[短編小説] 勘違い | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

わたしは50過ぎの会社員、目覚めたらシェーバーで髭を剃り顔を洗って歯磨きするといつものように着替えるはずだった。ところが洗顔から部屋に戻るとベッドで誰かが寝ているではないか!俺のベッドで寝ている男がいる、誰だ一体おれのベッドで寝ているのはと俺は思った訳だ。顔をみると見た顔だ、いや知ってるというより俺自信ではないか。酒に溺れて二日酔いした時のように以前の記憶が飛んでいる、記憶を遡って思い出してみると昨日は確か仕事に言った仕事から帰宅してからコーヒーを飲んだ。そういえばスズメバチの巣があり直径20センチ長さ40センチのマダラ模様の巣があった気がする。軒下にあったんで母親から駆除を頼まれたんだっけ?思い出してみるとわたしは無謀にもほうきの柄で突き落としたんだ。大軍で向かって来るスズメバチが・・

そこから記憶がないということはわたしはスズメバチに刺されたんだ。

 

心臓が弱っていたからなぁ。

まぁ死んでしまったものは仕方ない、健康保険の督促状が届いても

知った事じゃない。でも死んだら足腰が弱ってるのは変わらないな

近視が変わらないから眼鏡がないとろくに見えやしないし老眼も変わらない。ぜんぽうに女らしき幽霊がみえるがめがねがないせいで

ボケて見えるから怖くない。

 

「おいおまえ」

「わたしを見えても怖くないか?」

めがねがないから何もわからないのは丁度いい。

「だったらみえるようにしてあげようじゃないか、心の目で見れ」

と女は言うがそんな簡単に心の目で見えるようになるかと思った。

ところが次の瞬間、眼が切れ長で口が耳元で裂けている女がわたしの視界に入ったのだ。いわゆる口裂け女と世間で言うやつだ。

死んだので幽霊になったわたしには口裂け女だとしても現世の人間から思えば対等だろうと考えるだろうがそんな事は無い、怖いものは怖いのだ。

 

「口裂け女に呪われる覚えはないのですから帰って貰えませんか」

「・・・」

女は無言でわたしの腕を掴んだ。無言だと次の行動が理解できないためわたしは震えた。

「わしは口裂け女ではない、お主の守護霊なのだ」

そんな事を言われてもすぐに信じる事なぞ出来る訳がなくわたしには怯えるしか出来なかった。

 

無神論者のわたしは天国も地獄も信じていない、死んだら空虚であり灰色の景色だけだと信じてきたが自分の葬儀を見せられ天国や地獄に連れていかれたのでは信じるしかなかった。連れていかれると

果たして天国と地獄どちらに行くべきか考えてしまうのが人の心理

だろう。

 

「わたしが怖いか?よいか人とは気の持ちようで見る物の姿を変えることができる、美貌だと思ってみるが良い」

すると口裂け女だと思っていた女は明治時代の貴婦人へと変貌を遂げた。魂になると勘違いは大きく人を左右させるものである。

 

小雨降る中、わたしは女の手を取り山道を歩いた。岩がゴツゴツと転がり巨木ばかりが枯れる道、勿論生き物など皆無で姿をみることはない。様相が変わったと思ったら先に待つのは断崖で崖下りをしなければならない、その崖というのは100メートルはありそうでそこをロープやハーネスもなく素手と裸足で降りて行かねばならない。2度、3度と

崖を降りたら2メートルのススキが群生している草原、密生しているから先がまったくわからない、道案内の看板や標識、GPSなどがないのによく迷わず進路がわかるもんだと思いながら女の後をついて行く。ここで手を離したら一巻の終わりだと思うと掴む手に力が入るもの

 

すすきの草原を抜けたら山に囲まれた部落が視界に入った。茅葺屋根の旧家だが新築のように柱が艶々としているし木材の香りが漂ってくる。その初めの一軒家から出てきたのは祖父だった。だが一緒に出てきた女性は見た事がない60代らしき女性で祖母とは違った。

 

「しばらくじゃな、健次」

「ばぁちゃんは一緒じゃないの」

「別に住んでる、ここじゃ気の合うもの同士部落を作っているから家族だったもの同士住んでいるとは限らんのじゃよ」

「喧嘩がくなくて幸せな世界なんだね」

 

赤い糸で結ばれた真実の相手がここにくると判明し一緒に住むことが可能らしい。ここは天界でも天国でもなぃ霊界と言われる場所でここに連れてきてくれた女性は先祖であり名前を”お朱鷺”さん。本来は江戸文永時代生まれなのだが明治のファッションが憧れ着ているとの事だ。では一体どうして健次には口裂け女に見えたのだろうか?

 

 

 

 

この物語はフィクションであり実在の

人物団体には一切関係ありません