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「映画 マイホームヒーロー」(2024/ワーナー・ブラザース)

 

 監督:青山貴洋

 原作:山川直輝 朝基まさし

 脚本:船橋勧

 

 佐々木蔵之介 齋藤飛鳥 高橋恭平 宮世琉弥 板倉俊之

 大東駿介 立川談春 音尾琢真 津田健次郎 木村多江

 

 おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★☆☆

 

 
 
原作は人気コミックだそうです。
元乃木坂46の齋藤飛鳥がキャスティングされていなかったら優先順位で観ない作品かな。
 
最初からテレビ連続ドラマから映画化へという発表があってのスタートなので、連ドラはすべて録画済みもいつもの感じで未見のまま気づいたら映画が公開という現状。
 
公開前にテレビの告知特番やダイジェスト版などもあったけれど、結局それらもほぼスルーのまま。
でも全体の流れや設定は分かっていたので問題はなさそうかな。
 
そうこうしているうちに今度は上映回数も減ってきて、公開初日には観ておきたかったのに、すでに一日2回の上映で翌週からはレイトショーのみになりそうな予感。
 
まあ、何とかなるだろうと、事前情報もそれ以上入れずにシネコンへ。
 
一応テレビシリーズで描かれた部分は劇中でも紹介される。
そもそもの発端は平凡なサラリーマン哲雄が、娘零花を守るために半グレ集団の延人を殺してしまうという事件。
妻である歌仙も夫の殺人を知り、やはり家族を守るために遺体処理を手伝うことに…。
 
延人殺害の疑惑を半グレ集団の青年恭一に負わせた哲雄だが、延人の父親であるヤクザの義辰にも追いつめられ、その遺体も山中に埋めて危機を脱する。
 
映画はその7年後。
一人娘だった零花は成人して警察官になっていて、夫婦には零花とは歳の離れた息子も生まれている。
 
正義感に燃える零花は家族の前で犯罪者はたとえ誰でも許さないという強い意志を示す。
 
そんな時、土砂崩れの現場でかつて哲雄が埋めた義辰の白骨遺体が発見される。
警察が7年前の事件の捜査に動き出し、半グレ組織も消えた10億円の行方とともにターゲットを哲雄と定めて刺客を送り込む。
 
一方の零花は哲雄が容疑者となっていることで捜査から外されるが、単独で事件の関係者を追いかけ始める。
 
バイオレンス系というほどでもないけれど、それなりにエグイ描写もあるいわゆるジェットコースタームービーなのかな?
 
ストーリー的にはそれほど捻っていないというか、むしろストレートなアクション作品。
 
普段の齋藤飛鳥のキャラクターを知っているので、こうして女性刑事というアクティブな役柄は何となく違和感がぬぐえなくて、慣れるまでちょっとむずがゆい感覚もあったりして。
 
ストーリーの全体的な流れはずいぶん破綻しているところもあるし、冷静に考えるとありえないような展開も多いけれど、映画としては無駄な伏線を張っていないというか、テレビドラマから7年後という設定ですべてチャラにしちゃっている気がしないでもない。
 
原作やドラマから継続して観た人と自分のように単純に映画だけを楽しんだ人とでは印象もずいぶん違うんだろうなと思った。
 
いや、それにしても母親の歌仙さんが何の罪にも問われていないのは違うだろう?とか、7年の間に零花と20は違うと思える歳の離れた弟が生まれているのもびっくりだったりする。
 
哲雄役の佐々木蔵之介は同時期のオンエアとなったドラマ「グレイトギフト」と同じく裏の顔をもったキャラクター。
同じドラマで共演している津田健次郎もインパクトのある悪役を演じているので既視感はぬぐえない。
 
全体としてはエンタメ系の作品ではあるけれど、そこで問われる「善」と「悪」の対比はちょっと面白かった。
 
哲雄は家族を守るために殺人を犯すのだが、追い詰められた津田演じる組織のトップ志野がその哲雄に対して、殺された仲間たちにも家族があり、自分にとってはみんな家族だと訴える。
 
半グレ=悪だから殺されて当然という論理は確かに破綻しているわけで、家族を守るために冷徹になって彼らを罰していく父親の姿をヒーローとして描こうとするとラストはああいう形に収めなくてならないのだろう。
 
 ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン8