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グレンデールの旅

Day 05

 

米国時間2024年2月28日

 

キャンプ観戦5日目の最終日。この日は前日から、いや数日前から、プランAとBの行動計画で悩んできた。

 

ドジャースは、レンジャースの敵地サプライズスタジアムにてオープン戦が行われることになっていた。敵地開催ゆえに、大谷の出場は当初より無いものと想定し、チケットは購入していなかった。

 

そこに26日、山本由伸のデビュー登板が発表された。

 

そして自分には、今回のスプリングトレーニング観戦滞在中に、裏目標として、ダルビッシュ有のファンサを得るチャンスが作れないか、熟考してきた。

 

前日の試合前までは、ほぼダルビッシュのキャンプ地である、ピオリアに行こうと考えが傾いてきていた。

 

午前中にドジャースのキャンプ地で大谷の最後のトレーニング風景を見届けて、お昼前にはピオリアへ行く算段を考えていた。

 

しかしながら、大谷のドジャース・デビュー戦をみた熱盛体験から、由伸も何か特別な登板を魅せてくれるんじゃ無いかと思い悩み始めた。

 

由伸は、試合開始の午後1時05分から、2イニングを目処に登板することが公表されていた。

 

2回を投げ終える所要時間を30分から40分くらいと計算すれば、そこからピオリアに移動すると、午後2時を過ぎるスケジュールとなる。

 

ダルビッシュはといえば、パドレスが他チームよりも遅い時刻に全体練習が開始される情報を得ていた。それでも早ければ、午後一には帰宅するだろう。

 

前日、ドジャースのキャンプ地で一緒になったファミリーから得ていた情報があった。その前日にダルビッシュからファンサのチャンスを得られていたのだが、その時刻は午後3時前後だったという。

 

時間的にはズレているが、何とも微妙な被り具合となる可能性も残っていた。

 

これまでアリゾナ州のスプリングトレーニング観戦には、今回を含めて6度来ているが、ほぼ大谷メインで、ダルビッシュの居るピオリアには行っていなかった。

 

正確には一度だけ、2018年にイチローがマリナーズと再契約したときに、ピオリアに行った経験がある。ピオリアは、パドレスとマリナーズ、2チームのキャンプ本拠地である。

 

あのときも当初計画には入れて無かったが、大谷が午前中で早退し、時間が余ったときに、たまたまイチローのマリナーズ再合流があるというニュースを聞きつけて、急遽決行した経緯がある。

 

結果は、イチローのマリナーズ再登場の勇姿を拝めるだけに留まらず、全く予想にもしていなかった、ファンサのチャンスを得たのである。

 

 

エンゼルスの本拠地聖地テンピからピオリアまでの所要時間は、高速ハイウェイを使って約45分掛かった。

 

往復のドライブだけで、約2時間要する遠距離にあったことも、これまで敬遠していた理由である。ただ、ドジャースのキャンプ地からピオリアまでは、その半分くらいの距離で済む。

 

それゆえ、距離時間的にチャンス有りと読んでいた。

 

ダルビッシュに強い関心をもったのは、普通にミーハーになるが、昨年のWBCでの存在がやはり大きい。

 

昨年、大谷と由伸のドジャース入りが決まったときに、ダルビッシュは『stand.fm』の音声サービスで、人気チームのドジャースに対抗するために、ピオリアに観戦に来てくれたら、松井裕樹と一緒にたくさんファンサを実行すると公言されていた。

 

現地アリゾナ入りしてからも、有言実行されている情報を度々得ていたので、どうしてもプランニングしたかった。

 

前置きが随分長くなったが、そんな最終日の結末について、個人的備忘録を綴る。予想外のハプニング!?もあり、最終日に絶対忘れることがない、相応しい旅ができた一日だ!

 

 

徳を積む

 

今日も時差ボケから、午前4時には目を覚ました。TLコミュニティのわのか氏に、A案B案で、まだ迷っている旨つぶやくと、やっぱりA案でしょ!という指南を頂いた。

 

行けば必ず観戦できるA案。ピオリアのB案には、何も保証がない。

 

今朝は昨日知り合ったばかりの経営者トモさんを、フェニックス空港まで送迎することになっていた。

 

トモさんは、ローカルバスで空港まで行く算段を立てられていたが、自分から申し出た。早朝にダイヤ通りにバスが来なかったら、帰国フライトに影響が出る。

 

5時過ぎに宿を出発し、トモさんをピックアップしてから空港まで送迎。30分くらいのドライブで、色々語り合った。

 

前日のホームランの話になった。トモさんは、大谷の復調を、このように考えていたという。「しばらく(実践を)やっていると、自然と体が拾い出す。そうなったら本物。Don't think Move!」

