妄想小説日記 わしの作文 -20ページ目

妄想小説日記 わしの作文

わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

「神様、母が死んじゃったよ」

 

自治体が決めた収集場所にごみを出した帰り道、男は神社に向かって呟くと帰るために自転車を走らせた。

11月25日その日は毎年、年2回神社を訪れる天照だった。

”なに?そんな馬鹿な”

”予定では天命あと10年の筈”

 

神である天照が定めた母親の天寿であったから死んだと言われ信じられなかった。

 

昨年の春先田植えをしている姿をみて秋は多忙だったこともあり天照は安心して見ることなかった。1年半月立つ間に一体何が起こったのだろうか。天照は全国各地の神社を巡る為多忙を極め留守の時は眷属に頼むしかなかった。男は天兼大吾(あまかね だいご)天照の隠し子のような存在だった故に天照は誰にも言わなかった。存在を聞いていなければ気に掛けることはない。眷属たちは何故神天照が不機嫌なのか理解に苦しんだが知らないことは理解出来るわけがない。

 

一人で神社の執務室へ入ると家族の過去を回想を始めた。

大吾と仲良く草むしりや里芋堀をする姿は微笑ましいが年を追うごとに母親はおかしくなっていく。畑で夫の頼みごとを訊かないから

怒号が響き渡り手伝うどころか邪魔さえしている。さらに半年後になると料理さえろくに作れなくなる。

家の中では邪魔もの扱いされ家の中にいることが増えていくようになると一人で物思いに耽る、こうなってしまうと覚悟を決める。

母がどんなことを考えてるか知らない大吾は台所で座り込んでいる母に”邪魔だからどいて”と無神経に叫んでしまう。

”ははぁそれで死を覚悟したのか”

母親は普段の倍の量を食べて入浴したのは計画的だった。痴呆症だとしても一時的に正常な考え方を持てるのである。

 

”これじゃ地獄行は確定じゃな”

だが神の子の生母が死んで地獄とはあってはならないと天照は悩んでしまう。

”はてどうしたものか”

天照は母親の霊が家をうろつき回っているのを見て疑問に感じた。通常自殺者であれば死んだ場所から動けない地縛霊となるからだ。

母親は家の中だけに留まらず近所にさえ歩き回っている、先祖の迎えも来ているように見える。

もしかしたら極楽浄土へあがれるかもしれないと天照はおもった。

天照は祝辞をあげた。

神々は泣くことがない、涙は雨と姿を変え降り注ぐ。

 

翌日の夜も更けた頃、この季節には」異例ともいえる大雨が降った。

 

この物語はフィクションであり登場した人物、団体は事実と異なり

関係はありません