[短編小説][2次] 最後の一葉(大田裕美) | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

東北地方、北のある県。余命宣告を受けた女性が自宅療養

足腰も不自由になりベッドで過ごすのが日課で唯一の楽しみ

は日に一度見舞いに来てくれる愛する男性(ひと)に逢うこと。

だがここ数日、顔をみていないので仕事が忙しいのかと考え

ていたが見舞いで貰い窓際に生けた花も枯れてしまった。

ベッドの中で彼の事を考えると最初は仕事が忙しいと思って

いたが事故にでもあったのだろうかと心配になる、そこで彼女

は彼に手紙を書いてみることにした。この手紙が着いたらすぐ

お見舞いに来てくださいと書こうとはした、だが彼のこれからを

考えてみたら別れる方が良い、それは自分の我が儘かもしれ

ないだけど、彼女は別れを切り出す文を手紙に綴ってしまう。

 

庭の木々は赤く色づき始めあっというまに紅葉の季節になる

秋の風が枯れた落ち葉に吹きつけ枯葉が舞う中、雪が降り始

めた。彼が見舞いにこなくなってからはじめて彼との事を回想

してみる、見舞いに来てくれた彼は顔色が悪い彼女を心配し

彼女の額に手を添えてくれた時があった。温かなぬくもりを感

じさせる手で優しく前髪をかき上げそっと手を置いた優しい彼

「熱いね」

平気な振りをして大丈夫だよと言ってみた時が懐かしい。

医師から余命宣告された期限は一面を白景色に変える冬の

12月まで、落葉樹の葉が枯れ落ちたら命の灯は消える。

3年と言う付き合いの中、彼女がつけた彼との思い出をしたた

めた日記は3冊それは彼と彼女の恋のダイアリー。

 

雪が積もり部屋から見える景色は白い冬を迎えはじめた。

「ここなら部屋から見えるよね」

まだ彼女が歩ける時にレンガを積み上げた塀に描いてくれた

落葉樹には一枚葉の油絵、庭の木につく枯葉が残り数枚とな

った時でも塀の絵が生きる意欲を与えてくれた最後の一葉。

両親に付き添われて意識が消えそうな中、その一枚だけはい

つまでも落ちることはなかった。

 

おわり

 

 

 

最後の一枚の歌詞から歌詞にのっとり文を起こしてみました

「わたしのも作って」などと言われても拒否します。

結構大変なんですよ、歌詞を何度も繰り返し読んでそこに

イメージを重ね合わせて作るんです。