「こんにちわ~」
男はとあるアパートの一室の前にいた。
「おせぇ~よぉ。とりあえず入れ」
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ここの主は北村沙織という表札を掲げていた。
”相変わらず可愛げがない女。もっとこぉ。。。」
男がそう思うのも当然だろう、女は28歳だが男は39歳それなのに威圧的で命令形に話す女なのだから。
部屋に入ると女はあぐらをかき下は”おそまつくん”に出てきたデカパンおやじのようなでかいトランクスで上は白のダボシャツそれが汗で透けてノーブラがはっきりわかる。今時死語のような腹巻をしていた若い女。
「相変わらず親父ファッションしとるな、おまえ本当に女かぁ?」
「うるせぇなぁ~人のファッションにケチつけるなよ」
「それに女は腹を守らなけりゃいけないんだ」
”女の自覚はあったのか。。”
まるでテキヤのような服装してる女これがファッションと言えるのか・・・・・・
「そんなことより急用ってなんだよ」
男は電話で急用があるのですぐこいと言われここまで来たのだ
「いやぁ、暇だったんで暇なおまえを呼んでみただけだ」
・・・・・・・・・・・・
二人は一応恋人関係に近い友人関係だった。この部屋に男がくるのははじめてではなく既に5回は来ていたが
「まったく毎回みてもなんて親父くせぇ部屋なんだ。」
鶴田浩二は背を向け振り返るやくざ映画に出ていたポスターが壁を占領し横にはタイガー戦車の写真と神輿の写真
反対側の壁には大きな魚拓と日本刀の置物。
祭りと書かれた小さな提灯が多数あり赤穂浪士の太鼓も
「おまえ女なんだからもう少し女らしくしようとは思わないのか
せっかく体は女らしいいい体してるというのに」
「気持ち悪いこというな!では聞くが何のために女らしくしろと
言うんだよ?」
「女らしかったら守ってあげなきゃという気持ちになるだろ
女は守られてなんぼだぞ」
「面白いこというなぁ、おまえ俺より強かったっけ?何度お前を守ってやったと思っている。ん?どうだ」
・・・・・・・・・・・
男より女のほうがいろんなことで強かった。確かに女のいうことももっともな事。
そんな女だったがたったひとつだけ欠点いや弱点があった。
北村沙織の弱点それは・・・・・・
「そんなことよりよぉ、一緒に”仁義なき戦い”をビール飲みながら見ようぜ~。つまみも用意してあるしな」
男は嫌な予感がした過去そんなことを言われ期待していたら
自分が料理するはめになった、そんな事が何度も。
冷蔵庫を開けてみると男の予感は的中!
かしら、もつ、レバー、砂肝、タン、はつ、鳥皮が入ってるだけ
”これで焼き鳥作れというのか”
「これで俺に焼き鳥焼けと?」
「だってお前の作る焼き鳥絶品だからなぁ。よろしくな」
沙織という女は今まで料理どころか掃除洗濯もしたことがない
男が来るたびやらされていたのである。
今日もこれみよがしに洗濯物が山のように積んであった。
ランジェリーなどはなくふんどしとTシャツばかりである。
それも何日も使ったかのように黄ばんでいた。
それだけならまだいいがいたるところにインスタント食品のごみ
使いっぱなしの陶器。焼き鳥を作る前に食器洗いとゴミの片付けが必要だった。
だから沙織の家には来たくなかった男なのだ。
食器を洗い終わりゴミ選別し片付け焼きあがった串を皿に乗せ居間に戻ると
沙織の様子が変になっていた。
女の顔は紅潮し瞳は艶やか。そしてあぐらをかいていた足は女すわりに。
そう沙織という女、普段は男の性格なのだが酔いが回ってくると欲情する女に
変化してしまうのだ。これが彼女の唯一の弱点なのだ。
「はぁ~~ん体が熱くて芯がうずくわ。あなたの思い詰めたエレファントマン食べたぁい」
「あたしの満開したバラの花はいやらしく蜜をたれ流し、
その張り詰めた物を咥えたいといってるのが聞こえるかしら」
沙織は酒に酔ってしまうと本来の自分に戻るのだ。淫乱な自分を隠すために
シラフは男になりきり男として生きている。自分でも気づかず無意識に。
だが女の秘密を知っているのはこの男だけ。
目の前に容姿端麗で淫乱な女が身をよじっていたら男は放っておかないだろう
だが友達以上恋人未満の男 まら雄はなぜか手を出したことがない。
その訳は・・・
酒の飲みすぎで酒臭い、3日おきに風呂に入るので汗くさい、ホルモンと餃子で
口臭も臭いからなのだ。
「あああ~~ダーリンの唇がわたしを誘ってるわぁ」そういいながらキスをする沙織
「だれが、、ダーリンじゃ」
これは毎回のパターンである。キスをした後は。
「おえぇぇーーーー」とあまりの気持ち悪さに吐いてしまった まら雄。
そう物凄い悪臭が口と鼻から入ってきてあまりに強い刺激で目から涙も出る
キスして気が抜けたのかいつものように眠りにつく沙織。これがいつものパターン
であるので毎回交尾するには至らないのだ。
眠ってしまった沙織の可愛い寝顔を見ながら髪の毛をさすり添い寝する男だが
翌朝彼には不幸が待っている。
沙織が完全に男に戻る時間であるから。。
果たしてこの二人に幸せな未来は訪れるのだろうか・・・・・
この物語はフィクションです