 

そして迎えたあの第3打席の直前、大谷がウェイティング・サークルで素振りした最後の一振りで、ホームランを確信したそうだ。

 

その予兆として、トモさんは大谷の前を打つムーキー・ベッツがスイングしたときにバットに当てた音と、大谷の素振りスイングのタイミングが、ドンピシャで合った点を見逃さなかった。

 

証拠として、トモさんが撮影された、大谷の素振り動画をみせてもらった。

 

確かに、ドンピシャだった!!唸る着眼点だった。

 

そして一番印象に残った会話は、前日に教わった「徳を積む」に類似する事例だった。病院にお勤めするトモさんの知人の看護師から聞いた話として、患者の入院時の姿勢(病院内での振舞など)と最期はバランスするというものだった。

 

安らかさから痛々しさまで、そんな最期を看護師さんは随分みてこられたそうだ。なんか説得力があった話だ。

 

朝からホットな気分になった。

 

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両取り作戦

 

空港まで送り届けて、キャンプ地近くのスタバへ帰還したのが、午前7時過ぎだった。1時間くらいルーティーンとして、ラテと最強サンド「クリスピー・グリルド・チーズ」を楽しんだ。

 

寛ぐ間に、前日、テレビ朝日系の力石記者さんから、自分が取材を受けたNEWS動画を発見することができた。いい旅の思い出となった!

 

 

めちゃくちゃ気持ちがいい快晴の朝で、気分も高まり、今日のプランニングを決定した。

 

A案&B案の両取り作戦を、決行することにした。由伸のデビュー登板を見届けてから、ピオリアに向かいダルビッシュのファンサのタイミングを待つ案を、実行することにした。

 

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パパラッチ気分・パート1

 

それから、キャンプ地へ入ったのが、午前8時10分頃。

 

VIPゲート付近には、今日も誰一人ファンが待機していなかった。係のおじさんに尋ねてみたが、大谷は未だ到着していないと思う、というレスだった。

 

最終日でもあるので、一人でも待機することにした。午前8時15分頃、いつもは早朝入りする由伸が、この時間帯に入ってきた。

 

メディアが伝えた通り、一学年上の幼馴染、石原与一さんがドライブされていた。

 

ここであるものが、目に入った。待機場所に10本以上捨てられている煙草の吸い殻だ。自分は煙草をやらない。

 

昨日、トモさんから指南を受けたゴミ拾いを、早速実行に移してみた。

 

そうやって大谷の登場を待っていると、午前8時44分頃に入ってきた。今日は、スマホ動画の”シネマティックモード”を、初めて起動し撮影してみた。

 

しかしながら、映像は綺麗にズームアップできず、ちょっと失敗かなと思った。そのまま大谷のドライブするポルシェは、関係者パーキングに入って行った。

 

関係者パーキングは、塀の隙間から覗き見できる。女性ファンがいれば、この隙間から大谷の私服姿を撮影されていることが多い。

 

今日は自分一人だったので、パパラッチ気分で連写しまくった。コンパクトカメラにエラー表示が出て機能停止するほど連写した。その数、139カットだった。

 

連写音が届き気に障ったのか、ほかに気になる何かが撮影しているこちら方面にあったのか、大谷に鋭い視線を向けられた。

 

大谷がキャンプ入りする服装チェックは、昨季までなら一部のメディアとファンの間で恒例行事となっていた。しかしながら今年は、某メディアの暴走撮影で、規制が入っていた。

 

自分はしっかり捉えた!

 

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ブラック・パーカー

 

その後、ゲートは定刻9時に開門された。平日の敵地ゲーム開催という事情もあり、これまで滞在した中で、最も少ないファン数だった。

 

自分はサインロードには待機せず、グッズショップに直行し、最後の買い物を楽しんだ。前日の熱盛ホームランの余韻が残っていたので、記念にジャージを求めていった。

 

実は、今回の旅ではジャージ購入を断念しようとしていた。なぜならば、自分はブルー生地のジャージが欲しかったが、ホワイト生地しか販売されていなかった。

 

それでも熱盛記念にホワイト生地を求めて、ショップに入ると気分が変わった。ジャージは、観戦時しかほとんど着用できない。

 

ブラックの「NIKE」ロゴが入ったカッコいいパーカーがあったので、そちらを優先した。ジャージ199ドルの約半値という懐事情もあった!汗

 

今回の滞在では、背番号Tシャツ、パーカー、スプリングトレーニング用キャップ、カクタスリーグ・ピンバッチの4点を旅の思い出に購入した。

 

めちゃくちゃキャンプ日和の晴天だった。

 

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大谷登場!

