前回、G妻のから車の事をけなされ深く傷つきG邸を出た佃煮で
あった。
佃煮から”無期限の延期”と宣告され半分諦めていたG夫妻。
あれから数日過ぎた新月の夜、突然G氏の携帯は鳴り響く。
誰からだろうと出てみると、
「もしもし佃煮ですがお待たせしまして申し訳ありませんでした
やっと設計図が出来上がりましたので送付いたします。それと
明日、職人さんがお宅に伺いますのでよろしくお願いします」
諦めかけていたG夫は突然の朗報に驚いてしまう。
「先日は本当に申し訳ないことを」と話すG夫に答える佃煮は
「は、なんのことですかな?わたしは1級建築士!請け負った仕事を私的なことで断っていてはプロとは言えません」
と最もな事を言ってみせたが
あるものを買うまでは深く傷つきふさぎ込んでいたのだ。
それは・・・・・・・・後に判明するだろう。
佃煮からの電話をききG夫妻は共に喜ぶ。
施工するにあたり、希望はあったが今は佃煮先生に作って貰えるのならどんな出来上がりであろうといいと考えていた夫妻。
そんなやり取りがあった日から一ヶ月が過ぎた金曜日ついに
憧れの炉端焼きが出来るキッチンが完成した。
出来栄えをみようと佃煮もG邸に来ており夫妻にキッチンを説明する。
「奥さんのご希望どうりピンク色仕立てにしてみました、さすがにレンガでは不可能だったので天然石に色を調合したモルタルで炉端を作ってみました。」
「床下をご覧ください、収納庫を新たに増設。ここに炭を」
夫妻は床下をのぞいて驚いた!そう裏側もしっかり作ってあったのだ。普通どの業界でも表面はしっかり作るが裏面は手を抜く。無駄なところに金をかけないのが企業および工場のセオリーだが佃煮は見えないところでもしっかり作るのがモットーだった。
「すごい!手を抜くとかそういうレベルの話じゃないわ!先生しっかり作りすぎですわ」
「やっぱり先生に頼んで正解!早く使ってみたいよな」
夫妻は共に完成した炉端に大満足であった。
佃煮としても顧客に満足してもらうのが一番の喜びである。
G夫妻と談笑する佃煮、そこに来客が現れた。
食材をたくさん持ってきたのはM夫妻であった。
「おいM、地ビール30本持ってきたんだろうな?」
と友人Mを佃煮は脅かしてみると
「まったく、、大きな出費したよ。でもこれで機嫌直してくれるんだろ」苦笑いするM夫。
そうMと佃煮は約束していたのだ。
G邸の祝賀会に来たければ地ビールと食材持ってくるのだと
佃煮にG氏のことを内緒にしていたMへの罰なのだ。
G氏が外へ出て今日はじめて佃煮のポルシェを見て以前のとは違う事に気がついた。
G夫は佃煮に耳打ちする。
「先生、このポルシェもしやルーフのイエローバードじゃありませんか?」
「そう、やっぱりわかってしまった?いやぁあなたの奥方の言葉で傷ついて思い切って買い換えたのですよ」
ポルシェファン以外には気づかれることはなかった。
以前と同じ930ボディ、同じカラーのボディのポルシェ911
だがG夫もポルシェ911カレラ3,8(996)に乗るポルシェファンだったので今まで違うフロントバンパーにルーフのカラードホイールそしてサイドスポイラーなどですぐにわかったのだ。
そしてG妻からセンスないと言われた会社名は
フロントフェンダーとリアにまたしてもホワイトで小さく書かれていた。
ひっそりと。
”先生あの時は・・・・・・。先生は996に乗った事ありますか”
”いやないんだよね”
”だったら一度交換してみませんか996もいいですよ”
”いいかもしれませんな”
と二人で内緒話をしてるところへ
「こら~~男ども!そんなところで何やってるのよぅ」M妻
「炉端焼きする準備が一杯あるの手伝ってよも~~」G妻
そして男達は女達の言われるままに。
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この物語はフィクションです。