初デート後、ショウさんからは毎日メールがあった。
とくに用事もないのにメールがあった。
くだならないことでメールがあった。
わたしのこと、好きなんだなきっと とか思っちゃうじゃんね。
あ、でも正直 ショウさんが読めなかった。
バンドのフロントマンで、 ボーカルで、
女の子から 逆ナンもされるって言ってるし、
自分はそこそこかっこいいって思ってるっぽいし。
恋愛経験値の無いわたしが 「このひと、わたしに惚れてるわ」
なんて断言できるはずなかったの。
わたしは自信ないしさ。
だっていままでまともに付き合ったひとなんていなかったんだもん。
それでも わたしとショウさんと距離は
少しずつ縮まっていったんだよね。
初デートから1ヵ月後は
「今週末は何してんの?」
「じゃぁ、ちょっと会おうよ」
って話にもなって。
わたしはけっこう忙しかったけど
スタジオ練習終った後に ショウさんと
ごはん食べにいった。
おすすめの店があるっていうから
着いていったら
ここってカップルで来るようなところっすよねぇ
っていう
暗くて、個室っぽくて、ムディーで、まったりできる
あやしげな店。
ちょっと離れて座るわたし。
でもショウさんも近寄ってきたりとかしないし、
いつもどうりの 音楽やらバンドの話なんかして
お会計も割り勘だし、
ただのお友達って雰囲気が流れ続けた。
だからってべつにそのバンドやら音楽話が盛り上がってるわけでも
なく、たまに沈黙で・・
ビミョウ。。。
わたしは
スタジオで汗もかいたし、はやく帰ってお風呂入りたいな~
なんて思って。
「あ、もう9時半だね! そろそろ帰る?」
と解散を促す。
「そうだね・・・・・・。」
とか言いつつも 立ち上がろうとしない。
こっちはバッグとか持って帰る準備バッチシだっちゅーのにっ
で、別の話題を振ってくる。
その話題でちょっと話をしては また沈黙。
「10時になっちゃったよ。」
「うん。 ・・・・。」
なにっ 反応悪っ
そして別の話題。
この人、立ち上がろうとしない。
あぁ、帰りたくないのか。
でもさすがに シュウさんも終電は逃したくないしね。
しばらくしたら
「じゃぁ そろそろ行こうか。」 って。
わたしは車で、
シュウさんは電車。
車まで送ってくれるシュウさん。
なんか・・・
もうちょっといっしょにいたい って思ってしまう わたし。
どうした!硬派なわたしっ
早く帰りたかったんじゃないのか!
わたし「駅まで送るよー」
ショウ「いや、いい。 歩くし。」
わたし「・・・・。いやなの?」
ショウ「ううん。 じゃぁ乗せてもらう。」
ちょっと
ドキドキしちゃったりして。
車の助手席にショウさんが乗るとか・・・。
でも駅までほんの数分。
さっきまでの ドキドキしたかんじはなくなって
また色気もないたわいもない話をして
あっというまに駅到着。
わたし「じゃ、またね。」
あれ? ショウさん、車から降りねぇ・・・
なんだこの沈黙。
わたし「・・・。 あ、こんどさ、 蛍、楽しみだね。
晴れるといいね~。」
ショウ「そうそう、ホタルってさぁ雨だと 光らないんだよー」
数週間後に ホタルを見に行こうって話になってるんだ。
ショウさんが ホタル見たいって訴えてくるから。
じゃぁ行こうかって流れになってるの。
しばらく、蛍の話なんかをする。
まだ 車から降りようとしないショウさん・・・。
わたし、ギア ドライブに入れっぱなし。
足でフットブレーキ踏みっぱなし。
ここで、ギアをPに。ハンドブレーキも引く。
ショウ「あ、ブレーキ踏みっぱなしだったの?」
わたし「うん。」
で、まだ降りない・・・。
ちょっと。ショウさんも明日仕事でしょ?
ってか、終電いっちゃうよー
「じゃ。 そろそろ行くわ。」
ショウさんは 腕をわたしの肩に伸ばしてきて
「おやすみのハグ・・・」って。
ギューって。
けっこう 長い・・・。
ショウさんが車から降りても
わたしはドキドキしてた。
帰ってから ショウさんからメールからあった。
「マーカちゃんが帰りたそうなのは分かってたけど
もうちょっといっしょにいたかったから気づかないふりしてた。
ありがとう。」
もう。
ショウさん。
わたしの頭の中はショウさんでいっぱいになっちゃう。