{B764EBD7-348F-49CA-97DF-F7BF0B31656E}


 前日の大谷翔平からの直筆サインGETから興奮さめやらぬアリゾナ2日目に、まさかの奇跡が再び巡ってきた。何と今日から、シアトル・マリナーズに電撃復帰しキャンプインした、イチロー選手の直筆サインをGETする幸運に恵まれた。このチャンスは、当初からねらっていたものではなかったので、正直びっくりした。いろんな運命が重なり、幸運に巡り会えた。その記念すべき一日を振り返っておきたい。

 

{47C90543-C53E-41D8-B63A-C67617539D6D}

 

 キャンプ巡り2日目の朝は、前日の感動の余韻が残る中、早朝からモーテルを出た。というのも、当初は、この2日目が大谷のファンサービスをねらいたいターゲット・ディと推測していた。最近の大谷の行動については、毎日メディア情報を細かく追いかけていて、ある程度の傾向を掴めていると思えていたからだ。

 

 その傾向とは、以下①と②が揃ったときに、比較的ファンサービスを行っている傾向が高いと分析していた。

 

①投手として試合に出場する、前日の軽めの調整トレーニング日(=時間に余裕のあるタイミング?)

②試合の無い日(=ファンが少ないタイミング?)

 

 事実としては、前回登板したミルウォーキー・ブルワーズとの練習試合の前日に、軽めの調整を終えて、それからファンサービスを行い、早々に帰宅したと日刊スポーツが報じていたから。

 

 また、この推測の可能性に勝手に自分で拍車をかけていたのが、前日朝に出待ちの場所で出会った男子学生くんの情報だった。

 

 前日の朝、大谷が球場入りした際に、その場に居たファンは、その学生くんたった一人だった。彼は大谷からサインを貰ったわけではなかったが、その場でお願いすれば、一人だったこともあり、充分に可能性があったのではと、自分には思えていたからだ。

 

 昨年、鎌ヶ谷での練習見学時には、ファンが常時100名ほど居て、客観的に考えてもファンサービスが難しい状況を散々見ていた。それ故に自分の中で勝手にファンが少ないことが、サインを貰うための「必須」条件と思えていた。これは、完全に自分勝手な推測仮説だった。

 

 この日、結果的に自分の推測仮設が全く当にならない、天国と地獄の両方を経験することになるのだが。。

 

 そんな仮説を勘案していたので、今日は朝の6時30分にはモーテルを出て、7時前にはスタジアムに到着し、選手入場口に向かった。すると、現地アメリカ人のファンが、すでに8名待機して選手を待っていた。これは、昨日学生くんが一人しかいなかったという情報とは異なるなと思いながら、10名足らずなので気にすることなく待った。

 

 メジャーの選手は本当に朝が早い。どんどん選手はやってきて、出待ち口から約30メートルほど先に見えるバッティング・テントの中に入っていく。そして、すぐに快音が響き渡る。メジャーリーガーの朝が早いとは、本当だったんだと実感する。

 

 そうして待っていると、何人かの選手は早朝にも関わらず、気さくにサインを書いてくれた。それも、選手の方から、「How you doing?」と声掛けしてくれる選手もいて、シャイな?日本人選手との違いを感じた。そんな状況で、レギュラー・メンバーでは、コール・カルフーン選手のサインを貰うことができた。

 

 ほか数名にもサインを書いてもらったが、背番号を書いてもらえない選手は、正直名前がわからない選手もいた。一緒に待っているアメリカ人のファンは、ほとんどがトレーディングカードにもらっていて、瞬時に選手を判別していた。年季の違いを感じた。

 

{B455D75B-8D64-498E-9173-C67146FE41B6}

 

 前日に貰った大谷のサインを、なぜ?もう1度貰うために早朝から出かけたかというと、前日はエンゼルスのユニフォームにサインを貰ったので、今度は北海道日本ハムファイターズの2017年版仕様のイエローユニフォームに貰いたいと思ったからだ。

 

 このブログのタイトルは永遠に、「2017年の大谷翔平」にしておこうと考えている。それ故に可能であれば、否や何としてでもエンゼルス2018年とファイターズ2017年のユニフォームを一緒に揃えたかったのである。

 

