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MCNP-media cross network premium/RENSA

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出会いの連鎖-RENSA-を求めて。

メディアの旅人はあなたです。

「プレデター:バッドランド」

 “PREDATOR: BADLANDS”

  (2025/アメリカ/ウォルト・ディズニー・ジャパン)

 

 監督:ダン・トラクテンバーグ

 脚本:パトリック・アイソン ブライアン・ダフィールド

 

 エル・ファニング

 ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆

 

 
一応「プレデター」は最初からスクリーンで観ているし、たぶんAVP二部作まではオンタイムで観ているはずだけれど、そのあとのリブート路線はスルーしちゃったかも?というか記憶が定かではない。
 
改めて某所でシリーズを検索したらなぜか「プレデター」が出てこなくて、「シュワルツェネッガー/プレデター」ってタイトルになっていたんですね。
 
第1作の監督はジョン・マクティアナン、この作品で注目されて「ダイ・ハード」「レッド・オクトーバーを追え!」と話題作でブレイクを果たした。
 
その「プレデター」は1987年公開だから38年前か…久しぶりの新作の予告編を観て気になって、なんか評判もよさそうだし、スカッとするハリウッド映画もそろそろ観たいし。
 
それにしても観ているといろんな作品が思い浮かぶんですね、これ。
 
全体的な雰囲気は「猿の惑星」とか「砂の惑星」とか、言われてみれば「スター・ウォーズ」の世界観だったり、なぜか途中からスタローンの「ランボー」を思い出したり、直近では「星つなぎのエリオ」とか…。
 
そういういろんな作品へのオマージュがベースにあるんでしょうね、きっと。
 
それだけ歴史のあるシリーズの最新作にして、まさかの新章突入というか、完全にプレデター主役のアクションアドベンチャー作品になっていた。
 
プレデターことヤウージャ族の若き戦士デクは、その弱さゆえに一族の王である父親から処刑を命じられる。
しかし兄クウェイの機転により命を救われるが、その代わりに父の怒りを買ったクウェイが目の前で殺されてしまう。
 
直後勇者の証としてゲンナ星にいるという不死身の怪物カリスクを捕まえてくる使命を科せられたテグを乗せた宇宙船が飛び立っていく。
 
20世紀フォックスのお馴染みのクレジットから始まり、食物連鎖を想起させる捕食の映像に続くオープニングがいい。
 
このゲンナ星こそがすべての生命が捕食によってのみ成立しているバッドランドで、不時着したデクは迷い込んだジャングルで蔦のような生物に襲われる。
 
その様子を見て「ウルトラマン」の怪獣島(多々良島)で科特隊員を襲ったスフランを思い出してしまう世代。
 
そこで下半身を失った感受性をもつアンドロイドのティアと出会い、さらにデクになつく小動物のバドも加わって、バッドランドでカリスクを探すアドベンチャーが始まる。
 
地球のウェイランド・ユタニ社(「エイリアン」シリーズから継続)が生物標本捕獲のために送り込んだアンドロイドによる調査隊はカリスクに襲われ、ティアはその時に下半身を失っていて、ティアと同型のテッサが司令塔として調査隊に残っている。
 
カリスクに襲われた場所で下半身を発見したティアは残された設備を使って結合を試みるが、デクを捕獲するためにテッサたちが強襲してデクとともに囚われてしまう。
 
感情をもって行動するティアと自らの使命に徹するテッサの2役をエル・ファニングが演じる。
 
一人戦うヒロインの登場は嬉しいし、それが子役時代から活躍しているエル・ファニングというのも一映画ファンとしても感慨深い。
 
そもそもテグの造形含めて事実上人間は一切出てこない設定なので、唯一人間らしいキャラクターとしてそのビジュアルが際立ってくる。
 
下半身のないティアをまるでおんぶ紐のようにして背負って移動するデクとのやり取りもちょっとした漫才のように楽しいし、残忍で寡黙のはずのプレデターが、ティアの翻訳機能を通してヤウージャ語で饒舌になっていくのも面白い。
 
ティアの協力でテッサのもとから逃れたデクが惑星に生息する刃物のような葉などで自力で武器を作っていく様子はまさに「ランボー」の逆襲シーンとオーバーラップする。
 
ユタニ社の施設に乗り込んでいくテグと上半身と下半身で別々に戦うティアのアクションシーンもあるし、テッサが最後に二足歩行式のパワーローダーで応戦するのはまさに「エイリアン2」のリプリーそのもの。
 
最後に愛すべきキャラクターであるバドの本性が明らかになるのだけれど「星つなぎのエリオ」を思い出してしまった。
 
最新のSFアクション映画なのに過去の作品へのオマージュがあちこちに散りばめられていて、ラストシーンはまさかの続く…を予感させてるのも意外だった。
 
今年は「ジュラシックワールド」シリーズが新章に突入したけれど、どうやら「プレデター」シリーズも新しいファン層の開拓に成功したのかもしれない。
 
こういう映画はあれこれつっこんだり、無駄に揚げ足をとらずに最後まで楽しんだもの勝ちだなと改めて実感。
 

 MOVIX伊勢崎 シアター9

 

「平場の月」(2025/東宝)

 

 監督:土井裕泰

 原作:朝倉かすみ

 脚本:向井康介

 

 堺雅人 井川遥 坂元愛登 一色香澄 中村ゆり でんでん

 暗悠貴 吉瀬美智子 宇野祥平 成田凌 塩見三省 大森南朋

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★★

 

 
冒頭。自転車に乗った堺雅人が鼻歌を口ずさんでいる。
 
あ!知ってる!薬師丸ひろ子!
 
でも、なぜかタイトルが思い浮かばなくて…最初に思い浮かんだのが「夢の途中」…いやそれ違うし…「セーラー服と機関銃」…そのまま作品の世界観に引きずり込まれていった。
 
♪愛ってよくわからないけど
 傷つく感じが 素敵…
 (作詞:松本隆)
 
映画「メイン・テーマ」の主題歌だ。
あの頃何度も聴いて、何度も歌って、歌詞も脳裏に焼きついているのにタイトルだけが出てこないってなんだよ。
 
中学時代に恋心を抱いた少年と少女が時を隔ててお互い50代になって再会する。
 
堺雅人演じる青砥は病院での内視鏡検査のあと、院内の売店でレジを打つ井川遥演じる須藤と再会する。
 
その後、改めて合流した居酒屋のカウンターで青砥と須藤が同じ曲を歌い出す。
カウンターの中に座った渋いマスターが微笑んでいる…塩見三省だ!
 
きっとこれはいい映画だなと思う。
 
いろんなものが思い出される、いろんなことが頭を過る、いろんな感情が呼び起こされる、なのにタイトルだけ最後まで思い出せない。
 
そんなじれったさそのものがこの映画にはずっと横たわっていて、歯がゆいような、照れくさいような、そんな自身のこれまでと重なる部分もありながら、最後まで目が離せなかった。
 
再会した二人はそれぞれのことを語り合いながら少しずつ距離を詰めていく。
 
印刷工場で働く青砥はバツイチで一人暮らし、別れた妻との間に生まれた息子がいて時々家にも立ち寄ってくれる。
 
須藤は夫と死別したあと、若い男に入れ込んで大金を貢いで、いまは地元に戻って安アパートで一人暮らし。
 
先の青砥の検査の結果は良性の腫瘍だったが、須藤はその後の健診で大腸がんの宣告を受けてしまう。
 
須藤の病気をきっかけにお互いに初恋だったあの頃の感情が動き出し、大人になった二人の初恋が再燃する。
 
中学生時代の二人を演じるのは坂元愛登と一色香澄。
坂元愛登は直近の「ちはやふる-めぐり-」や「不適切にもほどがある!」にも出ていた16歳、一色香澄はテレビドラマで注目も個人的には初見の15歳。
 
変に人気の子役やティーンを使わず、登場人物と同世代の二人をキャスティングしたのもよかった。
 
須藤がなぜ自身の初恋を否定してまで「ひとりで生きていく」ことに拘ったのかは後半で描かれるのだけれど、結局は彼女も一度は結婚を選んでいるわけで、その後も若い彼氏を作ったりと誰かと生きたかったのは間違いない。
 
