「四月になれば彼女は」(2024/東宝)
監督:山田智和
原作:川村元気
脚本:木戸雄一郎 山田智和 川村元気
佐藤健 長澤まさみ 森七菜 仲野太賀 中島歩
河合優実 ともさかりえ 竹野内豊
おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★★★☆☆
公開前から気になってはいたものの、事前のプロモーションなどで出演者が語っていた新しいラブストーリー云々のコメントが引っ掛かったのと、いまさら佐藤健と長澤まさみで恋愛映画というのもいまひとつ食指が動かず、それでもなぜかタイムテーブルだけはフィットしていたりして、最終的にはウユニ塩湖の映像が見たいというのと長澤まさみの出演映画だからという部分で割り切った。
んーそういうことなのね。
終わってみればよくあるパターンのすれ違いのラブストーリーではあったかな。
いきなりウユニ塩湖が出てきて、え?それだけ?って…。
精神科医の俊は学生時代の交際相手である春と別れ、その後に出会った弥生との結婚の準備を進めていたが、結婚式の直前に彼女が突然姿を消してしまう。
一方で学生時代に同じ写真同好会の後輩だった春は世界を旅しているらしく、旅先から手紙が届いていて俊の心は揺れる。
森七菜演じる春が大学入学時に佐藤健と中島歩の二人から写真同好会に誘われるシーンはちょっと懐かしさを感じた。
自分は大学時代ではないけれど中高と写真部だったので、土曜の午後などはよく暗室で弁当を食べてから、写真の現像をしたりして過ごした。
2年になった頃には同級生の女子も入部したりして、思うにあの頃がいちばん青春していたのかなとも思う。
だから大学時代の二人のエピソードはよくありがちな展開だけど楽しく観られた。
そして大人になった佐藤健と長澤まさみの恋愛関係については正直あまりピンとこなかった。
ひとつには自分が生涯独り者なこともあるし、年齢的にもそういう難しい恋愛そのものに関心がなくなっているのも事実。
この辺りからちょっとこの映画は自分向きではないなという決定的な感じもあって、作品選択時の逡巡は間違いではなかったと変な確信をいだくわけで。
監督の山田智和はMVとかでは有名な映像クリエイターらしい。
なるほど映像の美しさは一見の価値ありだが、肝心のドラマの部分にうまくリンクしていかない歯がゆさが最後まで拭えなかった。
ここのところいろんなこともあって評判を落とし気味の森七菜、個人的にはちょっと苦手なタイプになりつつあるのだけれど、今回の役どころはよかった。
思えば映画で彼女が初めて気になったのは確か「地獄少女」(2019)だったと思うけど、その翌年に岩井俊二監督の「ラストレター」が公開されてその存在感が注目される。
ちなみに声優として参加していた「天気の子」は未見。
長澤まさみもすっかり大御所感が出てきてしまって、最近は社会派のドラマや映画が多くなってきている。
もともとコメディアンヌとしての魅力もあるので、もう少しエンタメ系の作品でも観てみたい。
これからも恋愛映画のチョイスには注意しないと…。
ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン4