今がいちばん | アルツフルデイズ

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アルツハイマー型認知症になった実母のことと、
アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねます

あーちゃんは認知症になってしまってから、
一番あーちゃんを労るべき夫から通院を止めるようにしつこく言われた。
介護申請も妨害され、
薬の管理を薬剤師さんに頼むことも邪魔された。
更には何度もたんたんに騙されてお金を取り上げられそうになったので、
止むを得ず愛着のある自宅を出て、老人ホームに入った。
たんたんから逃げた。


老人ホームに入ってからは、食事の管理も薬の管理もきちんとしてもらえるようになった。
だけど認知症の進行は止まらない。

幻聴はあるし、妄想っぽいのもある。
着替えは拒否するし歯科検診も勝手に断っちゃうし、
何でも忘れちゃうし、それなのに昔の嫌なことが今起こった事のように怒っていたりする。

もちろん、不穏だって起きることもある。


だけど…
ワフウフがあーちゃんの娘として半世紀関わってきた中で、
あーちゃんは今がいちばん幸せそうに見える。
そして多分、母娘関係も今まででいちばん良好だと思う。


忘れちゃうのも出来ないことが増えるのも、
あーちゃんが困ることのないように(さりげなく)フォローさえしてあげれば「娘たちに気遣ってもらっている」という事にあーちゃんはとても満足気。

誰だって歳はとるし身体も頭も衰える。
あーちゃんも然り。

だけど、老人ホームでは面倒な家事はすべてやってもらえ、
面会は出来なくても娘たちから毎日電話があり、お喋りを楽しむ友人も居て、孤独を感じない。
たんたんからお金を盗られたり、無駄に言葉で傷つけられることもない。

甘えん坊で構ってちゃんなあーちゃんにとっては、老人ホームは悪いことばかりでもないのかもしれないね。


国をあげての在宅介護推しもあるし、
日本人の心に根付く「老親は家で子供達が面倒を見るべき」という固定概念もあり、
親を施設に入れることが悪い事のように言われる事がある。
ワフウフも、あーちゃんを施設に入れたことをなんとなく後ろめたく感じたことはある。

だけど、家族の形も人間関係もそれぞれ。
在宅介護をしている方には本当に頭が下がる。
でも、施設に入れることだって必ずしもネガティブな事ではないと思うよ。


あのまま実家でろくな食事もせず甘いものばかりを食べ、薬もまともに飲めない生活をしていたら、あーちゃんは今頃どんな状態だっただろう…確実に寿命が縮まっていたに違いない。

何が良いか悪いかなんてやってみなくちゃわからないし、他人に言われることじゃない。
自宅で暮らそうが老人ホームで暮らそうが、夫と暮らそうが夫から行方をくらまそうが、
今、あーちゃんが穏やかに幸せに暮らせる事が大事だと思っている。



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