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2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」が3月28日で最終回を迎えました。

 

いわゆる朝ドラの視聴を何とかオンエアに追いついて見届けたのは2023年前期の「らんまん」以来5作品ぶりらしいです。

 

話題になった作品では映画化も決まった「虎に翼」は全話録画してあるものの、後追いでまとめてチェックしながら途中で頓挫しています。

 

同様に前作「あんぱん」も楽しみにしていて、スピンオフ作品も含めて全話録画済みも残念ながらまだ始まっていません。

 

朝ドラ通算113作目の「ばけばけ」は『怪談』で知られる作家ラフカディオ・ハーン≪小泉八雲≫をモデルに、彼が日本で過ごした日々を日本人の妻の目線で描いていくストーリー。

 

ラフカディオ・ハーンのモデルとなるレフカダ・ヘブンをトミー・バストウ、その妻となる士族の娘松野トキを高石あかりが演じ、ハーンが初めて来日した島根県松江を舞台にした一つの家族の物語が紡がれていった。

 

 

NHK朝の連続テレビ小説について振り返ると記憶に残っている範囲だと最初に観たのは第12作「藍より青く」(1972)ではないかと思う。

 

ただし全編を観たということではなく、夏休みなど学校の長期休み期間や当時は月~土で本編がオンエアされていたので土曜日の昼の再放送などを観ていたのだろう。

 

その後作品のイメージが強く刻まれたのは第14作「鳩子の海」(1974)で、ヒロイン鳩子の幼少期を演じて話題になった子役の斉藤こずえが歌う「日本よ日本」のメロディとともに脳裏に焼きついている。

 

朝ドラはこの翌年の1975年から現在につながる前後期の2作編成となり、以降の作品はタイトルとヒロイン役が連動する形で記憶に残っている。

 

最終的に56作目となる「あぐり」(1997年前期)まではそれなりに作品をチェックしていたことは間違いないが、その次の「甘辛しゃん」(1997年後期)以降は生活パターンの変化もあってか、ほぼノーチェックの作品が多くなり、何となく覚えているのは第60作「すずらん」(1999年前期)と第62作「私の青空」(2000年前期)そして第80作「つばさ」(2009年前期)くらい。

なお「つばさ」に関してはファンである多部未華子主演ということで全話録画で対応した。

 

そんな朝ドラ視聴習慣が変わったのはやはり放送時間が15分前倒しになった第82作「ゲゲゲの女房」(2010年前期)だ。

ここから「らんまん」まで途中第99作「まんぷく」(2018年後期)を除く26作はすべて録画対応含めてチェックしていたはず。

 

しかし「らんまん」以降は、第109作「ブギウギ」(202年後期)を途中で挫折、前述のとおり今回の「ばけばけ」以前の4作品を頓挫している。

 

こうして長い朝ドラの歴史を振り返っているとその作品ごとのイメージだけでなく、ヒロインを演じてきたその時代時代の若手女優さんたちの姿がくっきり浮かび上がってくる。

 

それだけ毎日の習慣としてドラマを観るということで、作品のイメージがしっかり記憶に焼きつけられるのだというのがわかる。

 

さて、今回の「ばけばけ」で描かれたラフカディオ・ハーンとその時代については、また別の意味でとても印象に残っている出来事がある。

 

ちょうど中学生の頃だったと思いますが、初めてラフカディオ・ハーンについて知るきっかけになったのが書店で手にした「怪談」の文庫本だったのです。

 

当時はほとんど読書習慣もなくて、小学校時代に学校の図書館で借りた江戸川乱歩の少年探偵団シリーズの児童書版を読んでいた程度でした。

 

そんな時期に今に続くアイドル好きの原点となる当時アイドル歌手だった片平なぎさのファンとなり、彼女が初出演した映画「青い山脈」(1975)をきっかけにその原作である石坂洋次郎の文庫本を読むことになります。

 

当時、石坂洋次郎原作の青春小説の多くが人気アイドルや若手女優をヒロイン役に配して映画化されていたこともあって、それからも映画化作品を中心に「若い人」(桜田淳子)「あいつと私」「陽のあたる坂道」(ともに檀ふみ)「風と樹と空と」(吉永小百合)といった文庫本を手に取って読みました。