 

野手は遠征ゲームディゆえに、全体練習は行われず、大谷はクラブハウス前のサインロードには登場しなかった。しかし、10時過ぎに芝生エリアに登場し、いつもの走力系中心のトレーニングに励んだ。

 

自分は今回の観戦ではじめて、芝生エリアでのトレーニングを、サブグラウンドの内側から撮影した。

 

どちらにしても遠目からの撮影になる。望遠コンパクトカメラが威力を発揮するのだが、被写体をファインダーに捉えるのは簡単ではない。

 

多くのファンは動画撮影を行なっているが、自分は写真撮影にこだわっている。

 

11時過ぎに大谷は、走力トレーニングが終えてクラブハウスに消えていった。

 

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パパラッチ気分・パート2!

 

午後1時05分開始の敵地ゲームまで、約2時間ほどあったが、初めて訪れるサプライズ・スタジアムという事情もあり、早めにドジャースのキャンプ地を出発することにした。

 

このとき一緒に行動を共にしたのは、由伸のデビュー登板を楽しみにされていたInstagramerのぴきちんさん。

 

自分はといえば、大谷が出場しない試合だったので、それほど興味は大きく無かった。どこまでいっても、メインは大谷である。

 

それよりも、ダルビッシュが居る、ピオリア行きのスケジュールの方が気になっていた。

 

そんな気分のままドジャースのキャンプ地を出発すると、施設出口を少し出た先に、あの「ポルシェ」がみえた!!!!!

 

完全に偶然だった。

 

正直、ワクワクした!!!!!

 

自分は、大谷がトレーニングを終えて帰宅するものだと信じて疑わなかった。しかしながら、ぴきちんさんは、出発前から今日の由伸デビュー登板に、必ず大谷が立ち合うはずだと断言されていた。

 

可愛い後輩思いの大谷は、絶対試合に同行するはずだと車内でも力説されていた。この時点で、大谷が遠征に出向くスケジュールを誰も伝えられていなかった。メディアも含め、誰も知らなかったはずだ。

 

自分は、試合そっちのけで、しばらく大谷のポルシェを追い掛けたい衝動に駆られていた。しかし、そんな心配は杞憂に終わる。

 

自分がサプライズ・スタジアムまでセットした、iPhoneの地図ナビ通りに、大谷のドライブするポルシェは、自分の前を走り続けていた。

 

これは、大谷の同行も本当に有り得るかも!?と、ぴきちんさんと盛りあがった。「だから、私が言った通りでしょ!」と、豪語された。

 

途中、地図上のマイナビは少しだけハイウェイを通る進路をとり、大谷のポルシェと離れることになったが、ハイウェイを降りると、また一般道から自分たちの前に大谷のポルシェが合流してきた。

 

そのままマイナビ進路と大谷のポルシェに追走していると、サプライズ・スタジアムのパーキングに続く道のりにたどり着いた。

 

マイナビも同じ進路を表示していたので、ポルシェと同じパーキングに付いて入っていくと、そこは球団関係者向けのパーキング・ゲートだった。

 

直後に後ろから別な車が入ってきて、立ち往生している自分たちにクラクションが鳴らされた。その喧騒に、前のポルシェの窓から水原一平さんが何事か?と振り向かれて、怪訝な顔をされてしまった。

 

自分は慌ててハンドルを折り返し、その場から去っていった。

 

終始、緊張感がありながらも、約30分間のワクワクする夢心地なドライブだった。

 

そのほか記憶に残る限りを書き留める。

 

何度か信号待ちで真後ろにつけた。バックミラーに大谷の表情が明らかに写し出されている状況に、こちらの興味に気づかれるんじゃないかと、ドキドキした。

 

両サイドのドアを天井のハーフあたりまでフルオープンされていた。快晴の中、オープンカー仕様で、大谷は気持ちいいドライブをしていたに違いない。

 

途中、前の車が捌けたときにはエンジンを蒸して、一気に加速し跳ばされて行くシーンなんかもみられた。勝手に、こちらに気づかれたのかな!?とさえ思った場面もあった。

 

別に大谷を追い掛けて付いていった訳ではなく、試合を観に行くためにドライブしていただけなのだが、なんともパパラッチしている気分で、少し負い目を感じたのも事実だ!汗

 

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サプライズ・スタジアム

 

初めてのサプライズ・スタジアム。一番安価な外野芝生席を購入し入場した。昨季2023年のワールドチャンピオン記念碑や、スタジアムに隣接のバッティング・テント(観戦可)などが印象的だった。

 

チームグッズは、レンジャーズとロイヤルズのテント貼りの専門店が、1塁側と3塁側にあった。バックネット裏には、スプリングトレーニング全般のチームグッズ売り場もあり、自分は助かった。

