「イニシエーション・ラブ」(2015/東宝)
監督:堤幸彦
原作:乾くるみ
脚本:井上テテ
松田翔太 前田敦子 木村文乃 三浦貴大 前野朋弥
山西惇 木梨憲武 手塚理美 片岡鶴太郎
上映前にご丁寧に「ネタバレ禁止」的なテロップがありますので、出来るだけストーリーには触れないようにしますが…。
キャッチコピーが「最後の5分すべてが覆る。あなたは必ず2回観る。」
予告編やプロモーション映像で何度も繰り返される前田敦子の「たっくん」
監督が堤幸彦ということもあって、過大な期待は禁物だなと思っていたけれど案の定。
しかもオープニングで日テレのマークで、ま・ゆ・つ・ば。
普段から映画を一本の作品としてしっかり観ている人ならば、いきなりSideAとクレジットから松田翔太とまったくの別人のたっくんの物語がスタートした瞬間にすべて謎は解けるはず。
観終わってまず思ったのは…。
「最初の5分で先が読める。あなたは1回観ればすべてが分かる。」
だって作り手の方から「2回観なくてもいいですよ」というオマケ映像が…あれっていらないでしょ?あれがなければ「もう一度…」って思えたかも。
堤幸彦らしいといえばらしいというか、極めてテレビ的な作品でしたね。
前田敦子のベッドシーンも一応…あくまでも一応ありますし、ファンにはショックな喫煙シーンも…。
木村文乃もいつものいいとこのお嬢さん系かと思いきや、学生時代は演劇女子というのが新鮮でしたが、見せ場らしい見せ場はあったのかな?ちょっともったいない役どころでしたね。
80年代のカルチャーとJ-POP満載ですが、あまり効果的に使っているとはいえません。
きっと劇中での曲の並びとかも伏線としてこだわっているのだと思いますが、自分はBGMとして懐かしく聴いていました。
いずれにしても最初からこういう映画だと割り切って楽しむ分には全然問題ないと思います。
もし「もう一度観たくなる」映画をお探しなら昨年公開された「バイロケーション」とかどうでしょうか?
自分は迷わず2回観ましたし、本編の「表」に続いて公開された「裏」も観てしまいました。
「イニシエーション・ラブ」も最近の流行に倣ってSideAとSideBの2本で上映すれば…あーAは前田敦子ファンしか観なくなっちゃうか?
まあ、個人的にはああいう媚びる感じのあっちゃんは嫌いじゃないし、意図的なアップの多用でちょっとした妄想シチュエーションも楽しめるし、最後まで気分よく観ることはできました。
劇中でテレビに映る音楽番組が「ザ・トップテン」だったのが懐かしく思える人は、最後まで心地よくスクリーンに身を委ねてればいいのかもしれません。
以上、ネタバレなしでお伝え…できたかな?
それにしても上映前から危険な感じがした前の列の若い兄ちゃん二人組、上映中にLINEチェックしたり、空いているといえ両足を前の席に投げ出したり、途中から退屈し始めて伸びをしたりとひどいものだったけど、挙句の果てにコンセッションで買った飲食物のトレイをそのまま客席に放置してエンドロールも見ずにさっさと退出とか…もうシネコンに来ないでください。
2015.5.27 MOVIX伊勢崎 シアター1
おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★☆☆