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「LAMB/ラム」
 ‟LAMB”(2021/アイスランド=スウェーデン=ポーランド
                   /クロックワークス)
 
 監督:ヴァルマディマル・ヨハンソン
 脚本:ショーン ヴァルマディマル・ヨハンソン
 
 ノオミ・ラパス ヒルミル・スナイル・グドゥナソン
 ビョルン・フリーヌル・ハラドソン
 
 おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★★★★☆
 

 
アイスランドの映画とか初めてかもな?
先に予告編で観て気になって、そこでほぼネタバレ状態であったわけですが、それを越えてくる感じというか、怪異・不気味・異形・不協和音…いろんな単語が思い浮かんだけれど、どれも当てはまらない。
 
ひとつには山の上の牧羊地という限定された舞台設定、登場人物もそこで暮らす夫婦と夫の弟のみ。
 
台詞も極力省かれていて、そもそも時代背景が過去なのか現代なのか未来なのかも不確か。
 
そんな感じをさらに助長させているのがアイスランドの白夜なんだろう。
 
ストーリーを追っていくうちに夫婦が外がまだ明るい時間帯に食事をとったり、ベッドに入って睡眠をとるシーンが多いことに気づく。
 
当初は牧羊を営む夫婦ゆえに生活時間が我々と違うのかと思ったけれど、途中で白夜のことに思い至り、それ以降はずっと白日夢を見せられているようでした。
 
まあ観る人を選ぶ作品であることは間違いない。
 
こういう映画は日本では作れない。
前回の「“それ”がいる森」もそうだけど、見せ方が下手くそなんだな、見せたらそこまで、その先が続かない。
 
この「LAMB/ラム」は予告編でもポスターでも本編でも意外にあっさり見せちゃってる。
それでも最後に予想以上のものを見せてくる。
 
それがお気に召すかどうかは観客に委ねられるんだろうけれど、「NOPE/ノープ」なんかもそうだけど、そうきたか!?って思わせたら勝ちなのかもしれない。
 
人によっては、へんてこ映画かもしれないし、トンデモ映画かもしれないし、どっちらけ映画かもしれないし、でも観終わった後に「面白かった」とか「あっという間だった」とか、そういう感覚でスクリーンを後に出来たら、それこそスクリーンで観る意味がある作品なんだと思う。
 
まあ救いはないけれど…。
 
 MOVIE伊勢崎 シアター9