もはや、誰にもこの流れを押しとどめることは出来ず、数多くの少年・少女たちまでもが、ステージ上での破壊に加わっている。すべてのものが崩れはじめ、大きな渦の中へ飲み込まれてゆく。眩い光も、轟音も、叫びも、呻きも、すべてのものがひとつの大きな渦の中へと、抗う術もなく、吸い込まれてゆこうとしている。
少年たちは、彼らの目に映るすべてのものを手当たり次第に破壊し続け、粉砕しては、憑かれたように駆けずり回る。そうした少年たちの誰もが、快感に酔いしれた表情で、その体はエクスタシーの頂点に達した後の抜け殻のようにふらふらだ。募る狂気。常軌を逸した心も、また、次々と力なく吸い寄せられるように、大きな渦の中へと飲み込まれてゆこうとしている。
あぁ、あそこに、黄色い男共から奪ったギターを滅茶苦茶に振り回し、壁や床に向け、一心不乱に叩きつけ、木っ端微塵になった後も止めようとしない少年がいる。そして、その向こうでは、大勢の少年たちが巨大な増幅装置に群がると、一瞬のうちに喰いあさるようにして、押し潰し、跡形もなく破壊し尽くそうとする姿が見える。
少年たちは、狂喜でふらふらになった体を引きずりながら、ステージ上を虚ろにうろつき回り、破壊を続ける。彼らはあらゆるものを粉砕し、彼らはあらゆるものを残骸へと変えてしまう。そして、まるで分担されているかのように、彼らとは違った少年たちが、手際よく残骸に次々と火を放ち、それを眺める少年・少女たちが、異常な頭声を発しながら飛び跳ね続ける。
そして、ふたたび、先ほどのとは違う、謎のような言葉が発せられる。
―――― こちらは 治安局です
こちらは 治安局です
いますぐ 破壊をやめなさい
いますぐ 破壊をやめなさい ――――
さらに、謎のような言葉が続く。
―――― これから = エリア豪壱 = を閉鎖します
これから = エリア豪壱 = を閉鎖します
閉鎖後 武装したセキュリティを突入させます
閉鎖後 武装したセキュリティを突入させます ――――
また、謎のような言葉は続けられる。
―――― いますぐ 破壊をやめて その場に 留まりなさい
いますぐ 破壊をやめて その場に 留まりなさい
これから 武装したセキュリティの突入があります
これから 武装したセキュリティの突入があります ――――
機械的で冷静な男の声が、場内に繰り返し流される。まるで、嘘のように、男の発する謎のような言葉が、もはや、どこにも届くはずのない、謎のような言葉だけが、空しく響き渡ってゆく。
To be continued.
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