その日は寝苦しい夜だった。熱帯夜は14日続く夏の暑い夜のこと。それでもなんとか眠りに着いたのであるが
深夜突然目覚めてしまう。時計を見ると午前2時を指していた
そう丑三つ時と言われる時間帯である。
うちの傍には新幹線の高架が通り深夜新幹線の最終が
終わると騒音と共に声をあげて工事をしてるのだ。
”プシューーー” ”ゴゴゴゴ~”
また工事用の車両でも来てのかと思っていたのだが
”ピィーーーー” そうまるで蒸気機関車のような汽笛の音
わたしは以前自分が書いた「真夜中の蒸気機関車」を
思い出した。
「そんな馬鹿な、あれは作り話。実在するわけない」
そう思ったのだがさすがに外へ出て見に行くのは怖い。
”ガラガラ、、、”
鉄のドアがスライドして開けるような音もする。
深夜 音は響き小さな音も聞こえてしまう。外で何かが歩く
ような音も聞こえてきた。
”ザック ザック ザック”
線路には砂利が敷き詰められている。そこを歩いてる音
そのうちその足音はコンクリートの歩道を歩く音に変わり
足音は徐々に大きくまるでこちらに向かってくるように。
更に足音は突然とまり今度は垣根を掻き分ける音も
わたしの部屋の裏側には垣根があるのだ。
部屋の外で足音はさらに近づいてくる。必死に寝ようとしても
布団にもぐってみても耳からは足音が聞こえてしまう。
もうわたしの鼓動は小刻みに早く鳴り暑くて額からは汗が
流れていた。
足音はついに鳴り止んだ。ふとんにいても窓ガラスの外に
何者かがいるのが気配として伝わってくる。
”ガラらら~~”と窓ガラスは一気に開く。
自分でもやっとあけることが出来る重い窓ガラスが・・・・・
布団の中で震えていることしか出来ない。恐怖この一言
よくTVで心霊ドキュメントなどで霊を見ると金縛りに
なるとか言っていたが、自分はなぜか固まらない。
”金縛りになれよ、、おれ”
布団は一瞬で吹き飛ばされそこでわたしが目にしたのは
戦闘帽に古びたゴーグルそして日の丸が書かれたハチマキ
濃い緑色のパイロット用の戦闘服、腰には軍刀の男
もう一人は濃紺の女子学生の格好し頭に鉢巻しそして
髪型は三つ編みにした若い女子学生。
神風特攻隊の兵士とひめゆりの塔で死んだ女学生か、、
わたしは無言の二人に起こされて
立ちあがると二人に両腕を捕まれて同行させられた。
道路まで歩いていくと街燈はすべて消灯し暗闇で普段
1台は必ず通るトラックも走ってこない。
歩き続けても何も走ってこない道路。
新幹線のガードが見えるところまで歩いてくると
わたしに視野に写ったのは真っ黒な蒸気機関車であった。
車輪からは白い水蒸気、煙突からは真っ黒な煙をだして
わたしはふたりに抱えられ宙を飛んだ。
そうわたしが書いた小説”真夜中の蒸気機関車”と同じ
ように幽霊に連れられ機関車へ。
”なぜだ、、、冥界へ連れていかれる理由などない”
機関車の大きな車輪は見る人に恐怖を与え黒い客車は
まるで火葬場の棺おけのように見えた。
わたしが客車に乗せられると黒い扉は勝手に閉まり機関車は
大きな汽笛を鳴らす。
”ピィいいいいいいーーーー”
機関車はゆっくり走り出し車輪前方からは白い蒸気を吐く
徐々に速度をあげていく蒸気機関車。
「さらば、、、みんな。」
汽笛は鳴り機関車は走る。悲しい思いを乗せて。
さらば、地球よさらば銀河よ。
ちと銀河鉄道999の真似をしたところで話は
つづく。