[短編」[創作][小説][R18]ブログという名の証明書、特別編 妻の挑戦 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

神奈川県大井町で農業を営む以上地域の仕事に参加しなければ

ならない、祐一もこれまで草刈りや芝焼き、用水掃除とやってきた。

回覧板で今週末草刈りが午前8時からやると連絡が届き祐一が

出ると言ったのだが由美が出たいと言い出した。

「わたしが出てもいいよ」

「おまえ草払い機使った事ないだろ、そのうち教えてやるから今回は

 俺が出るから留守番しとけ」

「大丈夫わたしにだって出来るよ

「ダメダメ、危ないから許さない」

 

祐一がなぜそこまで反対するのかというと草払い機は2サイクルエン

ジンを動力とし(最近は4サイクルエンジンもある)先端には丸い歯が

回転して草を切る訳だが危険な道具でもあり過去足を切った人もいる

特に水がある場所で使うと水の抵抗で思わぬ方向へ回転歯を持って

かれる場合もある。そしてエンジンだが燃料は1:25~1;50の混合

燃料を使用、専用タンクにオイルと燃料を入れ混ぜ合わす。

エンジンのスタートはクイックスタートという紐を引いてエンジンをかけ

る。冷えてる場合はチョークレバーを引きエンジンが始動したら戻す。

車の様に燃料ポンプはなく手動で燃料を送ってからの始動となる。

以上が概要だがバイクに乗った事もない、車の運転はATだけの由美

にとっては難しい作業ともいえる。

 

「今度JA(農協)の展示会で草払い機の安全講習会を開くから参加

 させてやるから行って来いよ」

「祐ちゃんが教えてくれればいいのに・・・」

祐一は自己流で覚えたので基本動作を教えることが出来ず講習会の

参加を仄めかしたのである。農作業は機械を使う故事故も結構多い。

農協には農作業中の事故のため共済保険もあるくらい年回多数起き

ている。

 

「あとないずれトラクターも運転させてやるから教習所でMTの運転免

 許受講するようにな」

「あの大きい車を運転させてくれるの?」

「まぁそれもJAのトラクター運転講習受けてからだな」

「由美の運転免許みせてくれる?」

「いいけど、なんで」

運転免許証を見ると普通自動車運転免許しかない、祐一の場合は

自動二輪、普通自動車と中型は中型車(8t)に限ると表示される。

祐一はトラクターを乗る場合、トラックの運転経験があるほうがいいと

考えていた。

 

「由美は中型車の免許も取りなさい」

「中型車ってさあのおっきいトラックでしょ、わたしに乗れるの?」

「ああ大丈夫だ、車の運転は経験だからな」

 

草払い機の講習を終え中型車の運転免許を取得したのはそれから

数か月あとのことだった。残暑が残る秋10月、稲刈りも終わり田ん

ぼは黄金色から藁の黄色へと変わった晴れの日、祐一は4tダンプ

のレンタカーを家まで運転して帰ってきた。

「祐ちゃんどうしたのその大きな車」

「建設関係のレンタル屋で借りてきたんだ、由美に乗らせるために」

「それにわたしが乗るの?運転できるかしら、怖いな」

怖いといいながらも由美は微笑んでいた、怖いもの見たさで気にな

っているようだ。そして出来ないとは言わなかった。

 

「ちょっと横に乗ってみないか?その辺走り回ってみるから」

「祐ちゃん、こんな大きなトラックも運転できるの?凄いよ」

「そうでもないよ、ダンプは短いからもっと長いの乗ってたんだ」

トラックに乗ったことがないない人間は長さが想像出来ない、大きい

トラックはすべて大型トラックと思ってしまう、だが4tトラックにも標準

ロングそしてスーパーロング(通称おばけ)と長さがいろいろあり祐一

が乗っていたのはワイドボディのロングであった。

 

「運転席から手を引っ張ってやるからそのステップに片足のせて入っ

 てこいよ」

「うんわかった」

運転席に座った由美は位置の高い助手席、広い視界に喜んでいる。

足元も広く天井も高い、知らなかった世界の発見に高揚してるようだ

「じゃ出発するぞ」

祐一はギアをニュートラルから2速にチェンジしクラッチをゆっくり繋

ぐとトラックは走りだした。

「なんで1速じゃないの」

「トラックはトルクがあるから1速じゃ低すぎるんだ」

「わぁ~前の車がアリみたい、その先の車まで見えるよ」

アリと象とでも言いたいのか由美の言い草ほど4t車は大きくない

「おまえ、ちょっと運転してみるか」

そうは言ってみた祐一ではあるが”今日は運転をみてる”と由美が言

うかと思っていたのだが意外にも運転してみたいと言ってきた。

「うんやってみるわ」

大丈夫かと思ったが何事もやってみなくては上達しない、失敗はある

だろうが自分がカバーすればなんとかなるだろうと思っていた。

 

