港町・・・暗い運河のほとり、路地の奥にその建物は建っていた。
-霧笛荘-
昔は外国人貿易商の別宅として使われていたらしい。
観音開きのドアを開けると、数段下りたところにあるホール
廊下は闇に包まれ、湿った空気が漂っている。
その先にはポツンと赤電話が置かれているだけ。
不思議な造り、異国情緒溢れる装飾
そして・・・
ホール脇の管理人室には・・・纏足の老婆。
「どの部屋も空いているから、ひととおり見て気に入ったのを使えばいい。
大丈夫、事情は聞きゃしない。そんなことどうだっていいさ。
あんたのその鞄の中味が札束だろうと生首だろうと、あたしの知ったこっちゃない。
おいで、ひと部屋ずつ見せてあげよう。
どれもすてきな部屋さ。
ちょいとじめじめしているが、あんたにゃ似合いだ。」
そう言って、老婆は6つの部屋を案内していく・・・
・港の見える部屋
・鏡のある部屋
・朝日のあたる部屋
・瑠璃色の部屋
・花の咲く部屋
・マドロスの部屋
そして最後に・・・
・ぬくもりの部屋
今はどの部屋にも住人はいない・・・
それぞれ想いを抱いて霧笛荘に辿り着いた彼らが
やがて...それぞれが気づきだす。
人生って・・・
老婆は呟く・・・
「不幸の分だけの幸せは、きっとある。
どっちかが先に片寄っているだけさ。」
霧笛荘をイメージした曲も素敵。こちらで視聴できます。
高嶋ちさ子 加羽沢美濃 &フレンズ 『霧笛荘夜話CD』