 

この売り場で、次の目的地であるパドレスの特異なキャップを発見購入。ピオリア行きは、さらに準備万端に整った。

 

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大谷登場!パート2

 

試合前になると、由伸が外野左翼に登場しキャッチボールを始めた。付き添いは、大谷の通訳である一平さんが務めていた。

 

由伸は、投球前のセットを大事にしている点がここでもみられた。

 

その後、由伸はブルペンに入った。しばらくすると、3塁側ダッグアウトから大谷が登場し、ブルペン後ろの控え室で、由伸の投球練習を見守った。

 

国歌斉唱の後、由伸をはじめとするピッチング・スタッフはブルペンを引き上げて、ダッグアウトに戻る。

 

大谷は、かなり距離を置いて後ろを付いていった。決して、大谷自身が目立つことがないよう配慮しているように見えた。

 

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プレイボール

 

試合開始の段階で、自分はバックネット裏の座席上部のスタンディング観戦エリアを陣取って、由伸のピッチングシーンをカメラにおさめた。

 

由伸は、これまでの日本人メジャーリーガーの投手陣が苦しんだ、アリゾナ気候特有のボールの滑り等は、全く感じさせない抜群の投球コントロールをみせてくれた。

 

安心して観ていられた。

 

由伸の投球シーンを撮影していたが、後半はほとんどベンチから顔を覗かせる大谷にカメラを向けていた。

 

今日、一番印象に残ったゲームシーンは、由伸が2回を投げ終わったところで、アウトカウントを間違えたところ。

 

既にメディアでも報道されているが、ベンチにいる大谷が、右腕を大きく振りながら、カモン!カモン!と、2度もジェスチャーをもってして、由伸の帰還を促したところ。

 

試合後、由伸は大谷から今日の出来具合として、「まあまあだな!」という評価を受けた話を、メディアに打ち明けたそうだ。

 

わざわざ遠征試合まで立ち合う、これまでの大谷には見られなかったアクション。いい子弟関係だ

 

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B案のピオリアへ

 

午後1時30分過ぎに終わった。想定よりも早く2回を投げ終えてくれたので、急ぎサプライズ・スタジアムを後にして、ピオリアへ向かった。

 

そして午後2時10分頃、パドレスのキャンプ地へ着いた。

 

すぐに関係者ゲートに赴いて、係のおじさんにダルビッシュの有無を確認した。すると、おじさんから、親切に「45分ほど前に帰宅したよ!」と告げられた。。

 

午後1時30分頃かあ。

 

残念。

 

やっぱり、時間帯が被っていた。

 

仕方ない。

 

意外に、あっさり納得できた。

 

ポルシェの追跡!?に、由伸のサプライズの立ち合いに、十分メインの大谷を楽しめたからであろう。

 

ダルビッシュのファンサ・チャレンジは、持ち越した。来年の楽しみな目標に残すことと切り替えた。

 

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懐かしの聖地テンピへ

 

この後、もう1箇所、今日の予定を考えていた。昨年まで大谷のマイ聖地として、度重なる熱盛体験をさせてもらった、テンピ・ディアブロスタジアムへ出向いた。

 

エンゼルスは、遠征試合に出ていたので、関係者やファンは居なかったが、2024年版の正面看板もカメラにおさめてきた。

 

大谷のところには、リード・デトマース投手が入っていた。マイク・トラウト、アンソニー・レンドーン、パトリック・サンドバルの4選手が掲げられていた。

 

大谷は居なくなったが、今後も気になるチームであり続けるだろう。

 

その後、グレンデールへ戻ったが、1時間以上のドライブタイムを要した。夕刻のハイウェイ渋滞も原因だろうが、聖地テンピとグレンデールの大きな距離感を、とてつもなく感じた時間だった。

 

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この日夜、午後9時(日本時間の午後1時)からオンラインで、会社の重要な予算会議が入っていた。

 

時差ボケもあり、かなり辛かったなあ。でも、ちょうど良い時差のおかげで、今まで最長の休暇が取れた。

 

最後に、ポルシェとのサプライズ遭遇は、朝のゴミ拾いの徳を積んだからなのか・・・。

 

見返りを期待しながら徳を積むことは、今後ももちろんしない。

 

ただ、早速幸運を掴めた小さな事例は、確実に自分の成功経験となった。

 

アリゾナのスプリングトレーニング観戦の旅は、自分にとって「大人のディズニーランド」だ!

 

この後、アリゾナの深夜時間に、驚愕の結婚発表が行われる。

 

それは、また帰国時の観戦記にて!

 

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