「ゴールデンカムイ」 | MCNP-media cross network premium/RENSA

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「ゴールデンカムイ」(2023/東宝)

 

 監督:久保茂昭

 原作:野田サトル

 脚本:黒岩勉

 

 山崎賢人 山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 柳俊太郎

 泉澤祐希 矢本悠馬 高畑充希 井浦新 玉木宏 舘ひろし

 

 おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★☆☆☆

 

 
山崎賢人っていつの間にか日本映画のアクション大作の顔みたいになっちゃってるけど、そもそも「キングダム」シリーズのヒットが起点なんですよね?
 
さらに予告編では新作「陰陽師0」にも主演していることが判明し、この先どういう立ち位置の俳優になっていくのか興味があります。
 
「ゴールデンカムイ」については、公開前からあまり食指は動かなかったというか、予告編を観てまた「キングダム」みたいな作品なのかなという感じがして、まあ無理に見なくてもいいか?と思っていた。
 
今回は近隣で別の外国作品を唯一上映しているシネコンに向かったものの、予定よりかなり早く到着してしまい、先に昼食を済ませて少し車で休憩してちょうどいいかと判断も、さらに待っている時間がもったいなく思えてきて…。
 
ここまで何度も失敗しているのに食事後の休憩もそこそこに、ひとつ前のタイムテーブルが合った「ゴールデンカムイ」のチケットを購入してしまいました。
 
予想通り上映開始直後からちょっとヤバいなという感じはあって、案の定前半の一部でウトウトしかけて…。
 
でも、そもそもそういう前半だったようで、二百三高地の導入部でグイっと引き込まれ「不死身の杉元」のエピソードの流れは、なんか外国映画でもありそうな映像で面白かったのに、舞台が北海道に移ってからの展開がなんか安っぽく見えちゃったんですよね。
 
これは「キングダム」シリーズの初期でも感じたことで、コミック原作ゆえか、たまたまそういうキャラクターが嵌ったのか、急に緊張感が薄まるというか、映像そのものが軽くなってしまって、さらにヒグマや白い狼の造形の違和感も重なって、正直少し退屈な感じがそのまま睡魔を誘ってしまったらしい。
 

それでも中盤以降は盛り返してきたのだけれど、ここでも「キングダム」同様に原作を知らない者には唐突感しかないキャラクターがどんどん登場してきて、口あんぐり状態になってしまう。

 

さらに終盤でようやくプロローグが終わりましたみたいな演出もあって、そこからさらに今後につながる展開が描かれていくという構成もちょっと疲れた。

 

結局このシリーズもそうなるのね、という諦めのような感覚もあって、次作の公開まで興味を保っていけるのかというと少し不安。

 

もっとも「キングダム」シリーズは3作目あたりからようやくその世界観を理解できるようになったので、「ゴールデンカムイ」もそういう感じで付き合っていこうかなとは思う。

 

キャスティングに関してはヒロインを演じた山田杏奈はまだ弱い…原作を知る人には好評らしいけれど…というか、「ひらいて」とかの女子高生役のイメージがまだ強くて、これまでこういうジャンルの作品では観ていなかったので、この先どういうアプローチでこの役を演じていくのかは注目したい。

 

山崎賢人に関しては自身の映画俳優としてのスタンスが見えてきているようで頼もしい限りではあるけれど、そのスタンスを勘違いしてプロデューサー的な方向に色気を出すと過去の織田裕二のように逆に観客を置き去りにしてしまうことにもなりかねないのでそこは注意してほしいかな。

 
しかしここ最近話題になっているコミック原作の映像化をめぐる一連の騒動がどうしても頭をよぎって仕方なかった。
先の「キングダム」シリーズ同様に様々なキャラクターが錯綜する作品だが、ビジュアル的にはかなり原作に寄せている印象がある…そういう意味ではリアリティ感は薄い。
 
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