「帰ってきたあぶない刑事」
監督:原廣利
脚本:大川俊道 岡芳郎
舘ひろし 柴田恭兵 浅野温子 仲村トオル 土屋太鳳
西野七瀬 早乙女太一 杉本哲太 岸谷五朗 吉瀬美智子
おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★☆☆
正直予告編も観ていて「今さらあぶデカ?」という感じは拭えなくて、一年も待たずにCSかどこかで観られそうだし、最悪スルーもありかなと思っていたけど、嫁にいっても土屋太鳳好きなので思い切って観てみたら、いい意味で「普通にあぶデカしてるやん」と楽しめたのでよし。
お馴染みの東映の波しぶきの岩礁から、<ABUDEKA IS BACK>のタイトルが出て、そのあとにメインキャストのクレジットという流れが、古くからの日本映画のパターンで懐かしい。
そしてエピローグのあとにタカ&ユージのアップに改めて「あぶない刑事」のタイトル。
オーソドックスだけどこれから面白くなるぞという期待させる導入部がいい。
個人的には特に「あぶデカ」フリークでもないので、シリーズそのものにはあまり思い入れはないけれど、あの時代の刑事アクションドラマとしては群を抜いていたし、とりあえず観られるときには観ていたと思う。
今回久しぶりに日本映画で派手なガンアクションを見て、改めて思うのは石原プロが最後までこだわっていたアクション映画が実現しなかったこと。
やはりあの「西部警察」のクオリティで映画化できたら、きっとハリウッドにも対抗しうる大傑作が生まれたのではないか。
結果的に「あぶない刑事」シリーズはアクションコメディの色合いが濃くなってしまうのだけれど、ダンディ鷹山とセクシー大下のキャラ設定はバブル経済へと突き進む日本社会の中で、一服の清涼剤というか、週に一度だけ肩の力を抜いて楽しめるドラマとして欠かせないものだったのだろう。
本作でも二人の軽妙なやり取りが続くのだが、やはり時代的に滑ってる感は否めないし、どうしても二人の老いは隠しきれないのも事実。
また二人の娘かも?という設定で土屋太鳳がヒロインとして参加したのは悪くない。
彼女のもつ生来の生真面目さがうまい具合に中和剤となって見やすい会話劇になった。
仲村トオルや浅野温子といった常連キャストにベンガルも顔を出し、過去の映像も一部交えながらの120分はシリーズのファンにとってはたまらない作品。
タカ&ユージの若い頃のエピソードを再現するシーンの合成はかなり無理があったのも事実で、さすがにこれ以上シリーズを続けるのは無理はありそうだが、こういう刑事アクションドラマがなかなか見られない時代になったのは寂しく思う。
柴田恭兵の挿入歌や舘ひろしのエンディングテーマも懐かしく、休日の昼前に楽しむにはいい時間だった。
ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン6