[短編小説][心霊] 霊障で行方不明になった人を探せ | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

この世には決して触れてはならぬもの、近づいてはならぬもの

がある。この物語は心霊スポットへ遊び半分で入った夫婦の

結末を描く話である。

○○村伝説、これに興味を持った夫婦がいた。どうせ行くのなら

動画も撮影しようということで買ったばかりのHDカメラも持って行

くことになり夫はザックにカメラと予備の電池を詰め込んだ。

事前調査として地図を買い込み現地は山中であり、結構長い

距離を歩くことになるのでザックとトレッキングシューズを用意した

行く前の晩は心が躍るもので夫婦もウキウキしていたのだが、

山を歩いてる時点では夫婦に何も起こらなく足取りも軽やかで

冗談も言い合いしていたが眼前に村の廃墟が現れると妻は顔面

蒼白となり夫の方も身体が固まった。本能的に体が恐怖を察知し

たかの様に。嫌がる妻を強引に連れて村の内部へ

それからたった数分後に妻の姿が消えた、どんなに呼びかけても

応答はない、いろいろ探し回ったがやはり見つけることが出来ない

警察に連絡し行方不明者となってしまった妻。

 

 

妻が行方不明になり数か月が経過した頃、夫は心霊スレッドのあ

る2チャンネル掲示板に助けを求めることにした。人の手で妻を見

つける事は困難と考え心霊をよく知る者達に助言を求めるために。

だが書き込んでくるコメントはひどいものばかり罵倒だらけ、中には

殺人犯とまで書き込まれた。あっというまに100まで書き込みが流

ていった時、101で今までとは違うコメントが現れた。

”ある人を頼ればきっと力になってくれる”

IDマヤというその人物は××広場にいけば多分会えるからという

××広場というのは自己を擬態化したアバターが集まる広場で夫も

行ったことがあるので知ってはいた。

”坊主頭で黒縁のメガネをかけたおっさん、服は地味でいつも一人”

”マヤから紹介受けたと言えば話を聞いてくれるw”

信じがたいし見つけられないかもという不安はあったがとりあえず礼

をいい2チャンネルを閉めた。

翌日夜21時、夫はその××広場へ行ってみるとその人物と思える

アバターはすぐに見つけられた。スーツを着てるくせに長靴、麦わら

帽子をかぶり黒い縁のメガネをかけている、その容貌はまるで大阪

の食い倒れ人形を思わせる。夫はパソコンの画面越しで噴き出す程

ダサい!しかも一人で隅っこに立っている。これでは誰からも相手に

されないそう考えたのではあるが”いいね”は既に100を超えている。

見ていると男自らがクリックするのはほとんど無い、しかも広場に入っ

てすぐいいねをして貰ってるではないか、それも一人二人じゃなく。

”有名人なのか”

長時間広場に滞在する人からは無反応みたいでどうやら有名という

のではなく”知ってる人は知ってる”その程度らしい。

夫はメッセージを送ってみた、メッセージ機能を使えば他人に聞かれ

る事なく会話が出来るのである。

何回かメッセージを送っていると返信がその男から返ってきた。

「友人申請なら受けないしグループ勧誘も受けない」

「いいえ、実は心霊がらみで相談にのって頂きたく思いまして」

「心霊って自分は霊能力などないんだけど一体誰から聞いたの」

「マヤという人から紹介されまして」

「あいつ・・・」

 

しばらく沈黙が続く、その際中夫はどうするか考えていた

この男に霊能力はないという、相談していいものなのか。

大体この人物が何者なのか知らないしスキルもどの程度あるのか

全くわからない、マヤが何者なのかそしてこの人物とどんな関係な

のか信用していい者なのか夫は悩んでいた。

 

 

夫の不安を察知したのか男は提案をしてみる。

「ここでいろいろ思案を巡らせても致し方ない事だよ、どうだい一度

一緒にその廃村に行ってみてそこでわたしに頼るかやめるか判断し

ては」

男の言うことは最もな事だ確かに想像してみるだけじゃ前に進めない

初対面の人間に対し慈善事業してくれる人間などおりはしない

夫は不安材料のなかに金だけとられて騙されないかと危惧する面も

有ったしかし同行すればキャンセルしてもいいという。

「黒き如意棒さん、途中までの案内なら構いませんが現場まではちょ

っと」

「現場まで同行してもらわないと正確な場所がわからない、もし無理と

いうならばマヤの紹介でも受けられない」

夫は再び悩んでいた、妻を失ったあの現場へ再び行くのはあり得ない

だがここで協力を拒否されては妻を探す方法は頓挫するだろう。

「あのつかぬ事を伺いますがマヤさんとはどんな関係なんですか」

「他界した妻だよ信じられるかわからんけどね」

「え!」

夫の額から油汗が噴き出した。

「そんなバカな、悪い冗談言わないでください。だって2チャンネル掲示

版でふつうに会話しましたよ」

「本当の事なんだけど、霊界通信とでもいうのか知らないけどこっちの

ネットと繋げられるみたいなんだよね。だから死後もわしのブログにコメ

ントを書き込んでくるんだよ」

 

