「女が嘘をつくとき」
by リュドミラ・ウリツカヤ



ウリツカヤの連作短編
連作はいい
ただの短編だと借りなかったかも
しれない

タイトル「女が嘘をつくとき」
はウリツカヤの許可を得て
こうしたそうだ

原題は「貫く線」
私はこっちの方が好きかな


主人公ジェーニャが
いろんな女性の話を聞くが
彼女らの話が嘘なのである

タイトルがタイトルだけに
ん?これも嘘なのか?
と最初は
この本を読む意味はなんなんだろう
と思った

ありもしないことを
聞かされてもなぁ
と思ったが
作品自体がフィクションなので
なんとも微妙

彼女らのつく嘘は
ほとんど誰も傷つけないし
困ったことにはならない
彼女らは
自分を守るために
服を着るように嘘をつく

一番印象に残ったのは
最後の章「生きる術」
これは一番驚いたし
この章を読むために私はこの本を
読んできたのだ
と思った

ジェーニャの人間性の
美しさに惹かれる作品だった

2012. 5初版発行

ウリツカヤといえば

とか

子供時代

とか