las macas
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悔恨は

悔恨は、

人生のあらゆるところに転がっている

ホンの小さなエピソードに

「何故」がいっぱい。

なぜ、私は。。。

帰る場所はどこ?

糸の切れた風船のような気がして、
根を張る場所を見つけられない根無し草のような気がして、
家はここにあるけれども、
それはただ寝るための場所でしかなく、
私のいることのできる箱でしかなく、
箱は確かに私を包んでくれるけれども、
外から私を守ってくれる隠れ場所ではあるけれども、
ただの空間でしかなく、
もういない人たちの匂いもなく、
それでも想い出はたくさん詰まってはいるけれども、
その想い出は安らぎではなく、
「もういないのだ」という事実を私に知らせるだけで、

私は居られる場所を探している。

帰る場所は場所ではなく、
人がいい。

殺人未遂じゃないのか?

首を絞められたことがある。行きずりの、通り魔に。
これで私、死んじゃうのかな?
と思った。
死ぬことがそんなに怖くはない自分に驚いた。
常々
いつ死んでもいいとは思っていたけれど
本当に死んでもかまわないと思う自分に驚いた。

そうか、私、死んでもかまわないんだ
そう思った。
死んじゃうのはいいけど、ここでこうして死ぬのは困る
と思った。
世間体が悪いから。
私はいいんだけど、残された人たちが困るだろう。
それに、ここでこんな風に殺されてしまったら、友人達はどう思うだろう
そう思った。

その内、締められている間息を止めていれば、
そう苦しくないことに気付いた。
ときどき緩められる手の力に、
この人、私を殺す気はないのだ
そう思った。

力が緩められた瞬間
思い切り息を吸って
思い切り叫ぶ
殺されると困るから。

殺されることはないとわかりながら
殺されると困ると思うのはおかしい。
でも、間違って殺されてしまうこともあるし、
そうなる前に
誰かが気付いて
この人を追っ払ってくれるといいと思った。

この時間が
早く終わるといいと思った。

どのくらい時間が経ったのかはわからない。
気付いた人がやってきて、
首を絞めていた人は逃げていった。

あの人は私の首を絞めて
何をしたかったのだろう?
腹いせ?

道すがら、
ずっと口説きまくって
最後に
私が
どうして?
と聞いたとき
目の色が変わった

口説きまくっている間の言葉
それまでに全て語り尽くしたのに
どうして?
と訊いたのがいけなかったのだろうか?

未だにわからないよ。
誰でも良かったのだろうに
口説く相手は。

ほんの数分間
語った言葉を
受け入れなかった私。

それだけのことで。

ごめんね

9日は、パパの命日だったんだね。

すっかり忘れてたよ。

だって、私にとっては「いる人」か「いない人」でしかない。
既にこの世に存在しなくなってしまったパパは、「いない人」なのだ。
命日なんて、関係ないんだよ。

大嫌いだったし、憎しみを覚えたこともある。
ボケてなお我儘を言うであろう人
腕の筋肉を眺めながら、私はこの人を押さえつけることが出来るのであろうか
ぼんやりとそう考えたこともある。
ずっと背負っていかなければならない、重荷だった。

二人の生活に耐えられず、パパを置き去りに外に出た。
外に出てなお、置き去りにしている後ろめたさが、私の重荷となった。

パパを喜ばせる方法は、いくらでもあった。
知ってた。
でも、喜ばせることはせず、
私は逃げた。
外に、私の喜びを求めた。

今も、後悔が私を苛む。

子どものまま大人になれなかったパパ。
親であるのに私の子どもになろうとしているパパが、重かった。

失敗だったね、私たちの生活。
やり直せるものなら、こんどはもうちょっとうまくやれると思う。
でもやり直せないのだから、そんなこと考えてもしょうがない。
せめてもう一度、おいしいお食事を作ってあげたいな。

蔑ろにして、ごめんなさい。

愛されているのは知っていた。
私も、愛してはいたんだよ。
ただ、鬱陶しくて、重かったの。

果てしなく続くと考えてた辛いふたり暮し。
誰もが、本人でさえ思いもよらないほど、あっけなく逝っちゃったね。
絶対にボケ老人になると思っていたのに、ボケる暇もなく。

残った私はただ、ひとり。
目の前にいない人は、存在していないのだ。
命日がいつであるかは関係なく、ただ、「いない」ということしか、ない。

犬は汗をかかないんだよ

だから、その代わりに舌から熱を放出する。
泣かない私は、涙を流す代わりにどうしたらいい?