 

そんな時期に書店の文庫本の棚を何となく見て回っているときに目についたのが「怪談」というタイトルの一冊でした。

同時にタイトルだけで興味を持ったのが「肉体の悪魔」という一冊。

 

「怪談」はラフカディオ・ハーンこと小泉八雲を知るきっかけになったし、同書に収録されている短編の「耳なし芳一」や「雪女」といった良く知られるエピソードはドキドキしながら読んだ記憶があります。

 

一方「肉体の悪魔」はもちろん悪魔を描いた怪奇小説ではなく、フランスの作家ラディゲの恋愛小説であり、この一冊はそのまま書棚で眠ることになりました。

 

 

ちなみに「肉体の悪魔」はフランスで映画化されていて、改めて調べたら日本でも日活ロマンポルノの一作としてのちに映画化されたようです…ロマンポルノの名匠西村昭五郎監督作品。

 

そんな少年時代の少し苦い思い出もありつつ、それ以降のメディアとのかかわりの中でラフカディオ・ハーンは常に意識する名前になっていきました。

 

さらに「怪談」に収録の「耳なし芳一」については、のちに安倍なつみが出演した宮本亜門の舞台「耳なし芳一」を観劇することにもなりましたし、あの時も不思議な縁を感じたものです。

 

 

 

また数年前に山陰を旅した時にも今回の朝ドラでも描かれた松江の小泉八雲旧宅を訪れたし、その後熊本に行った時にも偶然近くに小泉八雲旧宅があって足を運んだのも偶然ではなかったのかもしれません。

 

さて朝ドラは新シリーズの「風、薫る」がスタートしています。

主演は見上愛と上坂樹里のダブルヒロインで今のところ視聴は追いついています。

 

他にも多部未華子や生田絵梨花など好きな女優さんたちがキャスティングされているので、この先も何とか最後まで見届けられたらと思います。

 

そうか、最終回の頃には秋なんだ…その頃の自分がどういう日常を送っているのか今は想像もできなかったりします。

 

「ザ・ブライド!」

 “THE BRIDE!”(2026/アメリカ/東和ピクチャーズ≒東宝)

 

 監督:マギー・ギレンホール

 脚本:マギー・ギレンホール

 

 ジェシー・バックリー クリスチャン・ベイル

 ピーター・サースガード アネット・ベニング

 ジェイク・ギレンホール ペネロペ・クルス

 

 おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★★★★☆

 

 

予告編でフランケンシュタインの映画だったよな?程度の前情報で仕事終わりの駆け込みで鑑賞。

 

先のアカデミー賞でも話題になった昨年公開のギレルモ・デル・トロ監督の「フランケンシュタイン」をぎりぎりで見逃した後悔もあったかも。

 

いやー久しぶりに痺れたねー。

なんだろう、多くのレビューでも見られるとおり、かなりとっ散らかっているし、最初で置いていかれると最後までついていくのは厳しいと思う。

 

そういう意味ではかなり観る人を選ぶというか、ある程度こだわりをもって映画を観ている人でないと「なんだこれ?」で終わっちゃいそう。

 

個人的にはまず「俺たちに明日はない」みたいだなと思った。

シカゴからニューヨークへと流れていく二人の道行きはまさしくボニー&クライドそのもの。

 

「俺たちに明日はない」では若い二人が破滅的なラストに向って疾走していくのだけれど、本作の二人の逃亡の顛末も誰もが予想する展開なれど、フランケンシュタインならではのラストシーンでニヤリとさせられる。

 

時代背景は1930年代のアメリカ。

冒頭登場するのは小説『フランケンシュタイン』の作者であるメアリー・シェリー。

闇の中で彼女の亡霊というか思念が語るのはアイダという女性の物語。

 

ひとつの体に二人の心をもつアイダ、そのもう一人の人格が発する言葉を借りて小説に込めた人間の二面性を語り始めるメアリー・シェリー。

 