方向指示器のレバーを下に落としハザードランプを転倒させ路肩に

トラックを止めると祐一は運転席を降りて助手席の由美を下に降ろし

た。エアブレーキの特徴と排気ブレーキの説明などを話すとどうやら

理解したようだ。あの一件以来随分由美は積極的になったものだと

感心した。発進こそエンストしたもののその後は円滑に運転してるが

常にセンターライン寄りで走る由美が怖かった。対向車とすれ違う時

毎回クラクションを鳴らされるので内心ハラハラする、そんな祐一とは

対照的なのが由美だった。

「何なのよあいつ、わたしが女だからって馬鹿にして」

「いや、そうじゃないと思うよ」

 

それはそうだ、黄色のセンターラインを越えて走行する由美のトラック

警告を与える意味でクラクションを鳴らし走り去る車、それなのに由美

は自分が悪いと思わず相手がおかしいと考えている。

「あのさ由美、キープレフトって知ってる?」

「何それ、聞いたことないなぁ」

「・・・」

車幅がある車ほど左側に寄せて走らなければならない、それは自車を

守る意味でも守らなければならない。教習所で教わるのがキープレフト

なのだが由美は忘れてしまってるようだ。対向車が大型トラックでも由

美はその姿勢を崩さず貫く姿勢は大したものだが祐一はそう考えなか

った。

 

「この馬鹿、もっと左側に寄せろよ」と相手は怒鳴っている

「女に優しくしようなんて気持ちはないの?レディファーストよ」

「ふざけんなよ、バカ女!へたくそのくせにでかい車乗るんじゃない」

相手は切れているのに由美はまったくものおじせずそれどころか言い

返している。トラック運転手が性格に合っているんじゃないかと祐一は

思ってしまったが今はそれどころではない、謝らなければならない。

助手席から降りると由美と運転を変わり左にトラックを寄せた。

「どうもすいませんでした」

「あんた、旦那かい?苦労してんだね」トラックはクラクションを鳴らして

走り去った。

 

「今日の練習はここまでにしよう、さぁ家へ帰ろうか」

「折角慣れてきたのに、もう帰るの」

「もうちょっと走ってみたいの」

「ダメ、ナナが家で待ってるだろ、由美はママなんだから」

「そうね、そうよね」

危なっかしくて安心して助手席に座っておれず祐一は適当な事を言っ

て誤魔化したのだが”ナナが待ってる”これは使えると内心思っていた。

 

帰宅すると玄関に女性二人の姿が見えた、どちらの女性も華やかで

キレイな若い女性だった。祐一と由美がトラックに乗った姿を視認した

ようでこちらに向かって大きく手を振っている。祐一は先に降りて二人

のところへ行くと由美の同僚だと言う。由美はガラスを開けて手を振る

「西尾さ~ん、さゆりちゃ~ん」

以前、由美から聞かされていたさゆりと祐一は初めて会った。

 

「ちょっとバックでトラックをそこに停めてくれ」

「はい、わかりました」

ゆっくり下がってくると思っていたら由美は二人に恰好いいところを見

せたかったのかトラックを勢いよく後進させ女性二人が気づいた時に

は悲鳴と共にトラックは迫ってきていた。

「あ、あぶない!」

祐一はとっさにふたりを突き飛ばしたおかげで災厄は去った、かに見

えた。庭に何もない筈なのに何かを破壊したような音が聞こえた。

”バキッ”

トラックが何かを踏みつぶしたような音。見に行ってみるとそれは携帯

電話の無残な姿であった。胸ポケットに入れてた祐一は二人を突き飛

ばした際、携帯を落とし運悪くトラックのタイヤ後方に落ちた携帯は潰

され無残な姿と化した。憐れ携帯電話。

 

「なにか踏んじゃった?」

「踏んじゃったじゃなくて、おれの携帯・・・」

「祐ちゃん、そんなところに置くから」由美は嗤っている。

「置いたんじゃなくて飛んだの、おまえが勢いよくさげるから」

「バックはゆっくりするの、人がいたらどうするんだ。バックモニターある

 だろう、見てるのか」

「なにそれ?」

 

