第一章 歪んだ少年期 四話
今回は父親(育)と父親(血)について少し触れよう
父親(血)は俺が生まれる前の頃に、兄が障害者だと知ってからは家に帰る事も減り。
挙句の果てには、会社の女性と飲みに行く様な事をしていたらしい。
だが、母親から聞かされた話でもあり、本当かどうかは今もわからない。
一つだけ間違いないのは、あの人は今の俺と似ているらしいのと、今も生きている事だけだ
そして友人の一人が母親の育児に手伝ってくれると申し出た事から
これまで父親と思っていた人は血の繋がらない父親だったのだ。
そして、父親(育)が壊れた事に関してだが、障害者の兄と普通の俺との成長の違い
仮の家族関係による周りの視線や意見に揉みくちゃにされ続け、とうとうあの人の中にある何か大事な物が壊れたのだろう。
毎晩、母親と父親(育)の殺伐とした喧嘩が続いた。
当時の俺は、性行為をしている二人を何度か見た事もあるが無垢だった為、それ程中が良いんだとしか捉えてなかった。
そんな気持ちの保育園に通う子供の目に焼き付いたのは…
怒鳴りあいながら首を絞めあう両親の殺し合いだった。
今こうして思い返すと中々受け入れがたい光景だった。
だが、喧嘩で命を奪い合う姿は当時の俺には恐怖と同時に、ある感情が沸き上がる
『喧嘩を止めないと!!!!』
時折母の愚痴に付き合う時、当時の事を良く言われる。
母親「あんたがまだこんな小っちゃかった頃に母さんの事を助けに来てくれたんだよねぇ」
正直記憶にないw
それに、子供の頃なんて無我夢中だったのだ。
今もやってくれと言われても出来るかはわからない…
だが、もし似たような事が起きたら…
母親だけでなく友達や、未来の彼女であろうと助けれる人でありたいと思う
第一章 五話に続く