しかしながら結果として50を超えて一人で生きていくことをまた決心するのは辛い選択だと思う。
 
退院した須藤と一緒に歩きだそうとする青砥は、いつか一緒に温泉旅行に行こうと約束をする。
 
須藤の6ケ月健診の夜、一年後の温泉旅行と結婚を切り出す青砥はまるであの頃の無垢な中学生のようだ。
やっぱりいくつになっても男の方が子供なんだなと…。
 
須藤と別れて一年後、中村ゆり演じる彼女の妹から真実を告げられる青砥…その現実を受け止められないまま涙すら出ない。
 
中学の頃の思い出がまた甦った。
 
そういえばあの頃自分にもクラスに好きだった女子がいて、偶然にも三年間同じクラスだったこともあって、気づいたら気になる存在になっていた。
 
でも、そもそも告白なんて思ってもいなかったし、たぶんそういう感情すら抱かなかったほどまだ子供だったし、あくまでもそっと見守る感じだった。
 
でも、その後クラスの別の女子と交換日記をすることになって、その時に何気なく<〇〇さんが好きかも>みたいなことを伝えてしまうほど情けなく子供だった。
 
十数年前に中学時代のクラス会が開催されて、そこで進行役から「〇〇さんは亡くなりました」って発表されたときの虚無感…あれは忘れられない。
 
それこそ卒業以来30年以上会っていないし、彼女の姿もあの時のまま止まっている。
詳しい経緯を知りたいという思いがすぐに浮かんだけれど、クラス会ではその事実だけが知らされただけで、幾つで亡くなったのか?結婚はしていたのか?家族は?そんなことすら想像もできなかった。
 
映画のエンディングで同級生の娘の結婚式のあとの打ち上げであの居酒屋にやってきた青砥。
 
生ビールの追加オーダーでテーブルから離れカウンターに座ったとき、偶然ラジオからあのメロディが流れてくる。
 
その途端に咽ぶように泣き始める青砥を前に、マスターがそっとラジオのボリュームを上げる。
 
♪笑っちゃう 涙の止め方も知らない
 20年も生きて来たのにね…
 
エンドロールでようやく「メイン・テーマ」だと気づく。
なんか大事な忘れ物をようやく思い出したようで、その瞬間にハッとしたのと同時になんだかとても切ない感情に包まれた。
 
エンディングでは星野源が歌うテーマ曲「いきどまり」が流れる。
 
「盤上の向日葵」のサザンもそうだったけど、エンディングがピッタリ嵌ると少し得をした気分になる。
 
でもエンディングに「メイン・テーマ」がイントロからフルで流れたら泣いちゃうかも…。
 
ここのところエネルギッシュなキャラクターで話題作に出続けている堺雅人が普通の中年男を演じるのも悪くない。
 
井川遥はいつの間にかいいポジションの収まっているというか、誰が見てもホッとするその清楚で静かな佇まいが素晴らしい。
 
ちなみに映画「メイン・テーマ」は1984年の角川映画。
奇才森田芳光の遊び心満載のエンターテインメント作品で、薬師丸ひろ子の相手役オーディションで野村宏伸がデビューした。
 
劇場公開時には舞台挨拶に駆けつけ、その後も何度もスクリーンで観た作品で、数年前の「角川映画祭」で観なおしている。
 

 ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン8

 

 

「港のひかり」(2025/東映=スターサンズ)

 

 監督:藤井道人

 脚本:藤井道人

 

 舘ひろし 眞栄田郷敦 尾上眞秀 黒島結菜 斎藤工

 ピエール瀧 一ノ瀬ワタル MEGUMI 赤堀雅秋

 市村正親 宇崎竜童 笹野高史 椎名桔平

 

 おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★★☆

 

 
静かなオープニングで撮影監督として大ベテラン木村大作の名前が縦文字でクレジットされる。
藤井道人監督の作品に対する心意気が伝わる演出だ。
 
ここ数年で藤井道人監督の新作を待ちわびる映画ファンも多くなったと思う。
前年は「青春18×2 君へと続く道」と「正体」というまったく毛色の違う作品を送り出し…Netflixで配信された「パレード」は未見…今回の「港のひかり」では彼の得意とする裏社会の生き様を描く。
 
地元のミニシアターではちょうど藤井道人監督関連の作品が相次いで上映されていて、ラインナップは「青の帰り道」(2018)・「ヤクザと家族 The Famil」(2021)・「生きててごねんなさい」(2022/プロデュース)と多岐にわたる。
 
今回の「港のひかり」は舘ひろし演じる元ヤクザの幹部が主人公だということで、未見だった「ヤクザと家族 The Famil」を観ようかと思ったけれどタイムテーブルが合わなかった。
 