バックと連動し後方視界をカメラによってモニターに映し出すのがバック

モニターであるが祐一は由美に教えていなかった。一言由美に伝えて

おけば良かったと後悔しても壊れた祐一の携帯電話は戻らない。

祐一が壊れた携帯電話を見つめ悲しんでると甲高いディーセルエンジ

ンの唸る音共にモーター音が響き次の瞬間、木材が悲鳴をあげる音。

「まさか・・・」PTOレバーを由美が触ると思っていなかった。

普通の平ボディーのトラックなら何も起こらなかった、だが祐一が借り

てきたのはダンプである。好奇心が強い由美は荷台のPTOレバーを

操作してしまい結果荷台は上に起き上がり、物置きの屋根が壊れた。

 

「うわぁー、何してんだ」

大きな物音を聞き家を出てきた母の香織、胸に娘のナナを抱いていた

そのナナが大きな声でハシャギ喜んでいる。対照的に悲哀な表情で見

つめる香織が呆然としていた。

 

「ナナ、格好いいでしょ。すごいねぇこれ」

「きゃっははは」頷くように喜ぶナナ。

「それどころじゃねぇだろ、どうすんだよこの屋根」

祐一は泣きたい気持ちで一杯となった、だが由美の予想外な行動を

予測できなかった祐一にも非がある。由美は好奇心旺盛と知っていた

のである。

 

本来このような災害が起こると接客する場合ではなかった、二人の女

性も帰ると言ったのであるが由美も祐一も折角訪問してくれた客人を

冷たく帰すような性格ではなかった。なぜなら事故は家庭内の事情で

あって由美の同僚には関係ない事と考えたからだ。さてそんな祐一な

のだが二人のキレイな女性に対し先程からどうも様子が変であった。

視線を合わせるのを躊躇うように眼を合わせずに畏まっている。

「祐ちゃんどうかしたの」

「いや、別に・・・」

それは明らかにこの二人に対し特別な感情を抱いているように由美

には思えた。自分の愛しい旦那が他の女性に気を惹かれる、妻として

これは不快以外のなにものでもない。ただ同僚に矛先を向けるわけ

にも行かず怒りは祐一に行くしかなかった。

「パパ、ナナのミルクあげた?見てきて」

「かぁさんいるから大丈夫だよ」

「いいから、行ってきて、早く。終わったらご飯作って」

 

同僚のさゆりと先輩であり部長の西尾はてっきり祐一が亭主関白で

由美は素直に従う良き妻だと思っていたのでこの由美の命令口調の

発言には驚き声も出さず唖然とした。しばらくしから西尾はなぜ穏や

かな表情の由美が夫にだけ不愉快な表情で接した理由を理解した。

”嫉妬だわね”そう思うと楽しくなる、由美ほどの美人が自分達に対し

嫉妬してる、愉快にならないわけがない。

「由美さんもしかして、あなた妬いてるの」

「やだ西尾部長、そんな事ないわよ。なぜ、なぜ、なぜ」

焦りと照れ笑いその後一変して威嚇するように聞く由美、しかも自分

への呼び方がいつもと違うことに西尾良子は確証を得た。

 

しかし由美は勘違いした、祐一はさゆりと西尾に恋愛感情を抱いたの

ではなかった、思春期の少年とは違い美しい女性に対しても照れるこ

となく普通に接することが出来る、だが今回由美を合わせ3人の美女

を前にして動揺が出てしまった。例えるなら映画で哀しい場面を見て

その後感動する場面を見ると涙腺は途切れなく流れ涙を流す、今の

祐一が同様の現象に陥った。憐れなのは祐一だった。

 

「あなた、もしや舛添にも・・・されたの?」

祐一が去りいま女子会となったところで西尾は疑問に思っていた件を

ぶつけてみた。

「・・・ここだけの話よ、夫には絶対言わないでね。ええ侵された」

「それでよく戻ってこれたわね」

他の男に抱かれながらも愛する男のもとへ戻ったという意味ではない

舛添の毒牙に溺れ舛添の虜になった女性は多く、有名だった。

「あいつにされてわたし、女の悦びを知ったわ。2度目には指が触れた

 だけで身体の芯が反応したくらいだもの。悦楽を教えたのがあいつ」

 

だが由美は恍惚の中でも自我を引き戻せるほど精神力が強い女性

だった、身体の欲望に精神が支配されるのは9割で止めることが出

来た。

 

「2度も・・・」さゆりは顔を赤らめ耳を疑った。

「あいつに犯られ欲望で戻れくなった女性の話は少なくないのに」

「そうなの?でも夫祐一に抱かれるほうがもっと気持ちいいのよ、彼は

 わたしに癒すような快楽を与えてくれるの。身も心も溶けて混じり合

 い融合してからひとつになる、彼はわたしを何度も逝かせてくれる」

「そうかぁ舛添は悪魔の悦びだけど祐一さんは天使になる喜びをくれ

 るのね」

「西尾先輩、ぜんぜんわかりませんよ」さゆりは首を傾げた。

「天使の歓びかぁ・・・」

「ちょっと西尾さん、よからぬ事考えているんじゃないでしょね」

「やだわそんな事思っている筈ないじゃない・・やだなぁもう」

 