 そんな思いをもって、前日にチャンスを貰えた気軽さもありながら待っていると、7時49分に大谷と水谷通訳の車がやってきた。しかしながら、ファンには一切目もくれず、クラブハウスへ入っていった。やっぱり朝は、ファンの人数に関係無く難しいと、自分勝手な思い込みを更新リセットした。

 

{67DB0617-0738-4C2A-BBF3-2AC2441C22DD}
{195ED636-BDE9-4B58-AF66-21AC90C247C1}
 

 さて、それから試合出場のない大谷が、軽めの練習を終えて、また帰路につくには、お昼過ぎまで待たないといけないだろうと予測した。その間、どこで待機していようか球場周辺を散策していると、スタジアムの中に入れることがわかった。

 

 練習風景は、サブグランドで行われるものは直接観れても、本球場での練習風景は観れないと思っていたので、びっくりした。ラッキーに思った。スタジアムの中に入ると、選手登場付近の観客席はメディア用スペースとなり、一部立ち入りできないが、後はほとんどどこでも観戦可能であった。

 

 10時頃になると選手が続々登場し、大谷も出てきた。選手全員で先導者に従い、長めのストレッチ系の運動を行い、キャッチボールを行い、内野手向けのノックという順で練習は始まった。

 

 観客席から一番遠いライト後方で、ストレッチやキャッチボールを行っていた大谷も、ノックの次の投内連携プレーの練習なると、ようやく我々ファンが至近距離で観れる近さまでやってきた。大谷は終始笑顔で、楽しんで練習している風景が観てとれた。

 

 投内連携プレーの後、大谷は右翼外野後方の場外ブルペン方面に向かっていった。しばらくすると、大谷はまたすぐにグラウンド内へ戻り、球場に一礼した後、ゲート内へ退散していった。時刻にして、11時30分位だった。本当に軽めの調整トレーニングだった。

 

{758EEFA8-F1A2-4E3E-824B-5DD645D5296A}
{782457EF-0017-403F-9ACB-E5FC8F9CCA3A}

 

 ここから本番、またすぐさま選手出待ちのスペースに行って待機した。待っているファンは、アメリカ人が過半の約20名程度。これ位の人数なら、ファンサービスは大丈夫ではないかと勝手に期待感を膨らませ待っていた。

 

 すると、日本人でリタイアして現地に在住しているという、おじさんが話かけてきて、ここ1週間程度、この場所で待機しているが、大谷からサインを貰えたことは一度も無いと話してくれた。前日、自分がチャンスを貰ったときに、そのおじさんは寸前で予定が入り立ち会えなかったと、悔やんだ話を聞かせて貰った。

 

 一転して、ヤバい!昨日は逆にラッキーだったんだと再認識した。そうして厳しい暗雲が立ち込める中、気長に待っていると、13時30分頃に大谷と水原通訳が出てきた。その30分前にも水原通訳が、何度も外へ出てきて、こちら方面を眺めていたことは、少し気になっていた。すると、何と大谷だけ我々と反対方向の室内練習テント側に向かって歩いて行き、水原通訳だけが車に向かって歩いてきた。

 

 そして、水原通訳は車を動かして、そのテント方面で大谷をピックアップしてから、我々ファンの前をすんなり通り過ぎて行った。せめてもの救いは、通り過ぎる間際に大谷は、何度も笑顔で手を振ってくれていたことか。この瞬間、ゲームオーバーとなった。

 

 「待機しているファンの人数の多い少ないは、関係ないと思います。」

 

 昨日、一緒にチャンスを掴んだ関西からきた二人組の学生くんの一人が言ってくれた。彼は筋金入りの阪神タイガースのファンで、今年の沖縄キャンプに2週間あまり滞在していたという熱の入れようだった。彼は、このようなスルーの経験は、普通に何度も経験していると話してくれた。彼の経験からの持論は、選手がサインをするかしないかは、その選手の個性にも寄るが、本当にその時のスケジュールや気分に左右されていて法則的なものは無いんじゃないかということだった。あとは球団や監督からのリコメンドや、逆にセーブ抑制等、状況によって変わるらしい。若いけど、経験から語ってくれた話は、超納得した。

 

 その後、今日の予定では、当初、ピオリアで行われているナイトゲームのシアトル・マリナーズ戦を気軽に観に行こうか考えていた。出待ちで出会ったもう一人の学生くんが、一昨日そのピオリアに行きゲーム観戦したそうなんだが、ピオリアはめちゃくちゃ遠いのであまりオススメしないということだった。

