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「レディ・プレイヤー1」

 “READY PLAYER ONE”(2018/アメリカ=ワーナー)

 

 監督:スティーヴン・スピルバーグ

 原作:アーネスト・クライン

 脚本:ザック・ペン アーネスト・クライン

 
 タイ・シェリダン オリヴィア・クック ベン・メンデル T・J・ミラー
 サイモン・ベッグ ハナ・ジョン=カーメン 森崎ウィン
 マーク・ライランス リナ・ウェイス フィリップ・チャオ
 
 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆
 

 

一応40年来のアイドル好きではありますが、けしてサブカル好きじゃないんですよ。
だからこの映画の公開前にガンダムがどーの、AKIRAがどーのと騒がれても特に思い入れはなかったわけです。
 
そもそも各種の人気ゲームもまったくやらないし、漫画やアニメなどもほぼほぼノーチェック。
もちろんコミケやニコ生とかのイベントも一切興味がないので、そういうものに多くの人が群れる心理も理解できない。
 
そんな自分が観ても大丈夫なのか?と思わせる一連のプロモーション展開も含めて、今回の「レディ・プレイヤー1」鑑賞にはちょっとしたハードルを感じていました。
 
作品自体も約2時間半の長尺ってのもあるし、変なタイミングで観に行って寝落ちしたり、疲れから集中できなくて???でスクリーンを後にしたり、そういう危惧も抱いていたので特に予定のない週末の夕方の回にポイント鑑賞で臨みました。
 
結果としてそうした不安は杞憂に終わったのですが、まあ考えたらスピルバーグですしね、映像は複雑ですがストーリーはとてもシンプルでわかりやすく作られていて感心しきりでした。
 
でもやっぱりアバターとかがメインとなる映像は苦手というか、見ていて単純に疲労感を覚えます。
あの「アバター」で寝落ちした人なんで、基本こういうモーションピクチャーを利用した映像には共鳴できないのは変わりません。
 
でも面白かった。
それは事実。
 
舞台は2040年代という近未来、VR技術がさらに発達し、多くの人たちはオアシスという仮想空間でもうひとつの自分を日々体感している。
 
VRを映像化した作品だと「トータル・リコール」とか思い出すけど、あれもオリジナル版は28年前なんですね。
そう考えると発想としてのVRってなかなか進歩が難しいのかなと。
 
ちょうど何年経っても都市間を自由に走行する空飛ぶ自動車が実現しないのと同じように、あるいは「カプリコン1」で描かれたアポロの月面計画が実はまやかしだったように、人類が期待するほど技術の進歩は歩を速めてくれない。
 
作品の中で描かれるアドベンチャーにしても「レイダース」や「グーニーズ」のあの頃のそれと実質あまり変わりない。
それは結局はフィクションの中のゲームでしかないわけで、人間は最後には現実という真のリアルに立ち返る。
 
どう描こうがドキュメンタリー以外の映画は所詮虚構の中の出来事であるわけで、僕たち観客はそこに自分なりの人生の在り方を見い出してそれを感動というオブラートで包んで楽しんでいるんだな。
 
そんな風に思えてしまう。
 
スピルバーグには先に史実をベースに描いた「ペンタゴン・ペーパーズ」があって、その一方でこうしたSFエンターテインメント「レディ・プレイヤー1」もある。
やっぱりすごい才能だなとは思います。
 
作品にちりばめられた小ネタの数々を探すために何度も劇場に足を運ぶ人も多そうですが、一度観てしまえばあとは映像ソフトでじっくりという手もありそうです。
 
自分のように気になって迷っているなら観る価値はあると思いますが、映像の洪水に耐えられる自信がある方だけにしてください。
 
ひとつだけ確かなことは、それさえクリアできるならばどの世代でも楽しめる工夫がされているのは間違いありません。
 
 
 ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン9