「ふぅ・・・・」
都下に臨む摩天楼を見下ろしながらmacchanは小さなため息をついた。
「この東京で一体どれだけの人がパチをやめられずに苦しんでいるんだろう・・・」
コトッ・・・
ん?ふと横に引立ての香りが漂うコーヒーがおかれた。
「ごくろうさま。1段落ついたの?」
振り返ると研究助手のアイラ・ムラカミがいた。
「ん・・・ああ、ちょっと疲れたから休んでたんだ。」
コーヒーに口をつけながら私はそう話し掛けた。
アイラ・・・
あの惨劇の唯一の生き残りだった。
彼女がまだ幼い頃、彼女の母と私の父さんが研究ラボで殺された。
そのときアイラはたまたまお母さんと一緒に遊びにきており
目の前で自分の肉親が殺されたショックにより記憶がなくなっている。
「アイラ・・・今日は遅くまで大丈夫なのかい。もう0時を回るよ。」
「うん、今日は遅くなるってダニエルに言ってあるから大丈夫。」
「ダニエルか、あいつもラボをやめてから家庭人になってきたんだな。」
「ええ、彼のおかげで今の私はあるようなものだもん。」
「アイラ・・・あの時のこと・・・」
「言わないで!・・・もう、思い出したくないの・・・」
アイラは父さんを襲撃した犯人を見た唯一の目撃者だ。
上層部が犯人を特定する為、アイラの記憶を呼び起こす為に
結構色々やったらしい・・・
その時に、彼女の記憶を呼び起こす実験を止めたのがダニエルだった。
「すまない・・・ん、まぁダニエルは良い奴だよ。一応俺と同期だしな。」
「ダニエルは、私のかばう為に第8研究室_室長の職を失ったわ・・・
せめて恩返しがしたいの・・・そして母さんやあなたのお父様が見つけた
禁Pプロジェクトの全容を明かしたいのよ」
アイラが遠い目をしながら、力強くそう呟いた。
私は同じ決意を胸に、必ず父さんの研究した禁Pを解き明かすと
気持ちを新たにした。
「っと、いけない。第7研究室を開放したままだったわ。鍵、閉じてくるね」
そういうがはやいか、アイラはコーヒーを一気に飲み干し、小走りに
部屋を後にした。
残る私・・・苦いコーヒー・・・
都会はその輝きを失わず、いつまでも光りつづける。
そして眠ることをしらず、人々を照らしつづけるだろう。
なんだか、自分はとてもちっぽけな気がした・・・
父さんの研究。その闇の部分を・・・照らしだしてくれ。。。
そう思い、作業を続けようと椅子から立ち上がった時だった。
「きゃーーーーー!」(←アイラの悲鳴だよ
「!!」
アイラの悲鳴が聞こえた。
「アイラ!?」
私は即座に部屋を出て、悲鳴の先・・・
第7研究室に向かうのであった。