ビルが立ち並ぶ都会の街並み2車線道路を挟むように広く整えられた歩道には白いタイル。車道と歩道の境界には低いつつじが生けられていた。
”かつん・こつん”と甲高い音がタイルと共鳴しあたりを響かせる
一般的な女性用のパンプスが奏でる音とはどこか違う。
その音を耳した人々は立ち止まり振り返って見る。
人々が目にした物それは長い髪の毛を靡かせ歩く女性だった。
赤く長いチャイナドレス、大きく裂けたスリットから見え隠れする
カモシカのようにスリムな足。
いやそうではない、肉付きのいい腰から足首までテーパーを作り出している足は細いだけではなく人間の女性だけに与えられた美しさを描くエロティックな白い足。
幅の狭く真っ赤なパンプスは鈍い光沢を放ち鋭くとんがったヒールは高音を出す楽器のようだ。
身体にぴったりフィットしたドレスはまる美を帯びた女性を演出
赤いチャイナドレスには白いハスの花と緑の葉
それを強調するようにピンクのスズランが光沢のある糸で
刺繍されており光で反射しドレスは輝く。
髪の毛はしなやかなこげ茶色。
と表現するには陳腐すぎる。
髪の毛一本は銅線のようにまっすぐに伸びている。
しかしただ細く硬いわけではない。ナイロンの釣り糸のように
しなやかに曲がる柔軟性を兼ね備え緩やかな風に吹かれるだけで髪の毛はばらついてしまう。
女性が頭を振ると髪の毛は元にもどり仕草を見た男たちは
虜にされていた。
裁縫糸のようにほつれない髪の毛はどこまでもまっすぐ
しかし形状記憶合金並みにもとのヘアスタイルに回復した
大量の細く真っ直ぐな髪の毛は輝き柔らかに頭を包む。
大きく開いた目瞳は緑色したガラス玉、だが光の加減で
ガラス玉がエメラルドのように輝くまるで宝石である
白目は半熟のゆで卵並みの白い輝きを放つ球体。
鼻から真っ直ぐに上にのびる線を出すが目の横から眉毛先までなだらかなカーブを描く。
ピンクがかかった唇には縦シワはなくハリがある。
まるでさくらんぼうのゼリーを思わせるその唇
やわらかそうで甘い味がする、そう連想させるのであった。
歩きながら女性が唇を半開きしため息をつくと
周囲にいたものは男女問わず心を奪われてしまう。
”なんてきれいな女性なんだろう”と人は思った。
だが、、、、
「ああ~腹減った!ホルモン喰ってホッピーのみてぇ」
そういい残し女性は走り去った。
失望という思いをあたりに残して。
どんなに見た目が美しくても中身まではそうとは限らない
人間とは面白いものである。
この物語はフィクションです(笑