[短編小説][怪談] ゴロタ浜での紛失物 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

あれはわたしが磯釣りにはまっていた今から10年前の事、当時

伊豆半島の西伊豆土肥に毎週のように通っておりある日曜日、

仕事仲間とメジナ狙いに地獄の地磯と呼ばれる磯へ行くことに。

彼は西伊豆にはあまりこないと言っていたのでわたしは案内す

ることになり早朝日が登ってから磯へ通じる山の中の道を歩く事

というのもこの磯へ行く道は山の中を歩き磯場へ出る直前にはハ

シゴを降りる必要があるんで暗いうちに動くのは危険なのです。

広いゴロタ浜の海岸にはいくつものポイント(磯場)があり連れが

言うには遠くに見える広い磯場へ行きたいというので大きなゴロ

タ石を幾つも越え20分ほど歩きようやく磯場に着きました。

 

日中25センチくらす、一般にいうところの足の裏サイズが数連れ

私達ふたりの顔には笑みがありました、しかし帰りの事を考えると

気が思い。なぜならここは地獄の磯、来るときは殆どが下りだった

のだけど帰りは殆どが登りだからです。暗闇が迫るなか二人は汗

びっしょりになってようやく車を止めていた場所まで戻ってきました

早くスパイクブーツを脱ぎたいと思いながらいざ車のロックを解錠

しようとしたらあるべき場所に鍵がない、キーホルダーからそっくり

ないのであれば納得できたでしょう。しかし・・・ズボンのベルト通し

につけたキーホルダーはしっかりありますがキーだけがないのです

キーホルダーというのは重ね合う丸いリングを開きそこにキーの穴

を滑り込ませ苦労してキーをつけるタイプなので車のキーだけ外れ

るなんてことは有り得ないのです。

わたしは焦りました、もし鍵がなかったら帰ることができない、また

電話しようにも1時間歩かなければ電話がない。さらに連れを乗せ

て来ていたのでどうするべきか悩みました。でも答えはひとつしか

なく結局鍵を見つけに戻ることをわたしは選択しました。

「ごめん、ちょっと待っててくれる」

「どうしたの?」

「鍵を落としたみたいでちょっと探しに戻るよ」

「おれも行くよ」

「いや、大丈夫だからここで待っていて」

彼としてもあたりは真っ暗闇、ここで待つのは怖かったようで同行

する事を強く望みました。

「二人の方が見つかるから」

そして再び木々の間の小道を下り真っ暗なゴロタ石がゴロゴロする

広い海岸へ頭につけたヘッドランプだけを頼りに下を向いて探し歩

く、そもそも落とした覚えがないのでどこで落としたかわかる訳もな

い。下を向いて歩く連れに対しわたしは何気に遠くを見つめてみる

と視線の先に白いモヤのようなものが現れそれが女に見えました

”もしや”

わたしは小走りに歩くと連れはわたしの行動に疑問を持ったのか

「どうしたの」

「きっとあそこにあるよ」

大小のゴロタ石が重なり合う隙間、確かに光に反射する物が。

「よくわかったね」

「いや、今そこに女がいたような気がして」

「やめてくれよ、そんな事いうのは」

「だって普通じゃこんな場所にあったら見つけられないよ」

「・・・・」

そうこの場所は平坦な土地ではないのだ、ゴロタ石が大小ある

ゴロタ浜、しかも照明はなにもなく背後には山があり真性の闇

見つけるには1時間以上掛かっても不思議ではない、だがわた

しがゴロタ浜まで戻ってきて鍵を見つけたのはたった数分のこと

だった。