 

数日後二人は現地へ行くため西新宿のある場所で待ち合わせをした。

赤い文字のスペルで作られたモニュメント、LOVEの造形物。

男二人が待ち合わせするには似合わない場所で夫が待っている間にも

何組かのカップルが待ち合わせをしていた。モニュメントの裏側方向見

るとコンクリートで作られた階段、その下には椅子とテーブルを無数に配

置した広場も見える。一般的に地下といえる場所なので歩道からは

見えないので恋人たちや愛する者同士の世界といえるかもしれない。

夫は30代であるので恥ずかしい気持ちはない、だがさすがに居心地は

良いと

は言えなかった。ここで男を待っていると知られたらアブノーマルと思わ

れるかも、とは考えなかったけれど。

「遅れてごめん、ハニー」

「え・ええ」

初対面だったがその声が誰に向けられて放たれたものか夫はすぐに理

解した。耳を澄ませば周りにいる夫婦、カップルや女性から異物を見るよ

うな視線と

”ヒソヒソ”と話す声が聞こえ、夫の顔はみるみる赤くなった。

”絶対誤解された・・・”

「あのう、黒き如意棒さんですよね。同性博愛主義者だったんですか」

「いやいやごめん、ちょっとノリで。冗談過ぎたかな」

夫にとってこの場所は初めてだったが男は何度も待ち合わせで来た事が

有りここがどんな場所かを知っていたのでワザと茶目っ気をだしてみた。

「冗談はさておきわたしは柳生ひろしと申します」

男は50代半ばくらいの年齢だろうか丁寧に挨拶されて30代の夫は恐縮

してしまうがしっかり挨拶しなければならないと彼は感じた。

「・・・・耕作と申します、よろしくお願い致します」

夫は不安で仕方ない、まずこの柳生となのる男の服装が輪をかけていた

ワークマンで買ったと思われる無地のポロシャツに作業ズボンと編み上げ

の黒い靴、安全靴のようだ。どうみても下級労働者そのものだった。

夫は証券を扱うエリート層会社員であったので労働には階級があると常日

頃から考えていた。そんな夫、今日はブランドで統一したアウトドアルック

わかる人にはわかるといったブランドなので高級感はない。

ないのだがブランド品にはノーブランド品にはない多彩な色がある。そして

独自の柄やデザイン、縫製も違うので多少目立つ。それに対し柳生の着用

する服、夫(耕作)はどこでも売ってるいちきゅっぱ(1980円)程度のパンツ

くらいしか考えていなかった、ズボンにアルファベッドでT/O/R/A/と書かれ

たのを確認できたが勤務する会社の名前くらいにしか思わなかった。

TORAとは虎壱というブランドで価格的にはジーンズのLEEやLEVISと同程度

するのだ。カーゴパンツや作業服に興味のない耕作が知らなかったのも無理

ない話なのではある。

服装の事をいろいろ考えていた耕作とは裏腹に柳生は飯喰おうという。

柳生の指さす方向にあるのはインド料理店であった。すでに階段を降りはじめ

柳生は地下広場まで行ってしまった、耕作も空腹ではあったがすぐに行きたい

暗い時間に行ったら何が起こるかわからないと考えていた。

「柳生さんすぐに行かないと向こうへ着いたら真っ暗になりますよ」

「それが?」

暗くなったら危険なのがわからないのかそれとも余裕なのか

「耕作さん、わたしゃあなた方がどのような経緯であの場所へ行ったのか、経路

は、奥さんが消えるまでの経過など何も知らない。だから食事でもしながら聞く

必要があるんですよ。それにね暗くなったほうが奴らを見えるようになるかもしれ

ないでしょ」

柳生のいうことは最もなことなので仕方なく耕作は食事することに同意した。

渋々と。

インド料理店に入ると今まで見たことがないアジアンテイストに溢れた店内に釘

づけとなった。それは棚に置かれたインドの民芸品だったりインド人女性の写真

だったりする、薄地の透けるような服はインドの民族衣装特有のものだ。

写真は大きくポスターと言ったほうがいいかもしれない。ポスターにはアラビア語

もしくはヒンズー語と思える筆記体で文字が書かれていたが二人には当然読め

ない、読めはしないがその文字が異文化の雰囲気を醸し出す。

”爽やかな風にそよぐ高原の草、そのイオンをうける女性の髪の毛それがインド”

筆者はそう解析したが事実はもっと人間味あふれる、ものかもしれない。

”インドの彼女はカレーが大好き、彼女曰く「やっぱチキンカレーだよ、ビア飲み

ながらのチキンカレーはたまらんぜ」"

まぁ耕作と柳生はそんな思考回路は持ち合わせていなかった。彼らはカレーセ

ット、ルー3種類とナンにシシカバブ、スープにサラダ、ラッシーを食べながら現地

での出来事を話しそして聞いていた。

 

つづく

この物語はフィクションであり実在の人物、団体には

一切関係ありません