賞を取ってナンボの世界。そこでスパッと賞を取れない実力ならば、まず電通へと就職することなどできるはずはない。だから僕はまず12月23日にオンエアされるラジオCMコンテストで名前を売って、三月の宣伝会議賞でトドメを刺そうと考えた。けれど、それだけでもまだ不安なので、開催中のラジオCMの賞には片っ端から応募し、なおかつ週に一回、宣伝会議のコピーライター養成講座に通っている。
不安、その一言につきると思う。自信の過剰と喪失が、一日の間でも、交互に何回も何回も訪れるのだ。「本当に大丈夫なのか。いや今できることをやっている。だからやっていける、負けない。そうだろう、誰にも負けるはずはないのだ。いや、待てよ」といった具合に。他人の人生ならば、もっと冷静でいられるのかもしれない。けれど、僕は今崖っぷちに立っている。背中にあるのは、死、だ。冷たい死だ。放っておいたら、その緊張感だけでも、心臓が止まってしまうだろう。その恐ろしさと、戦っているのだ。それならやっぱり、勝つしかないよね。
コピーライターは、研ぎ澄まされた一行で勝負するのだ。それがなまくら刀では生きてはゆけぬ。僕はそこで、文章力の低下を恐れた。それに対するには、日々の努力、習慣でしかない。三島由紀夫は言う。「決意を持続させることができるのは、習慣という怪物だけである」と。
そして、「頑張る」ではダメだ。具体的な内容がわからなければ、それに注力はできない。踏ん張れないのだ。だから僕の三月までにこなす課題は、二月にある舞台芸術学科の学外公演に対しての脚本(これについてはまた別の機会に)、一ヶ月一二回の地方ラジオ局のコンテスト、週に三回のスポーツクラブでの水泳、週に二回の家庭教師のバイト、週に一回の宣伝会議、毎日の読書&日記、これだけだ。授業は、週に一回一コマだけ出ていて、三月に賞が当たるので、それで退学をする。ちなみに、三月以降の予定も大体だが、立てている。結構、事態は単純なのだ。
具体的なことがわかればヤル気はみなぎる。だから今日も突き進むのみ。