酒に酔ったアイダの心をノックしたメアリー・シェリーに覚醒されたもう一人の人格がそこに集った男たちの裏の顔や悪事の数々を暴露、ついにはマフィアのボスの逆鱗に触れ、階段から突き落とされて絶命する。

 

詳しくは知らないけれどメアリー・シェリー自身が実際に抱いていたジェンダー論があって、当時の男性社会の中で当たり前のような性暴力に苛まれていた女性たちが蜂起していくあたりは、女性監督ならではの現代社会へのメッセージなんだろうな。

 

小説が書かれた1800年代に誕生したフランケンシュタインはその後も100年以上生き続けていたという導入部が面白い。

 

フランキー(フランケンシュタイン)は高名な研究者ユーフォロニウス博士を訪ねてくる。

自分と同じ化け物の花嫁を作ってほしいと懇願するフランキーのぶっ飛んだ要求を受け入れた博士は、二人で墓を掘り起こし一人の女性の死体を研究室に運び込む。

その死体こそアイダだった。

 

ユーフォロニウス博士によって蘇生したアイダはフランキーとともに夜の街へ繰り出し、その結果男たちの標的となったところをフランキーに救われるが、怒りに任せて男たちを惨殺してしまったために二人は警察から追われることになる。

 

二人の逃避行はシカゴからニューヨークへ、物語は一気にロードムービーのようになっていく。

 

事件を追うのは刑事とその助手の男女ペア。

その助手を演じるのがペネロペ・クルスで久しぶりすぎて「あれ?ペネロペ・クルス?」と思ったりしたが、圧倒的なコケティッシュなビジュアルも相まってそのたたずまいがめちゃかっこいい。

 

フランキーが逃亡中に落とした新聞記事から彼が銀幕スターの

ロニー・リードのファンであると察した彼女が、その立ち寄り先のロニー・リードの映画の上映館を張るというのがいい。

 

そのロニー・リード主演映画が何度かスクリーンに登場するが、演じるのは、監督マギー・ギレンホールの弟でもあるジェイク・ギレンホール。

 

モノクロの映像は「アーティスト」を思い出すが、ロニー・リードのキャラクターはフレッド・アステアとかもオーヴァーラップする。

 

フランキーとアイダの逃避行はまんま「俺たちに明日はない」だったり、その愛と暴力性はあのジョーカーとハーレイ・クインを思い出すし、終盤に登場するドライブインシアターも含めて過去の映画のいろいろなシーンを思い浮かべるはず。

 

作風としてはゴシックホラーの要素をもあり、ラブサスペンス&スリラーでもあり、ある意味でファンタジーだったり、導入部は怪異譚だし、ロニー・リードの場面はもちろんミュージカル。

 

ヒロインといっていいのかまさしくタイトル通り主人公のザ・ブライド(アイダ)を演じたジェシー・バックリーの圧倒的な演技が作品の全編を支配しているのがすごい。

 

日本ではこのあと公開される「ハムネット」でアカデミー賞主演女優賞に輝いた彼女に関してはスクリーンではたぶん初見だと思う。

 

エマ・ストーンが「哀れなるものたち」で演じたベラも強烈なインパクトだったけれど、ジェシー・バックリーが演じたアイダはその異質なビジュアルよりも演技そのものが素晴らしかった。

 

スクリーンに映るだけでその空気感を支配してしまうということではペネロペ・クルスもかっこよかったし、前半に登場するユーフォロニウス博士のアネット・ベニングも引き込まれた。

 

総じて女優たちの存在感が秀逸だったのはやはり女性監督ならではだと思うけれど、作品の根底にあるジェンダー論を考えるとまだまだ日本は遅れていると実感せざるを得ない。

 

もちろんフランケンシュタインを演じたクリスチャン・ベイルも怪異というより次第に垣間見せるキュートな部分が面白かったし、ペネロペ・クルスにしてやられるピーター・サースガードの刑事もいい味わいがあった。

 

しかし口封じのために殺した女性たちの舌を瓶詰にしているマフィアのボスの悪趣味たるや…一方のアイダも…いやはやそこはまさにホラーだった。

 