 

 彼は、近くで行われている、シカゴ・カブス対サンディエゴ・パドレス戦のディゲームに行きたがっており、足をもっていない彼は、出来ればレンタカー持ちの自分も、そちらへいかないか期待しているようだった。

 

 しかしながら、予想以上に大谷が出てくるのが遅かった為、時刻はすでにゲーム開始の13時をまわっていた。そして、同じく出待ちで出会ったお子さん連れのママさんには、情報通の旦那さんがいて、そのママさんの話によれば、昨日、電撃入団会見を行ったイチロー選手が、きょう15時からピオリアでキャンプインするという情報を教えてくれた。

 

 ちなみに、そのママさんは旦那さんが大谷の近くで仕事をしていているらしいのだか、暗黙ルールでサインは厳禁らしく、それでファンと同じように待機していたのである。

 

 ピオリアは遠過ぎるという面倒くささを跳ね返す、十分動機が働く有難い情報だった。これは、イチロー選手を一目観て、出来れば練習風景をカメラに収めたい位の軽い気持ちだけで、ピオリア行きを決めた。そして、昨日から出会って比較的行動を共にすることが多くなっていた卒業旅行で来ていた関西の学生くん二人組みと、もう一人の学生くん(ノースカロライナに留学)と、4人でピオリアに向かうことにした。

 

 ピオリアへの道中、カリフォルニアで有名なインアンドアウトバーガーを久しぶりに食べてからピオリアへ入った。確かに思った以上に遠かった。ハイウェイを通り、車で約40分程度かかった。

 

 パーキングに到着してから練習場を探して歩くと、たくさんの人集りがみえてすぐにわかった。流石にイチロー選手のマリナーズ復帰初日のキャンプには、日本人もアメリカ人も、かなりたくさんのファンが集まっていた。

 

 イチロー選手が出口から登場してくると、少し離れた側から観ている自分達にも、明らかにわかる位、上機嫌な様子だった。そのままフリー打撃のグラウンドに向かい、しばらく関係者と談笑してからバッターボックスに入った。

 

 周囲を取り巻くファンから自然とスタンディング・オベーションのような拍手が沸き起こった。実はこの拍手、ほとんど一番始めに先導した側で、自分も拍手していた。イチロー選手が復帰するこのタイミングで、この光景に立ち会えたこと、マリナーズのユニフォームが似合うイチロー選手を見ていると、嬉しさがこみ上げて来て、自然に大きな拍手を送っていた。

 

{0095B7DF-BD40-48F5-B423-10D982C245D8}
{C704A82C-01E9-4615-B283-E122E28E1E86}
{43FAD00A-5383-4F25-B5C7-00628169E33E}
{1B240A14-77C2-4872-9C97-CEAE16645C8C}

 

 打席に入ったイチロー選手は、はじめ防御ネットの天井あたりにファウルばかり打っていた。外から見ていても至近距離から難しそうなボールを振らされていた感じだった。それから徐々にイチロー選手らしい、ライナー性の当たりを連発し始めて、こちらもホッとした。

 

 フリー・バッティングが終わり、少し守備についた後、そのままクラブハウスの中へ消えていった。グラウンドとクラブハウスの間には、サインを待ちわびている、日本製バットやオリックス時代のユニフォームをもった、相当な筋金入りのマニアな現地アメリカ人ファンが、たくさん待ち受けていた。

 

 こんな大勢のファンが待ちわびるところに、イチロー選手が来るはずないと、自分は思ってみていた。けどそれでも、たくさん写真を撮れたし、フリーバッティングも至近距離で観れたので、ピオリアに来た事には、十分満足できていた。

 

 それから帰り際、念の為にイチロー選手が車で帰るところまで見届けて退散するつもりで、駐車場ゲートの出口付近のところで、少し待ってみることにした。その間、日本からニュース中継で来ていると思われる、元広島の前田智徳氏や元巨人やメジャーのボストン・レッドソックスでも活躍した岡島秀樹氏に、元横浜DeNAの多村仁志氏まで、クラブハウスから出て来たので、それぞれ個別に記念撮影とボールにサインを頂いた。

 

