「ウィキッド 永遠の約束」
“WICKED: FOR GOOD”(2025/アメリカ/東宝東和)
監督:ジョン・M・チュウ
原作:グレゴリー・マグワイア
脚本:ウィニー・ホルツマン デイナ・フォックス
シンシア・エリヴォ アリアナ・グランデ ポーウェイ・ヤン
ジョナサン・ベイリー イーサン・スレーター
ジェフ・ゴールドブラム ミシェル・ヨー
おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆
入場特典でなぜかオリーブオイル。
ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン5
「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」
“AVATAR: FIRE AND ASH”(2025/ウォルト・ディズニー・ジャパン)
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン
リック・ジャッファ アマンダ・シルヴァー
サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ
シガーニー・ウィーヴァー スティーヴン・ラング
ワーナ・チャップリン ケイト・ウィンスレット
おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★★
公開前からずっと気にはなっていたけれど、年末年始の時期にタイミングを逸し、何しろ長尺ということもあり体調も考慮しつつゆったり観られるタイムテーブルをチェックしていたら字幕版が終わってしまった。
そうこうしているうちに最寄りのシネコンでは上映そのものが終了してしまい、やはり吹替版は避けたかったのでもういいかと断念しかけていたら、このタイミングで昼またぎのタイムテーブルが出てきたので思い切って…。
まあ結果オーライでした。
吹替版で観たことで映像に集中できたこともあるし、ストーリー的にも思っていたよりわかりやすい構成だったのもよかった。
「アバター」シリーズは1も2も観ているものの、初3D体験の1は途中で寝落ちしたし、2は何とか楽しめたもののキャラクター設定やそもそもの世界観がいまいちつかめないまま。
そして3作目「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」は先に地上波でオンエアされた前作をざっくり観られたことでスムーズに入っていけたのかな。
それと本作は3作目というよりも前作「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」の後編という位置づけだったのもすんなり世界観を共有できた理由かもしれない。
一旦整理するとわかりやすくなった。
ベースは地球に似た衛星パンドラへ入植しようとする人類が侵略者であり、原住民のナヴィたちがそれに抗うという構図。
その手段としてナヴィのアバターとして現地へ赴いた元海兵隊員のジェイクだが、森の民であるオマティカヤ族の娘ネイティリと出会いをきっかけにナヴィとしての生き方に共感し、人間としてではなくナヴィとして生きていくことを選択する。
裏切り者として追われる立場になったジェイクはネイティリと結ばれ家庭を持ち、オマティカヤ族のサリー家としての生活が始まる。
この辺まで押さえておけばあとは何とかなる…自分は何とかなった。
オマティカヤ族の森の民がサリー家で、ジェイク・ネイティリ・ロアク・トゥク・キリ・スパイダーが一つの家族となっている。
そして前作でジェイクたちがたどり着いたメトカイナ族の海の民であるトノワリとその家族もかかわり、ジェイクたちの新しい生活が始まっている。
ここからが本作で、さらに火山の民であるアッシュ族の女性リーダーであるヴァランが登場し、ジェイクを追う元上官のクオリッチがアッシュ族と共闘したことで、ついに人類と先住民ナヴィとの全面対決になっていく。
さらにアバター計画を進めていた博士のアバターから生まれたクローンのキリ、クオリッチの子供でもあるスパイダー、この二人がキーパーソンとなっていくことで、人類とナヴィ双方の思いが錯綜していく。
後半では独自の言語と知能を有する海洋生物トゥルクンをめぐる攻防がメインとなり、様々なクリーチャーも巻き込んで海洋アドベンチャーのようなスケールのバトルシーンが描かれていく。
「アベンジャーズ」シリーズもそうだったけれど、最後は圧倒的な物量作戦でねじ伏せてしまうので、いろんな矛盾や疑問点もどうでもよくなる。
終わってみたら家族の再生の物語だということで、ラストシーンも含めてひとまず第一章完結というところか。
シリーズとしては5作まで決まっているそうだけど、年齢的にも果たしてジェームズ・キャメロンがそこまでかかわっていけるのか不安はある。
いずれにしても大スクリーンで観るべき映画を撮らせたらやっぱり彼の右に出るものはないと思うし、長尺でも最後まで見せ切ってしまう演出力もまだまだ衰えていないようだ。
MOVIX伊勢崎 シアター10
