができなかった。マンシーの打席では逆に自分が追い込まれて抜け出すことができなかった。大谷に対してはストライクを先行させたかったが、彼は早いカウントから積極的に打ちに来る打者で、良いスイングをされてしまった」-------------------------------------------------------------■ 球界情報-------------------------------------------------------------ダルビッシュ有投手:◯家族の事情で制限リストに入っていたパドレスのダルビッシュが23日、15日間の負傷者リスト(IL)に移行し、本拠地サンディエゴでチームに合流した。ブルペンで変化球も交えて27球の投球練習を行った後、米メディアの取材に応じた。「チームメートやファンの方からもたくさんメッセージをいただいて、こうやって帰ってくることができたので皆さんに感謝しています。自分の中では複雑な問題ではありましたけど、帰ってきてこういう素晴らしい球場でファンの前で練習ができるのは凄くうれしい。ブルペンも凄く良かったですし、この後チームの方と話してですけど、リハビリのアサイメントなのかライブBPなのかわかりませんけど、そういう感じでいくと思います」「(離脱中)2回くらい打者に投げましたけど、この1週間くらいはそういうのには投げてなかったです。(先発として復帰するのはまだ数週間ほどかかる見通しで)打者に今は投げていない。体は健康ですけど。試合に投げていないので(復帰が)近いかどうか分からないですけど、試合に投げてみてどうか」「AJはこの2カ月間、チームのGMとして以上に、友達としてずっと接してくれていた。帰ってきてほしいと言ってくれていたので、AJに戻りますと伝えました。(IL入りよりも制限リスト入りを選択した理由について)チームと一緒に遠征に行くことが難しいと思っていた。ILに入ってお金をもらうのが嫌だったからそういう形になりました」アーロン・ジャッジ外野手:◯ ヤンキースのアーロン・ジャッジが4試合連続となる49号ソロ本塁打を放った。本拠地でのロッキーズ戦に「3番中堅」で出場。2-0の6回先頭で打席に入り、先発左腕フリーランドの内角フォーシームを鋭い打球で左翼スタンドに運んだ。21日のガーディアンズ戦では1試合2発を放っており、これで4試合連続の4戦5発。現在11試合連続安打を継続中で、その期間に8本塁打を放った。チーム残り33試合で今季62本ペースとなり、22年に62本を放ってア・リーグ最多を更新した自身の記録に追いつき追い越す可能性が高まった。ブーン監督は「いろんな人からジャッジのことを聞かれるが、もう言い表す言葉が尽きたというほどだ。我々は大変な偉業を目の当たりにしている。単純に言って、彼は誰よりも優れた選手だ」と話した。チームは3連勝で、ア・リーグ最高勝率の76勝53敗とした。 Oh Captain, My Captain 🫡#AllRise pic.twitter.com/NjdlMv2xOw— New York Yankees (@Yankees) August 24, 2024-------------------------------------------------------------■ 注目記事&コラム-------------------------------------------------------------◆大谷翔平の大きな変化「.723→.909」 数より拘った率…「40-40」達成できた理由(川村虎大氏/Full-Count)### 数字は通過点――。チームに勝利をもたらしたことが一番の喜びだった。ドジャースの大谷翔平投手は23日(日本時間24日)、本拠地・レイズ戦で自身初のサヨナラ満塁本塁打を放ち、史上最速で40本塁打&40盗塁に到達した。「それ自体が目的でなく、勝つための手段」。大事にしたのは成功率だ。 三塁を回るとヘルメットを投げ捨て、切ったばかりのさっぱりとした髪をなびかせ、歓喜の輪に飛び込んだ。9回2死満塁で初球のスライダーを右中間スタンドに運んだ。アルフォンソ・ソリアーノの147試合を大幅に更新する出場126試合目での40-40達成。球場は総立ちで大谷を讃え、MVPコールが鳴り響いた。 史上初の同時達成だったが、先に40を記録したのは盗塁だった。4回先頭で迎えた第2打席。内野安打で出塁すると、フリーマンの打席で二盗を成功させた。7月、8月にそれぞれ月間12盗塁。後半戦にかけてペースを上げ、ついにシーズン換算で50ペースに乗せた。 今季、大谷が盗塁でこだわってきたのが成功率。「失敗しないことをまず第一に考えながらやりたいと思います」。ここまで40盗塁を決め、4盗塁死。7月22日(同23日)から17回連続で失敗がなく、成功率は.909を誇る。2021年に当時の自己最多26盗塁をマークしたときは10個の失敗があった。昨季までは86盗塁、33盗塁死で通算成功率.723だった。 ベンチではクレイトン・マッカロー一塁コーチとよく会話をする。同コーチは「癖を掴もうとしている。けん制と投球でモーションが違うことがあるし、(モーションの)速さによってわかることもある」と投手一人ひとりの研究の成果が成功につながっていると考えている。また、盗塁をこなすごとに感覚が研ぎ澄まされ「どれくらいの時間があれば走れると自信をもって答えられる」と明かす。 2018年のメジャーデビューから6年間。エンゼルス時代はプレーオフを経験できなかった。試合終了後、この日が1番の思い出としながら、地元ラジオのインタビューで「ワールドシリーズで勝って塗り替えられるように」と勝利への思いを口にした。 盗塁は成功すれば、チャンスが拡大する一方で、アウトを献上するリスクもある。