北陸の漁村で漁師として暮らす元ヤクザの三浦は、目が不自由な少年幸太と出会う。
幸太は両親を事故で亡くし、保険金目当ての叔母夫婦に引き取られていたが、学校にも行けず酒浸りの叔父からは虐げられる日々だった。
 
三浦は不遇な境遇にありながらも一生懸命生きているその姿に自らの境遇を重ね、自分は元刑事だったと偽って名無しのおじさんとして彼を見守りながら交流を深めていく。
 
その後の検査で幸太の目が手術を経れば見えるようになると知った三浦は、現在も組に残る舎弟の情報で組の薬物取引の現場を襲って大金を強奪、その金を幸太の叔母に託すと自ら警察署へ出頭する。
 
やがて手術を終えて光を取り戻した幸太だが、三浦は漁のために長い航海に出ることになったと姿を消していた。
 
12年後、幸太は三浦への憧れを抱きながら成長し警察官になっていた。
その間も幸太は唯一交流がある荒川を通じて服役中の三浦と手紙のやり取りをしていた。
 
刑期を終えて出所した三浦は荒川の援助を受けて静かな生活を始める。
 
しかし薬物犯罪の最前線で活躍する幸太は捜査資料から三浦のことを知り、いまもおじさんと交流のある荒川を通じてその素顔を知ってしまう。
 
一方、三浦の出所を知った組長の石崎は復讐のために動き始めていた。
 
ちょうど「盤上の向日葵」を観た後だったこともあって、今回少年時代の幸太を演じた尾上眞秀の目力の強さで、同じ子役ながらイメージが上書きされてしまったりと少し混乱した。
 
後半はヤクザの抗争がメインになっていくのだけれど、幸太と三浦の交流の日々がベースにあるので、常に三浦の優しさを感じつつストーリーが進んでいく。
 
成長して刑事になった幸太に眞栄田郷敦、少年時代を演じた尾上眞秀の目力の強さをうまく引き継いだキャスティングはお見事。
正義感溢れる実直な性格も含めてこういう役は嵌ると思う。
 
三浦に恩義を抱く元舎弟でピエール瀧。
作品の背景もあるので特に感慨もないけれど、もう完全に復権したんだなと思う。
 
とことん悪い組長役で久々に椎名桔平がキレまくるのも面白かった。
 
宇崎竜童演じる亡くなった先代組長がいわゆる任侠道を貫く昭和の親分さんというテイストで、先代亡きあとに組を去った先代派の三浦に対して敵対心を剝き出しにしている。
 
先代からの薬物には手を出さないという不文律を守る保守派の三浦に対して、組のために金になるものは何でもやってきたというヤクザなりの自負のある石崎にとって彼は目の上のたん瘤らしい。
 
さらに石崎の配下でキレた若頭役で斎藤工。
いや、エンドロールで名前を再確認するまで気づかなかった。
 
組時代から三浦をよく知るベテラン刑事に市村正親、
 
少年時代の幸太を引き取った叔母のMEGUMIも含めて渋いキャストが揃ったのは藤井監督作品らしい。
 
女優陣では視力を回復した後に暮らした施設で幸太が最初に心を許した少女が成長した現在の姿を黒島結菜。
 
なお出所後の運転代行業の同乗パートナー役で岡田准一がゲスト出演。
 
もっともベースはヤクザ映画なのでかなりエグいシーンも多々あったり、けして観て楽しい作品ではないと思うので、この回の客層を見ても若い世代は多くなかった印象。
 
本編の撮影はフィルム撮影ということで、全体の色調も含めて久しぶりに映画らしい映画を観たなという感じ。
 
ラストに能登半島地震復興へのメッセージが刻印されてハッとした。
かつての様々な場面で復興支援活動に力を注いでいた石原プロの意思を引き継いで舘プロを立ち上げた彼らしいメッセージだった。
 
地元のシネコンの公開初週のタイムテーブルは…8:48 11:15 13:45 18:45 21:15…これ実はやはり同日公開の「平場の月」とまったく同じ。
さらに上映時間も調べたらどちらも118分とこれまた同じ。
 
作品の内容から客層的にも被ることが予想されることもあって、おそらくどちらを観てもいいようにあえて並べたか、あるいは時間を空けてはしごすることも可能なので、初週の集客を見極めやすいことも考えられる。
 
ただしどちらかがコケてあっという間に朝の回のみとかになりかねないので観られるときに観ておくのが正解だ。
 
 ローソン・ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン3