わたしは以前楽天でブログを書いていたのであるがマヤとは
そのときに知り合い親しくなった。
はじめ昼間から酒飲んでるというからなんて女なのだと思って
いたのだがそれが自宅療養だとその後気づき理解した。
手術を何度もやったというので病気は癌だということを気づいた
毎日コメントのやり取りをしていると情がはいってくるもので
彼女は両親にも言えない秘密をわたしにだけ暴露してくれ
乳房切除手術前の写真もわたしにくれた。
お互い携帯電話の番号を教えあい毎日電話するようになる
彼女と話すようになってわたしはがん患者の戦いを知っていく
癌患者とは単に病魔と戦うだけではない。
癌は長期戦である。何度も手術をするには大金を必要と
する。そこでまやは両親の負担を少しでも減らそうとし
愛車を手放してしまった。
彼女にとってその愛車こそ移動手段だけの車ではなかった
会社に就職し買いたいものを我慢、食べたいものを我慢
しては貯金。免許を取ったら早く車を持ちたい筈なのに
ひたすら我慢して欲しいと思っていた車を
親の援助もなくやっと買った彼女にとって宝物のような車
新車で買って1年も経ってないのにである。
わたしと話すようになった時すでに彼女は満足に一人で
歩ける状態ではなかったらしい。
彼女が他界して後、おかぁさんから聞いたのであるが。
癌とは人の希望や夢を打ち砕き精神をボロボロにする
直るからと手術を受けそして転移、再度手術となる
車椅子生活であった彼女は自殺を考えたことが何度もあり
ドアノブに紐をかけて首を吊ろうとしたこともあったとか。
癌はそこまで人を追い詰めていく。
毎日、酒を飲んで一日を終える。何のために生きているか
わからない生活。
そして抗がん剤は苦しさを患者に与える
わたしは最後の手術となった入院中に彼女から
電話をもらった。
「いたぁいよぉおう~~~~」と泣きながら訴える彼女
だがわたしはなんと返していいか困ってしまった。
それに彼女は結婚してるものだとばかり思っていたので
自分に電話するより旦那さんに言いなさいと言ってしまった
その日から数日が過ぎて1通のメールが届いた。
”娘は永遠に旅立ちました”と
「安らかな笑顔でした、感謝します」と
彼女の死後におかぁさんは遺品をわたしに送ってくれた。
生前彼女がおかぁさんへ”もしもの時”はと頼んでいた物
その中に彼女自筆の日記が入っており
そこでわたしは彼女が27歳の独身ということをはじめて知った
なぜ嘘をついたのか?
それはマヤが車生活をする身分だったので恋愛は
諦めていたし自分でも残りの寿命を知っていたからだろう。
マヤが初任給で買い人にも自慢していたという
金のブレスレットは今わたしの部屋のテレビ台に
置かれている。