
いなかのおばちゃんたちはとっても面白い。
私の働くカフェで、お客のおばちゃんと話していると
だんだん頭がへんになっていくのが分かる。
「レモンとミルク、どっちにしますか」
「そうね、アールグレイがいいわ」
人の話なんてほとんど聞かない。会話にならない。
おばちゃんたちはだいたい団体で来て、
自分の頼みたいものを一気に注文する。わたしはこれね、わたしはこれ。
「ケーキをちょうだい。」
「なんのケーキにしますか」
「なんでもええよ。甘けりゃなんでもええ。」
「では、ショートケーキはいかがですか」
「そうやね、でもチーズケーキにしようかね。」
大体7人とかで来て、みんな同じ注文。
まだ注文を取ってる途中でも私を無視しておかまいなしに大きな声でお喋りがはじまる。
私はそんなとき、本当にふしぎなふしぎな気持ちになって、
ぽーん とどこかへ飛ばされる。
不思議の国のアリスの、三月ウサギといかれ帽子屋のお茶会のよう。
おばちゃんたちの仕草も。話し方も。目線も!
私は小さいころから不思議の国のアリスが大好きで、
もしかしたらこの路地を曲がったら…
この猫しゃべりだすんじゃない…?
いつかひょっとしたらあんな不思議な世界に迷い込めるかもと思ってたけど、
大人になるにつれ、そんなことあるわけないと思うようになった。
だけど、そんなおばちゃんたちのお茶会で、不思議の世界が垣間見れてちょっと嬉しい。
まるでアリスになったみたい。しかも私はあのお茶会の場面がいちばんすきだ。
気付けば不思議の国はこの世にたくさん存在してるみたい。
カラスが書物机に似ているのはなぜ?
エマル