「ほどなく、お別れです」(2026/東宝)
監督:三木孝浩
原作:長月章仁
脚本:本田隆朗
浜辺美波 目黒連 森田望智 古川琴音 北村匠海 志田未来
渡邊圭祐 新木優子 野波麻帆 西垣匠 久保史緒里
原田泰造 光石研 鈴木浩介 永作博美 夏木マリ
おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★☆☆
浜辺美波主演の感動作ということで楽しみにしていた作品。
就職活動で連敗中の女子大生清水美空はあるきっかけで葬儀会社の坂東会館にインターンシップで入社することになる。
実は彼女には死者が見えるという特殊能力があり、その能力を見抜いた葬祭プランナーの漆原礼二にスカウトされたのだ。
葬儀は故人と残された遺族の心に寄りそうことが基本だという漆原のプロフェッショナルな姿勢だが、死者が見える…死者の声が聞ける…そんな美空の能力を通じてさらに故人の思いに寄りそうことの大切さを実感していく。
作品では妻が妊婦のまま死んだ夫婦と幼くして逝ってしまったわが子と残された両親、さらに母の急死に困惑する兄妹と離別した父親という二人が向き合う三組の遺族の葬儀、さらに漆原が葬祭プランナーを目指すきっかけにもなった妻の死そして美空の祖母の死という5つのエピソードで描かれていく。
んーどうなんだろ?すべてが浅いというか、何のひねりも感じないというか、予定調和の中でそれぞれの物語が完結してしまう。
それぞれのエピソードがどこかで接点なり共通のテーマなりがあればいいのだけれどそういうわけでもない。
とにかくすべてのエピソードが優しすぎるというか、もう少しドラマがあってもいいような気がする。
基本はファンタジーなのだけれど、そのファンタジー色も現実とのかかわりの中で生きてくると思うのだが、やたら亡くなった人のアップが多用されることもあって、現実とファンタジーの狭間に思いを馳せようにも現実の肉体としての死が勝ってしまう。
そもそも美空をスカウトする葬祭プランナーの漆原という人間がよくわからないし、確かに遺族や故人へのプロフェッショナルな対応は見事なのだけれど、そこをやたらエンターテインメントとして描きすぎているきらいがある。
久しぶりに感動系のストーリーに戻ってきた浜辺美波の安定感でなんとかついていけたけれど。残念ながら漆原のキャラが最後まで魅力的には映らずもったいない。
各エピソードのキャストには古川琴音と北村拓海、志田未来と渡邊圭祐、野波麻帆・西垣匠・久保史緒里・原田泰造の家族など、さすが東宝のメジャー作品らしい豪華な顔ぶれ。
それぞれのエピソードに何かしら思い入れがある人は感情移入してしまうだろうし、確かに近くの席の女性客は最後まで涙で鼻をすする様子も見られた。
でも、それだけじゃあ泣けない。
もちろん別に泣きに来ているつもりはないけれど、意図せずに涙腺が刺激されてしまう作品もある…「いぬのえいが」の『ねえマリモ』のエピソードなど犬を飼ったことのない自分でも涙が止まらなかった。
結局、この作品の肝は最初に美空の能力がストレートに明示されてしまうことでどこまで故人の思いに寄り添えるかなんだろうけれど、もう少しファンタジーとして昇華させるすべはあった気もする。
監督は数々の感動作を送り出している三木孝浩。
きっと三木監督ならではの優しい目線が結果的にあだになったのかもしれない。
人の死ってそんな簡単に感動したり泣いたりするものでもないと思うし、万人の思いに寄り添うことは無理だとしても、どこかで泣かせようという意図が垣間見えてしまったのは残念。
あとは遺族と故人に寄り添うという流れはいいとしてあの霧ヶ峰の件はどうなんだろう?
さすがにあそこまでやるのは費用面でも葬祭プランナーの裁量としても難しいのではないか。
原作を読んでいないので何とも言えないがきわめて実写化が難しい作品だったのかもしれない。
美空の祖母を演じた夏木マリがどうにも彼女に見えなくて難儀したが、エンドロールでやはり夏木マリだということを確認して驚いた。
浜辺美波の表情の豊かさとスクリーン映えする美しさは今回も素晴らしく、相変わらず耳障りのいい声の立ち上がりとともに安心感があるし、彼女の最大の武器でもある声の訴求力が今回も際立っている。
一方の目黒連はハリウッドの「SHOGUN 将軍」の新シリーズにキャスティングされて渡米中で話題も、演技の幅という意味ではライバルグループの松村北斗とはだいぶ差があるように思う。
今回も抑制のきいたといえば聞こえがいいが、役柄とはいえ最後まで感情の起伏をあまり感じられない演技が気になった。
週末の夜のシネコンは女性客が多くを占めていたが、目黒連目当てだったのは明らかで、彼女たちはその演技をどう見たのかちょっと聞いてみたい。
三木孝浩は好きな監督なのだが、仕事で疲れていたこともあってか後半は少し集中力がとびれがちになってしまったが、すでに来月公開で待機中の次回作「君が最後に遺した歌」で本来のラブストーリーに戻るようなので期待したい。
ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン4