師匠佐々木の控え室(仮)

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佐々木 真の「パチスロ座学」。回胴式遊技機の物書きや編集的な仕事をさせて頂いてます。タレントではありませんが、たま〜にスカパー!にも出てみたり。

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みなさん、いかがお過ごしでしょうか。何とか酷暑の夏を乗り切れたような。あまり変わらずによく耐えていると自分で自分を褒めたくなります。


3年前に、進行性の神経難病である「多系統萎縮症」と診断されました。伏せるつもりもありませんでしたが、日本に1万人程度とそれなりに患者数もいるのに、この病気がマイナーすぎまして。根本的な治療法もなく誰にもどうしようもないので、公表することによって認知度を上げようとするつもりもないですけど。


私も診断された際に初めて知ったような病名でして、第二種特別役物に係る役物連続作動装置以上に伝わらんだろうな……と、今まで言わなかっただけです。まあ、病気はいろいろ大変だと思いますが、これほど地獄のような病気もそうそうないかと思います。


歩けなくなったり、リアルな文字を書くなど細かい動作ができなくなったり、呂律が回らず喋れなくなったり(構音障害と言います)、嚥下に支障が出るのが「脊髄小脳変性症」。その一部で、そこから主に自律神経失調とパーキンソン病の症状が加わるのが多系統萎縮症。脊髄小脳変性症(こちらも根本的な治療法はない)よりも対症薬が効きにくく、進行も早いとされています。


厚生労働省のHPによると、発症から3年で歩行介助、5年で車椅子、8年で寝たきり。平均罹患期間(要は余命)9年が相場だそうです。ドラマ『1リットルの涙』のモチーフ(こちらは脊髄小脳変性症ですけれども)、西城秀樹さんの直接の死因となったと言えば、分かる人には分かりやすいかしら。


私は1回も泣いていないですけどね。1リットルどころか1ミリリットルも涙が流れていません。泣いて病気が治るなら何回でも泣きますけど、だったらその泣く時間も勿体ないというか、少しでも維持するためのリハビリ運動に回したくて。


うん、説得力がないですよね。やはり、難病はドラマにできる美少女に限ります。しかし、オッサンでも罹るのが現実(というか、若年性のほうが珍しい)、そのオッサンも頑張っているんですよ。



診断から3年(発症はもっと前と言われています)、あまり大きな変化がないのはレアケースのようです。


ただ死を待っている感じですが、主治医の先生たちにも「佐々木さんほど、ちゃんと身体を動かしまくっている人はこの病気で見たことがない」と、褒められています。長めの階段は無理になりましたが、散歩も続けています。理学療法士さんによるリハビリも一旦卒業という形になったくらい今は元気です。


ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、それまではスポーツ観戦とライブ鑑賞が趣味でした。そのどちらも階段があって当たり前。ライブハウスに至っては、暗い&人混みで、完全に無理となりました。


と、できることは減っていますが、抗っているというか。何が普通なんだかもう感覚を忘れたというか。すべての行動は、病気の進行を少しでもくい止めることと、親との時間を増やすことに費やしています。究極に削っていくと、人にはそれしか残らないものなのかもしれません。


やはり神経難病のALSだったホーキング博士のように、身体が動かなくなっても視線入力でPCを操って……と思われそうですが、パーキンソン病系の眼振が起きるとその視線もブレブレになるので使えたとしても一時的なものです。


その日が1日でも先になるように務めるしかないですね。今の時代はスマホやPCがあって助かっていますが、進行すると手も震えるようになり意思疎通が困難になるものでして。その時に意識がどうなっているか、まったく想像もできません。個人差の大きい病気ですし。


「どの時点が死なんだろう?」とか、哲学的なことは考えまくりました。幸運なことに、末期ガンや不慮の事故による即死ではなく、長くはないでしょうが、少しの時間は残されています。で、辿り着いたのは「今を精一杯生きるしかない」ということ。元気だった時よりも、今を精一杯生きられている実感はあります。



残念ながら、治すチャンスすらありませんでした。「たられば」すらありませんでした。そんな私からすると「リハビリをやらない」とかダサすぎるのです。治るチャンスがあるのにってね。検査をサボるとかも同様。


ということで、もうちょっと頑張りたいと思います。諦めない限り、試合は続行です。みなさまにおかれましては、くれぐれもお元気にお過ごしくださいませ。