"脳天直撃” “ノックノック” いくつかのキーワードが鮮烈に残ったが、メアリー・シェリーに憑依されたアイダが語るたくさんの言葉の数々を整理するだけでも膨大な時間が必要だと思う。

 

けして楽しい映画じゃないし、もう一度観たいかといえばそれも疲れそう。

ただひとつだけ救いがあるとすれば。一見狂気に満ちた作品であるにもかかわらず、エログロバイオレンスには一線を画していていたこととただのホラー映画にはしなかったこと。

 

中途半端と言われればそれまでだけれど、いろんな映画のパターンを内包したフルコースを楽しめたと思えば悪くない。

 

 ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン6

 

「木挽町のあだ討ち」(2026/東映)

 

 監督:源孝志

 原作:永井紗耶子

 脚本:源孝志

 

 柄本佑 長尾謙壮 瀬戸康史 滝藤賢一 山口馬木也

 正名僕蔵 石橋蓮司 沢口靖子 北村一輝 渡辺謙

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★★

 

 

予告編で外連味たっぷりの映像と魅力的なキャストに興味をもっていたもののあっという間に上映回数が一回となり、作品の客層もあってか気づいたら朝一回のモーニングショーのみになってしまった。

 

地元のシネコンとはいえ週末にいつもの出勤時間と変わらぬ時間に足を運ぶのは躊躇していたけれど、春休みの話題作もラインナップされる中でいよいよ上映終了も見えてきたので思い切って早起きして久しぶりに朝一の上映回へ。

 

結果として大正解だった。

久々に観た時代劇エンターテインメントだったし、豪華なキャストも含めてエンドロールまで飽きずに楽しむことができた。

 

文化七年(1810)一月十六日、江戸・木挽町の芝居小屋「森田座」では歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』が千穐楽を迎えていた。

 

大盛況で幕を閉じた部隊の直後、森田座の裏で美濃遠山藩士伊納菊之助による仇討ちが行われた。

仇討ちの相手は菊之助の父清左衛門を殺害し逃亡していた博徒の作兵衛で、菊之助は討ち取った作兵衛の首を番所に届け出て仇討ちが成就する。

 

一年半後、遠山藩の浪人加瀬総一郎が森田座にやってきて、木挽町の仇討ちとして語り継がれることになるこの事件の関係者を調べ始める。

 

菊之助をよく知る加瀬はこの仇討ちの結末に疑問を抱いていて、その真相を探る中で事件の裏に隠されたある事実に迫っていく。

 

ジャンルとしては江戸を舞台にしたミステリーといった趣で、主人公となる元藩士の浪人加瀬と一緒に事件の真相を推理するというシンプルな楽しみ方に徹して楽しめた。

 

各キャストが演じるキャラクターがまさに適材適所という感じで、最初のうちは森田座の面々のうさん臭さとひょうひょうとした加瀬の対比がいい意味でミスリードになっていたし、原作を知らないままだったこともよかったらしい。

 

最初はみな怪しいと思えた渡辺謙以下の森田座の人たちの真実を知る中で、こちらも久しぶりに悪役然として登場する石橋蓮司もよかった。

 

思えば仇討ちの定番である仮名手本忠臣蔵の舞台で始まり、遠山藩の仇討ちを経て、再び最初のシーンに戻ってネタバレという構成は「カメラを止めるな」を思い出した。

 

森田座の面々を演じた瀬戸康史・滝藤賢一・高橋和也・正名僕蔵はまさにはまり役で、菊之助役のなにわ男子の長尾君の女形風の佇まいも悪くない。

 

時代劇エンターテインメントという部分でリンクする「侍タイムスリッパー」の主演だった山口馬木也が清右衛門を演じ、他に富家ノリマサも登場するのも面白い。

 

後半の沢口靖子の登場は少し違和感を感じたけれど、そういえば時代ものであまり見ることがなかったせいか。

 

エンドロールで流れる椎名林檎のテーマ曲もいいアクセントになっていた大人が楽しむ映画というテイストが心地よかった。

 

朝一の上映回のためか、シネコンで一般上映の最大スクリーンでの鑑賞になったこともうれしかった。

 

 ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン7