「阿夫利の神様、こりゃ一体どういうことです?なんでわしらの町だけ雨が降らんのです」。
一人の男が大山雨降り神社下社まで文句を言いにきた。
大山を境に秦野市以西と神奈川東部だけは大雨が降っている
東京では連日雷雨だの記録的な大雨だのとニュースで報道
伊勢原平塚地区に住んでる住民が不満を募らせるのも無理はない。
やっと空が曇って雨が降りそうになってもなぜか雨は降らない
まるで何者かが邪魔しているかのように。
「大山の不動様、雨が降らないせいで作物は枯れ人々は暑さのせいで熱中症となり倒れました」
「幼い子供は熱でうなされ年老いたものは亡くなりました」
毎日大山の下社までお参りにきていた老婆。
夫のおじぃさんも暑さで他界してしまいもはや気力がない
「不動様、恨みます」
と涙を流しながら悔しい思いで訴えかける。
何人もの人が苦情をいいに下社まで来ていた。
だが不動明王といえども雨を降らせる力は持っていない。
雨を降らせるのはあくまで雷神の役目なのだ。
下社で何人もの罪なき善良な人々の悔し涙を見てきた不動
そこでこれ以上人々を困らせる訳はいかないと感じ
雷神の社まで様子を見に行くことにしたのだが・・・・
「雷神はおらぬか!!」
呼んでも返事がしないので社まで入ってみるとそこにいたのは
若い女が酒をくらいながら寝ていた。
雷神太鼓を背負っていたので雷神の眷族だろうが
「雷神はどうした?女」
「あんたは誰さ、偉そうにいいやがって。」
不動は女を見て怒りを覚えていた。
「わしが雨降り山主の不動明王である。貴様こそ何者だ」
「おれは雷神。。」と話す途中で後ろから倒された女。
「こ、これは不動明王様ではありませぬか」
女を倒したのは先代の雷神であった。
まだ女の雷神は修行中で先代が教えていたのである。
雷神にとって不動明王は格上の神様であり雷神を抹消する
力も備える不動は雷神にとって畏怖すべき存在だった。
まだ見習い中の雷神娘は無論知らない事。
「なんだってんだよ親方、いきなり殴るなんて・・・・・・」
「貴様、またさぼっておったな」
二人の言い争いに付き合っている暇など不動にはない
今も地上では雨が降らないおかげで苦しんでいるのだ。
一刻も早く雨を降らさなければいけない。
「雷神よ、わが山の住人たちは雨が降らないせいで困って
いる。なぜ雨を降らせないのか?」
「いますぐ雨を降らせよ!」
雷神は困ってしまう。それは
一度雨を降らせてしまうと簡単にほかの場所で雨を降らすことが出来ないのだ。
現在、大山で降る予定だった降雨量は東京で降っていた。
そう3地区分が東京で降っていたから東京は、、
「不動様、突然雨を降らせることは無理なのです」という
雷神に対し激怒した不動。
「貴様らの不手際であろう自分の始末は自分でせよ」
怒る不動はせき乱雲を呼び凄まじいイカヅチが多数発生
不動の怒りのエネルギーを受け雷神は雨を降らせる事が
可能となった。
「不動様、雨を降らせることが出来るかもしれません」
雷神は踊った!踊って太鼓を打ち鳴らすと黒い雨雲が発生
最初少量だった雨も徐々に増え豪雨となり大山を包む
雨は降った!だが時すでに遅し。
枯れた作物は元に戻らない、死んだ人間も帰ることはない
怠け者な一人の雷神により多数の被害を受けた。
不動明王の怒りは雨が降ったことで収まらなかった。
「きさまら雷神ふたり、後で沙汰を言い渡す。首を洗って待っておるがよい」
不動はすーーっと静かに消えていった。
見習い中、もしも新人に不手際が発生した場合、その教育係りも責任を負う。これは神でも人間も同じなのだ。
厳しく指導していたらもしかしたら死なずに済んだかもしれなかっただろう。不動はそれが悔しかった。
この物語はフィクションであり事実とは一切関係ありません