過去に『永遠の仔』を読んで天童荒太さんの作品に触れたいと
買い求めた作品です。もう10年近く前になるでしょうか。
『永遠の仔』も『悼む人』も映画化されていることを最近になって知りました。
映画の方は、まだ拝見したことがなく機会があれば観たいと思います。
今回再読して判ったことがあります。
当時の私と、今の私の環境が180度違う事で
作中の登場人物の誰に重きを置いて読んでいるか・・・
当時は主人公の坂築静人でした。
今回は静人の母である坂築巡子に寄り添っていることに気づきました。
最後のページを読み終えて本を閉じた時
静人が長い旅から家に帰ってきたとき、そこに母がいないことを知った瞬間
彼はどう思うのだろう・・・どうなってしまうのだろう・・・
壊れてしまうのではないだろうか・・・それとも・・・
描かれていない部分を想像して、胸が苦しくなりました。
人は言葉では語りつくせないもので溢れています。
語りつくせないモノで造られていると言った方がいいのか・・・
日頃報道されるニュースでは事故だの事件だので
簡単に命を奪う行為が行われていることに怖さと言うより哀しさを覚えます。
今ここで落とさなくてもいい命が失われている現実を突きつけられます。
何より、落としていい命など絶対にある訳がありません。
人の命は地球より重い、と仰ったのはどなただったか・・・
いつの世も、どうも人命が軽く扱われているような気がして。
それほど世の中が目まぐるしく変化しているのか
人の命よりも優先するものが多いのか・・・
戦争や内紛は勿論ですが、今のコロナウィルス感染症の対応などを思うと
「どうにかならないものか・・・」
と、思うだけで何もできない己に溜息をつくばかりです。
人間を含め生物には生きている以上、逆らえないこともあります。
だからこそ大事にしたい命です。
作中の静人のように見ず知らずの死者を悼み続けることは、私には無理です。
日本中を悼み歩く静人を見守る家族・・・でいることも出来ないと思います。
私のような人間にできることは
亡くなった家族を悼むことくらい・・・かもしれません。
夫に関わりのあった方々もそれぞれに年を重ねています。
代が替われば顔さえも合わせたことがない親族が増えていきます。
私がいなくなれば、夫の事を覚えてくれている人は誰もいなくなるかもしれません。
それでも
せめて、夫を・・・身近な人たちを悼む気持ちだけは持ち続けたいと思います。
忘れたくない人を・・・
忘れないように・・・
今日のおやつは、六花亭の『夏衣』
なんて風情のあるネーミングなんでしょうෆ꒡ .̮ ꒡ෆ
ふわっふわの生地にやさしい柑橘系の小夏ジャムがサンド。
小夏ピールも触感として楽しい ̄(=^ー^=) ̄