「失敗というかリスクをしっかり考えて、自分がいけると思ったときにチャンスを作れるのが一番大事」。世界一のために、数字を積み重ねていく。川村虎大 / Kodai Kawamura###◆「40ー40」の大谷翔平、なぜ盗塁が劇的に進化したか… 「彼はとても頭がいいからね」ドジャースの参謀が語る背景(阿部太郎氏/中日スポーツ)### ドジャースの大谷翔平が史上6人目「40本塁打40盗塁」の快挙を、史上最速で達成した。昨季は8月中に44本塁打をマークし、今季も順調に本塁打を積み重ねている。一方で、盗塁はエンゼルス時代と比べて飛躍的に向上した。最速での偉業達成を可能にした盗塁の進化について探った。 大谷は今季、盗塁が飛躍的に向上した要因について「ドジャースに来ていろんな人と話をした。積極的に次を狙っていく姿勢を作りたい、と。しっかりと自分の足をいかす方法というのを探しながらコーチの人と話して、コミュニケーションが取れているのが一番」と語った。 今季は打者専念のシーズン。投手のリハビリは行ているが、投打二刀流のシーズンとは違い、試合前には攻撃面での準備時間が長く取れる。体力面でも、毎試合、常に走る準備ができる。ロバーツ監督は「彼が試合前に直近の投手をすごく研究している」と進化の理由を語る。大谷の参謀となっているのが、マッカロー一塁コーチだ。毎日、映像を見て投手の癖や投球動作を分析しながら、クイックモーションが遅くて走れる投手なのか、走りにく投手なのか、大谷らと会話している。 コーチはこう話す。「勝つために少しでも有利なこと、きっかけを見つけたい。自分がその助けになることを見つければ、翔平たち選手に伝える。でも、彼はとても頭がいいからね。彼が映像を見て、『これ見てよ』と我々に教えてくれることもある」。 大谷は「自信があるときしか(盗塁に)行っていない。自分が高い確率で行けると、セーフになるときに行っている」と話し、「失敗したくない」という。あらかじめ、試合前のチームミーティングでの「予習」で走れるかどうかは決まっている。あと、必要なのは「スタートを切る勇気」だという。盗塁成功率は91%でメジャーの上位5人でトップの成功率だ。 大谷は春のキャンプから走ることに意欲的だった。スプリント力を上げるトレーニングを実施。ブルワーズなどで監督を務めたレネキーGM補佐と、リードの幅をミリ単位できめ細かく設定し、盗塁のスタート時の姿勢や重心移動などを質問攻めしたこともあった。 この意欲を、ドジャースのロバーツ監督も歓迎し、開幕から大谷にはいつでも走っていいという「グリーンライト」の権利を与えている。ただ、大谷もチームもこだわるのは、勝ちにつながる盗塁だ。数より場面。これは、レネキーGMも言っていたドジャースの哲学だ。 「彼が走るのが好きで、盗塁をしたいことはわかっている。ただ、盗塁で重要なのは、どのタイミングでするか。接戦で点につながる効果的な盗塁が必要とされる」(レネキーGM)。大谷が快挙を達成したこの日、繰り返したのもこの言葉だ。「それ(40ー40の記録)が目的にならないように、しっかりと勝つための手段として盗塁もやりたい」。(阿部太郎)###-------------------------------------------------------------■ NOTE BLESSED TO WITNESS THIS UP CLOSE #Dodgers #Ohtani pic.twitter.com/juTJdUWqNM— Chubbzzz (@chrisbarragan1) August 24, 2024 会見です。詳細後ほど。#大谷翔平 pic.twitter.com/yBSE9zOtXP— 山田結軌⚾️サンスポMLB記者🇺🇸野球大好き😍 (@YamadaSANSPO) August 24, 2024 40/40 ‼️ Congrats #大谷翔平#DODGERS 6th PLAYER IN MLB HISTORY AND 1ST DODGER. TO REACH 40 HOME RUNS & 40 STOLEN BASES pic.twitter.com/ravH0pXaJA— Saya Nomura 野村沙亜也 (@saya_nomura) August 24, 2024 臨場感をお楽しみください🥹 pic.twitter.com/TuZFKtBByj— Seri (@serina45682534) August 24, 2024 言葉も絵文字も不要 ただRESPECT Congratulations 40/40!!#大谷翔平#ShoheiOhtani pic.twitter.com/XWkXnD5WYN— ⚾️🦄RONI🦄⚾️ (@missumymom) August 24, 2024 さすが大谷翔平‼️ サヨナラ満塁ホームラン🚀🚀🚀🚀 で勝利! そして自身の40-40を達成‼️ おめでとう🎉 スタジアム壊れるんじゃないかと思うくらい揺れてた!#shohei#大谷翔平#Dodgerswin pic.twitter.com/DY3Ds84QB8— 🍄mochiko🇺🇸🐕🦺🐈⬛🐾 (@mochiko_dayo17) August 24, 2024 Glad to be at Dodger Stadium tonight for Shohei Ohtani’s 40th stolen base and then his 40th home run, a walk off grand slam. The energy was almost unreal in here. #mlb pic.twitter.com/AKpUh72WQg— Meghann Cuniff (@meghanncuniff) August 24, 2024