だが 、僕には本当のところはなにも見えてはいなかった。そうだ、僕はなにも知らなかった。彼らの方法。彼らのやり口。ここに集まった大勢の少年・少女たちは待っているのだ。彼らの内部を埋めたすべてのシールドが分断され、すべての回路が閉鎖され、たまらなく、うるさく、鼓膜に響く、くだらないお喋りが聞こえなくなり、なれ合いで、欠伸を噛み殺すのに辟易している現実が除々に薄れてゆき、やがて見えなくなる。その瞬間がやって来るのをじっと待っているのだ。この場で、それが起こり、その中へ自分も入り込んでゆく、見飽きた風景に別れを告げ、大きく吸い込んだ新たな酸素で小さく膨らむ鼻孔に素晴らしい快感が走る、その一瞬がやって来ることを期待しているのだ。
彼らは、どんなにボディチェックされても見つからないように、小脳の奥深く、密かに超小型のカプセル爆弾を埋め込み、どこまでもあの黄色い男共のあとをついて行く。少年・少女たちは知っているのだ。あの黄色い男共とこのたて振れだけが、彼らの望みを叶えてくれることを・・・・。大勢の少年・少女たちが、ここ「エリア=豪壱=」に集まってくるのは、ただそれだけの理由からなのだ。
騙されてはいけない。大勢の少年・少女たちが列をなし、ここ「エリア=豪壱=」に集まってくるのは、決して何かを共有しようとしてではない。彼らがやってくるのは、「エリア=ONE=」を内部から厳重にロックし、その中でたった一人、じっと聴き続け、見つめ続けた黄色い男共の虹色に光り輝くディスクに、彼ら自身が投影したもの、それをこの場所で確認するためにやって来るのだ。
To be continued.
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