西尾は30代の熟れた果実である、性欲もある。だがここしばく溜まる

ホルモンの放出をさせてくれる相手がいない、豊熟な身体は孤独だっ

た。身体を合わせ知りたいと思っていたところで由美から釘を刺された

 

「ところでよ、なんでトラック運転してたのかしら」

「そうですよあんな大きいトラックを使うことあるんですか」

「祐ちゃんがねトラクター運転するにはトラックの運転を出来る方が上

 達するのが早いんだっていうからね」

「そうなんだ」

 

トラクターは前より後輪タイヤが大きく太いのでフォーミュラカーのよう

に後部のほうが車幅がひろくまして最後部にはローターという動力部

が装着されておりここが一番幅がある。その幅を基準として運転する

のだ。4tトラックは2mという幅なので祐一は練習に丁度良いと考えた

 

「あとね草払い機って二人とも知ってる」

「何ですかそれ」

「あの屋外で轟音立て丸い歯で草刈る怖い機械よね」

「さすがは先輩、良く知ってますね。あれ、わたしも使えるんですよ。

 凄くないですか」

「ええ~ほんとうなの、怖くない?」

「慣れですよ慣れれば先輩だってさゆりちゃんだって使えるよ」

 

次に由美は二人にどうしても聞いて貰いたいことを話した。

「実はね今はいてるショーツは祐ちゃんが作ってくれたものなの」

「旦那さん、裁縫も出来るんですか」

「あら器用なのね、祐一さん」

ここで二人は実用重視のあまり完成度の高くない下着を由美は堪え

て穿いていると考えていた、見るまでもない駄作であると。

「見たくない?」

「いいわよ、下着なんてショップいけばいくらでもあるし」

「その前に恥ずかしくないんですか、人前でボトムを脱ぐというのに」

「これはね下着じゃないの、祐ちゃんの作品だもん」

由美は祐一と言う毒に冒され正常な判断が出来なくなってきている

下着は下着ではないか、それを作品という由美に二人は同情した。

 

「そこまで言うなら見てあげるわ」

「うん、見てみて」由美は履いていたデニムを下げた。

そこにはピンクベージュの生地、輝く銀色のレース、それを引き立てる

ダブルステッチ縫いの赤い絹の糸。

「これ!本当に祐一さんが」作ったという言葉が出てこない。

「嘘でしょう、縫製もしっかり縫われていますよ」

「えへへ凄いでしょ、わたしの旦那様が作ってくれたんだよ」

確かにそれは作品と言われるだけの価値があった。驚愕する二人は

眼を見開き検分するかのように由美の穿く下着を見つめる。視線を変

えた二人は同じことを考えた、これが欲しい。

「祐一さんに作って貰えるように頼んでもらえないかな」

「わたしはおかねを払ってもいいですよ先輩」

「それは無理よ、これ作るのに3か月も掛かったの」

 

だが断る理由はそれだけでなかった、祐一は由美を裸にして身体の

パーツをそれぞれ細かく採寸した、由美の亜熱帯が茂る丘陵を含め。

同じことを二人にさせるわけにはいかない、いや他の女体を祐一に

見せたくなかった。そして祐一は食事の準備が整い呼びに来て由美

のズボンを下げたハシタナイ恰好を見た。

 

「由美・・・おまえ何してるの」

「あ、いや。いやん見ちゃ」

人は突然驚くとき、焦ってしまい誤魔化す方法を探し出す。今の由美

がそうだった。ある意味これは由美の演技でもある。

「まったく何を話してるかと思えば、妻が人前でパンツ晒しているし」

「お二人とも、ダイニングで料理の準備ができましたので冷めないうち

 にどうぞ」

「ありがとうございます」

「ほら由美もズボン上げてささっと来いよ」

「もう待ってよ、行くから置いていかないで」

 

今回由美はふたりに言わなかったことがある、祐一の作った下着の手

放せない理由、常に柔らかく下半身を包み込むよう祐一の指先を感じ

ることが出来るそれが理由だ。祐一の手触りを二人に感じさせてなる

ものかと由美は考えだから言わなかった、特に西尾は要警戒なのだ。

由美はおいしい料理を作ってくれ気持ちいい下着を造ってくれる祐一

がとても好き、毎日違った喜びをくれる彼に日々感謝している。

 

「ありがとう、旦那様」

                            

 

 

この物語はフィクションであり実在の

人物団体には一切関係ありません