[短編小説] おうち見合い | 妄想小説日記 わしの作文

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よく晴れた春の日、ゆるやかな風が気持ちよく眠気を誘う穏やかな日、一人の若き女性”立てばタンポポ座ればジャガイモの花歩く姿はマリーゴールド”美人ではないが何かが足りない、もう少し鼻が高ければ・・惜しいなというような女性っていると思いますが古い民家の戸を叩いたのが不動産会社で事務をする惜しい容姿の高木美緒28歳でした。母親からは見合いの場所として渡されたのが一枚の印刷された地図で見合いと聞きレストランか料亭のような場所だと思って来てみれば古い一戸建ての民家だったというわけです。見合い相手のご両親から家へ上がるよう案内されお膳に置かれたものはご飯に味噌汁とブリの照り焼きにお漬物で純然たる和食は特別興味をそそる献立ではありません。

「美緒さんよくいらっしゃいました、遠慮しないで頂いて」

「いきなり見知らぬ家で食べるのは気が曳けるでしょうからまぁ一献」

美緒は日本酒が苦手でしたがここでと断るのも失礼だと考え一口だけ呑んでみると以外にも飲みやすく口当たりも良かったのです。

相手の父から熱燗を出されおちょこに日本酒を注がれ呑みながら見合い相手がいないのはどういう訳だろうかと美緒(みお)は思いました。

ご飯を食べてみると家で食べた事がない米粒を噛むと甘みがあるし舌で感じるご飯は塩が入っているのだろうか、わすかなしょっぱさを感じる。味噌汁は旅館か食堂で出されるように深い味わい、それでいてまろやかな味わいに美緒は感嘆しました。ですが近頃はインスタントの味噌汁で料亭の味そのままのインスタントがあるので買ったのだろうと思いました。

「お代わりは如何ですか」

「あ、はじめまして弟さんですか」

エプロンをする40代くらいの男性はそのまま横に座るので見合いなのに図々しい弟がいたものだと怪訝な表情になりました。

「美緒さんはじめまして、僕が木下鼓(つづみ)です」

「え、弟さんじゃないんですか」

「僕に弟はありません」

「味噌汁のお代わりはいりませんか」

「このお味噌汁高いんですよね、せっかく買ったのに悪いわ」

「はぁ?味噌汁は僕が作ったんで何杯でも同じですよ」

「ご飯も美味しいけど魚沼産コシヒカリでしょうか」

「いいえ、うちの作った米はブレンドしてません。冷めた方がうまいって人がいますね」

「ブレンドって普通市販されているお米って混ぜるんですか」

「大体そうですよ、知りませんでした?」

”へえ~そうなんだ”

「鼓さんはトラクターに、乗る事あるんですか」

「まぁありますね、それが何か」

「女性がお大きなトラクター運転してると格好いいですよね」

「そうかもしれませんね、うちの近所には女性が運転してるほうが多いですけど」

「そうなんだ」

美緒は大きいタイヤのトラクターを運転する女性に憧れ自分もいつか運転したいと夢を持っていたのです。

”決めちゃおうかな”

美緒はお茶を啜り乍らそう考えました。

 

おわり

 

この物語はフィクションであり実在の

人物団体には一切関係ありません