 みなさんとても愛想良くファンサービスしてくれたことで、さらにピオリア訪問の満足度は充分100点を超えていた。それから待つこと1時間ほど。昨日、大谷から一緒に歓喜のサインをもらい、今日も一緒に来ていた学生くんと、いろんな仮説の話をしながら待っていた。

 

 イチロー選手は、マリナーズに帰ってきたかったけど、自分からは言い出せなかったというコメントから、今日のマリナーズ復帰日は、相当嬉しい気持ちをもっているはずだ。だから、ファンにも恩返しがしたいと思っているはずだと。。勝手な妄想話を膨らませていた。

 

 それでも、待機している場所が場所だけに、イチロー選手が車で駐車場の出口まで出てきても、わざわざ車を停めて降りてきて、サインを書いてくれるはずがないなと、妄想話を打ち消したりもしていた。そうこうしている間にも、少しお腹の調子が悪くなってきたのだが、万一の為に備えてトイレにも行けず、期待感は薄く薄く待ち続けていた。

 

 そうして陽も暮れかかってきた18時過ぎた頃に、そのまさかの奇跡の瞬間が訪れた。

 

 一般的にそれまでのマリナーズの選手は、我々ファンが立ち入れない最も遠い駐車場奥側の通用出口から登場し、車に乗って、駐車場出口付近で待機している、我々ファンの前を颯爽と通り過ぎて帰っていくパターンがほとんどだった。

 

 しかしながら、突然、駐車場一番手前の我々ファンが待機している側の通用出口から、イチロー選手が歩いて出てきたのである。

 

 登場した瞬間、直感でこれはファンサービスだと思った!

 

 その通り、イチロー選手は上機嫌で我々ファンの前に出て来て、「さあ、今日はサインをするぞ!」という雰囲気でファンからのペンを走らせ始めたのである。

 

 もう夢心地と、絶対このチャンスを逃してはならないと、我先にとボールを差し出して、見事チャンスをGETできたのである。当初、予定にも無く期待もしていなかったが、もちろん野球ファンとしてイチロー選手のサインは、当然ほしくて堪らない逸品だった。そんな、まさか自身で直筆サインをGETできる日が来るなんて、想像もしていなかっただけに、感動のあまり、しばらく呆然としてしまった。超絶、嬉しかった。

 

 夢のような時間だった。

 

{5796136E-A1F8-451B-BD62-B98BDD00914E}
{A2FBA8EC-0C9F-4EBC-B495-A910EE407D76}
{7CDE5788-9AED-4638-B9DE-DC71617AE58D}

 

 放心状態が終わった後は、一緒に来ていた学生くんの生い立ちを、なぜか聞いていた。

 

 関西から卒業旅行で二人組で来ていた、もう一人の学生くんは、東大出身で、弟さんも東大ということだった。兄弟で東大を輩出するご家庭の教育方針とは、どんなものだったのか、興奮冷めやらぬ状態でも聞いていた。彼曰く、冷静に客観的に幼少期に必要な教育は、ピアノと水泳と公文式だと思うと、説いてくれた。スポーツ系と文化系の両立と、公文式は先々予習できていく点が、後から復習につながり効果的だと話していたように思う。自分は、今のビジネス課題に関連する話を、まもなく就職する彼等に冷静に話していたように思う。

 

 学生くん二人は、マリナーズのナイトゲームを観ずに帰る為、見送った。その後、自分はひとりでナイトゲームへ入場し、一番安価な芝生の外野席に入り、貰ったばかりのイチロー選手のサインボールを、SNS用に撮影した。

 

 撮影が終わった後は、試合もほとんど目に入らず、最高の気分で、外野から見渡せるバーカウンターで、極上のドラフトビールを楽しんだ。感動の余韻に浸りながら、ビールを飲みながら、メジャーの野球を観戦する最高の時間を過ごした。

 

 ちなみに、このピオリア・コンプレックスというスタジアムは、まだ完成して間もないと思える位、近代的な新しい球場仕様で、レフトスタンド外野席のバーから見る野球は最高だった。結局、この夜のマリナーズ対ジャイアンツのゲーム展開が、どうなったのかは全く覚えていない。ただ夢心地な世界という記憶しか残っていない。

 

{62D105B4-1A63-44DF-BB15-97C3494A3C19}